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0351・話し合いと報告




 「説明ねえ……ダンジョンの帰り道でいきなりアレッサを襲ってきた、元アレッサと同じヴァンパイアの眷属? パルマナとかいう名前らしいけど、それ以外はイマイチよく分かってないね」


 「ほーう、ヴァンパイアとはまた……。本来なら相当強い筈なんだが、何だか弱そうだな? 顔はいいけど華奢きゃしゃだし、本当にそういう扱いをされてそうなヤツだ。たまーに貴族のお付きみたいなので見る連中にソックリだな」


 「いわゆるお尻の愛人ってヤツだね。妙なのと子供を作っても困るから、代わりに尻の愛人を持つんだけど……それは横に置いとくかい。誰も聞きたい訳でも無さそうだし」


 「そりゃね。それはともかくアレッサ、このパルマナというヤツは何なの? 何でいきなり貴女を殺そうとしたのかも分からないし、そもそも貴女と同じヴァンパイアの眷属って<神敵討伐隊>に倒されたのよね?」


 「わたしは白い服の連中、つまり<神敵討伐隊>から逃げただけ。眷属全員が滅ぼされたかどうかは知らないよ。知ってるのは、あのクソヴァンパイアがチャクラムとかいうので首を刎ねられて滅んだってだけ」


 「成る程ね。そのキュレなんとかが<聖浄なるチャクラム>で滅んだのは見たけど、それ以外は分からないと。そしてこの男も<神敵討伐隊>から逃げ切った訳ね。なかなか優秀なのかしら?」


 「パルマナはわたしより少し前に眷属になってた筈。あのクソヴァンパイアは大量に眷属を増やす事はしなかったから、全部で12人しか居なかった。しかもわたしは3番目だから順位的にも上なのよね」


 「こいつが2番なら一番は?」


 「ウェルトロッサ。眷属長という地位にいた邪魔なヤツだ。ヤツさえ居なければ私が一番の寵愛を受けていたに違いないというのに! まあ、あの女も滅んだから清々したがな」


 「あいつ滅んだの? 元暗殺者の女で、わたし達を随分と見下してたのにねえ。暗殺の技を持ってるからって、農家の娘でしかなかった私をこれでもかとバカにしてくれたヤツ。今思い出しても腹立たしいけど、滅んだなら確かに清々するわね」


 「それ以外の奴等がどうなったか知ってる?」


 「全員滅んだ筈だ。我を追い駆けていたヤツがそのような事を言っていた。……追い詰められはしたが何とか勝利し血を奪った奴だ。それ以外は知らんが、後の奴等はザコしかいない。魔法を使える奴は多く居たが……」


 「あいつらなら無駄でしょ。わたしだって逃げて逃げて逃げて何とかなのに、ヴァンパイア・ロードに至ってない奴等が逃げられる訳がない。そもそもヴァンパイア・ロードに至ってたのは私達3人だけだもの。あとは居てもメジャークラスだった筈」


 「それ以前に主であるキュレなんとかが一撃で滅ぼされてるんだから、逃げに徹する以外に方法なんて無いでしょ。それに<神敵討伐隊>ってそもそも弱くないのよ」


 「で、結局コイツはどうするんだ? このまま放っておかれても困るんだが……」


 「……うん。折角だからこうしようか」



 肉塊で覆い、本体空間に転送したミク。とりあえずコレで邪魔な奴は居なくなったが、どうするつもりだろうか?。



 「ここで尋問した後【浄化魔法】で滅ぼした事にしておいてよ。口裏を合わせればいけるだろうし、別にそこまで気にもならないでしょ? 所詮はヴァンパイアだし」


 「まあ、それはそうだが……。結局お前さん達は何をしにワシの執務室に来たんだ? さっきの奴の尋問の為に来たのか?」


 「違う、違う。本来の用件はコレだよ。第7エリアの詳細な地図と簡易地図。ちなみに9階のここに書いてあるけど、こっちのボスは巨人で偽物のボスだから。倒しても第8エリアには進めなかったんだよ」


 「それどころかシャレにならない程に強いから、絶対に行くなって書いておいた方が良い。ワイバーン製の武器に魔力を通して全力の【身体強化】で攻撃したのに、少し皮膚が切れただけだよ?」


 「………いや、それ倒せるのか? お前さん達が全力の【身体強化】をしてそれじゃ、殆ど碌にダメージなんぞ与えられんだろう。というか、そんな相手によく勝てたな?」


 「何とか全員っていうか、ミク以外でボコボコにして勝ったのよ。たまにはミクの力は無しで勝てって言われてね。言われた事は最もだし、ミクが居ない時にピンチになっても困るから頑張ったわよ」


 「そもそもあたし達が戦って強いと思う者があんまり居ないからねえ。にも関わらず、あの巨人は怖ろしい程に強かったよ。あれに勝ったあたし達からすれば、本来のボスである白い毛の熊2頭は弱過ぎる」


 「それが、コレ。皮を3重にした鎧だけどね。ワイバーンの皮の鎧と遜色そんしょくが無いか少し上。思っている以上に防御力は高いと思うんだけど、その反面ボスなんだよね。皮を集めるのは大変だと思う」


 「何度も何度もボスまでは行けんだろうし、そもそもワイバーン皮と同じぐらいというのは強すぎる。エクスダート鋼を使わんと勝てんだろう。第7エリアに行ける程の実力があるなら買えるだろうが、果たしてそれで切れるのか……」


 「それは本人の努力次第だから何とも言えないね。私は総鉄製のバルディッシュで勝ったけど、1戦だけで柄が曲がって刃がボロボロになったよ。あれでもワイバーンなら儲けが出るから、何とかいけるんじゃない?」


 「そもそも総鉄製のバルディッシュでワイバーンに勝てるのは、間違いなくお前さんだけだ。他の探索者にも出来る前提で言わんでくれ。そんな事を言われても無理に決まっとる」


 「でしょうね。それはともかく、私達の用事はそれだけだから。さっきのヴァンパイアは帰り道で襲ってきて、ミクが返り討ちにしたのよ。目撃してたのも大勢いるし、だから聞き込みをすればすぐに分かると思うわ」


 「で、その襲ってきたヴァンパイアはアレッサの知り合いというか、眷属仲間だった訳か。そして妙な暗示というか何かをされていると。元の主が滅んでいるのに効果が残るのか?」


 「それに関してはアレッサも同じ。心臓が奪われて、私が助けるまで暗示か何かは解ける事がなかった。つまりあの男も解ける事は無いでしょうね、私が助けない限り」


 「成る程な。つまりさっき見たのが本性というか本心でない可能性も高いのか。そうなるとヴァンパイアからはまともな話は聞けないと思った方がいいな。どうせおかしな事を口走るだけだろうし」


 「アレッサの主だったヤツは特におかしな事をしてるから、全てのヴァンパイアがそうとは限らないよ。とはいえ何かしらの洗脳っぽい事は眷属になった段階でされてるだろうけどね」


 「眷属って、そもそもそういうものよ。ヴァンパイアのマスターに対して逆らわないようにさせる為のものだし、家族みたいな形にする為でもある。そうする事によって逆らわなくさせるのよ」


 「なかなかに厄介なものだと思うが、さっさと浄化しちまった方が早いな。別に無理して生かす義理も無いし」


 「当たり前だけど、ヴァンパイアは唯のアンデッド。討伐対象を見つけたらさっさと倒す、もしくは近くの探索者ギルドに駆け込んで情報提供。これが基本よ」


 「まあなあ。そう考えると、基本のマニュアルもよく出来てるもんだ。その場その場で対応が変わるとおかしくなっちまうからな。……稀にメチャクチャできるもんも居るが、それを考慮する意味はねえな」



 珍しいというか、あり得ない者を基準に入れると意味が無くなる。マニュアルはあくまでも平均的な人に対しての物であり、そもそも怪物には必要のない物であろう。


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