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0361・裏側にあったもの




 うどんを食べた後、少しゆっくりしている3人と1頭。それなりに残った鍋の具は、全て<鮮烈の色>が食べた。思っている以上に美味しかったのか、4人も満足しているようだ。


 ミク達が許可したのは4人ならば節度が分かっているからである。というより、ミクが最強の肉塊だと知っていれば変な要求などしたりはしない。喰われても文句が言えない事など、する訳がないのだ。


 だからこそミク達は許可したし、そんな事は<鮮烈の色>も分かっている。なのでミク達が許可してからしか食べていないのであり、決して自分達から言っていない。



 「ふぅ。美味しかったけど、これから不寝番をしなきゃいけないのよねえ。仕方ないから諦めるけどさ。そういえばここら辺ってそろそろ町に近いんじゃないの?」


 「ええ、あと2時間ほど行けば町に着くと思います。ですから先制攻撃として輜重に何かをしてくる可能性は無いとは言えませんね。とはいえそこまで神経質になる必要は無いと思いますよ?」


 「なんで? ……って、東から攻められてるからか。それに、まだこっちに気付いてないなら、夜に奇襲をしてくる可能性は低いわね」


 「輜重は後方ですし、前でも監視や不寝番を置いているでしょう。そして見通しの良い平地です。そう簡単には近付いてこれないと思いますよ。隠れることに特化したスキルを持っていれば、その限りではありませんが……」


 「それは考えても仕方なくない? 幾らでも言えるし警戒したってキリが無いわよ。普通のヤツだけ警戒してればいいでしょ」


 「それはそうだね。感知できない以上は考えても無駄さ。そんな無駄な事をするぐらいなら、最初から諦めて他のを確実に防ぐ事の方が重要だよ。どうにもならないものは、どうにもならないからね」



 <鮮烈の色>のファニスが言う事も最もかと思い、それ以上は口にせず納得したティア。本当にすべてをすり抜ける者が居れば諦めるしかない。そういう意味では納得できたものの、出来得る限りは危険な者が出ない事を祈るのだった。


 地面に狐の毛皮を敷き、ミクが【浄滅】を使った後で寝転ぶ。流石に服を脱がして綺麗にする訳にもいかないので、今はこれが精一杯である。<鮮烈の色>は馬車に戻って脱ぎ、【清潔】で汚れを落としているらしい。


 男だと気にしない者も多いが、女性探索者は綺麗にしている事が多い。そういう意味では好まれるのが女性探索者なのだが、その分だけ危険な目に遭う可能性も高く、なかなか大変ではある。


 <鮮烈の色>でさえ寝る時は一塊になって寝ているので、それだけ女性が狙われる事が多いという事であろう。最初の不寝番はアレッサに決まったので、アレッサは起きているが、他の者は既に寝始めた。


 暗くなった段階でミクは馬車に乗りこみ、そこで透明なピーバードに変化。外へと飛び出し、一路フィグレイオの王都へ。



 ◆◆◆



 久しぶりの王都フィラーではあるものの、そこまで時間がある訳でもないので素早く進めていく。まずはシャルの元屋敷に居る者の抹殺だ。屋根の上に乗ったミクはムカデに変わり、窓の隙間から侵入していく。


 かつてシャルが寝泊りしていた部屋に生命反応があったので入ると、そこには若めの男が寝ていた。おそらくこの男がキドアルスなのだろう。触手を首筋に突き刺し麻痺毒を注入したミクは、さっさと本体空間に転送する。


 レティーが脳を食べて情報を整理するのを待つ間、ミクはさっさと屋敷を出て屋根へ移動。ピーバードの姿で待つ。



 『どうやらこの男、前の宰相と関わりがあったようですね。近衛の中で扇動し、スヴェストラ将軍を暗殺にまで持っていく為に色々な事をしています。空いた将軍位に座る代わりに、前の宰相の命令に従う約束をしていたようですが……』


 『前の宰相は壊れた筈だが、この男は何故か将軍位に着いているな。それはどういう事だ?』


 『どうやらオールドム侯爵に擦り寄ったようです。前の宰相との密事を持ち出し、自分は近衛の中とも繋がりがあるとアピールしたようですね。オールドム侯爵は不快に思ったようですが、それでも受け入れて抜擢したというところでしょうか』


 『その辺りがどうも分からんな。かといってオールドムという者は悪意を持って悪事を働いている訳ではなさそうだ。そういう者は喰えんからな……さて、どうするか』


 『屋敷の中に居るメイド長と執事長は、スヴェストラ時代から変わっていないようです。そしてこの者どもは内通していました。まずはこいつらを喰うのがいいでしょう』



 どうやらシャルに警戒されていて当然の事をしていたらしい。こうなると執事やメイドは王の命令ではなく、キドアルスや前の宰相に従っていたのだろうと思われる。


 屋敷の中に戻ったミクはレティーの情報通りの部屋に行き、執事長とメイド長を喰らった。そのついでにキドアルス家族もアウトだったので喰らい、トイレへ。そこで体の中の尿や糞を捨て、再び屋敷の屋根に上がる。



 『かつての執事やメイドを扇動していたのは、執事長とメイド長の2人で間違いありません。前の宰相の命令であり、再就職の為にキドアルスに協力したようです。キドアルスも内情をバラされたくはないので、強引にこの屋敷を手に入れたようですね』


 『それでこいつらを雇った訳か。まあクソどもはこれで終わりだからいい。他に腐ったヤツは居るか?』


 『ええ。近衛の中と軍の中にもキドアルスと宰相に靡いた者達が居たようですね』


 『ならばそいつらも喰って帰るか』



 ミクは素早く動き、近衛の中の腐った者や軍の幹部を食い荒らし、そこから分かった連中を更に食い荒らした。しかし今の宰相の犯罪などを見つける事は出来なかったので、やはり国の為に動いている人物なのだろう。


 喰い終わったミクはさっさとピーバードになり、帰り道の間に糞尿を空から捨てて戻っていく。相変わらずドラゴンは見えないが、暑い季節なので何処かへ移動したのだろうか?。



 ◆◆◆



 無事に戻ってきたミクは馬車の中に入り、美女の姿に戻った後で服を着ていく。アイテムバッグとレティーを出したら野営場所に出て行き、<鮮血の色>のウェルドーザに話しかける。



 「戻ってきたから交代して寝ていいよ。私はそもそも眠る必要が無いからね」


 「ごめん、お願いできる? 久しぶりだから凄く眠い。ちょっと我慢できそうになかったの。申し訳ないけど寝かせてもらうわね」



 そう言ってウェルドーザは自分の寝ていた場所までいき、そのまま寝転がってすぐに寝てしまった。それだけミクを信用していたのか、眠たくて仕方なかったのか。


 そこは分からないが、ミクはゆっくりと瞑想の練習をしていくのだった。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 翌朝。日の出は過ぎたものの、まだ起こさずにゆっくりしているミク。他の者達も昨日眠れなかった分、今日は寝ているらしい。フィグレイオ軍も未だ動き出していないので、まだ早いのだろう。


 そんな状況なのでゆっくりしていると、突然セリオが起きた。どうやら不意に目覚めたらしいが、また変な夢を見ていたようだ。元気よく起きてきたものの、皆が寝ているのでミクと遊び始めるセリオ。



 『うーん………わぁ!?』



 コロンと転がされるも、再びミクの掌を押していくセリオ。どうも荒ぶる部分があるのか、押したり突っ込んだりが好きなようである。幾ら理性があっても本能が無くなる訳ではない。何かに突っ込みたいのも本能なのだろう。


 傍迷惑な気もしないでもないが。


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