表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
333/1113

0328・第7エリア・5階




 第7エリアを北東へと進んで行く3人と1頭。1階が西南西で2階が南西、そして3階が東北東だったのだから4階は北東だろう。何処のエリアも5階までは、そこまで捻くれてはいない。厄介なのは5階以降である。


 なので今はまだ簡単だろうと思っており、その予想通りに階段は見つかった。そこを下りて5階へ。階段を下りて見えた景色は、なんと氷の世界だった。しかも階段の周囲は氷の陸地なのだが、そこから先は360度が海になっている。


 その海に氷が浮いているのが見えるので、おそらくはアレに乗って移動しろという事だろう。氷同士がぶつかったりしているのも見えるので、とんでもなく嫌な予感もしている。中には沈む物もあるんじゃないかと、そういう予想が拭えないのだ。



 「アレって、絶対に沈むヤツとかあるわよねえ……。乗っているヤツが沈んで、溺れるか魔物のエサ? やってられないわね、ここ」


 「それでも突破するしかないんですし、あの氷に乗って移動するしかないでしょう。他に道は無さそうですし、何処かに階段があるんでしょうね」


 「ここも一から探すしかないね。少なくとも海に囲まれている以上は、私以外じゃどうにもならないよ。私は飛べるから良いけど、それは私以外では不可能だし。それに、一応人間種でも突破できる方法じゃないと怪しまれるしさ」


 「それがあったかー……流石にミクの本体空間に隠れて攻略は駄目ね。説明できないし、ラーディオンにバレたら五月蝿そう」


 「それ以前に、攻略方法が分からないと表に出せませんよ。どうやって攻略したのか説明出来ないですからね。迷路とかだと問題ないでしょうが」


 「ああ、確かに。とはいえ迷路なんてエリアがあるかしら。仮にあったとしたら難易度高そうよね。地道に地図を描く以外に攻略方法が無いし、自分の位置を見失ったら終わりだし」


 「だろうね。自分の居場所を見失うのが最悪だよ。そうなると地図があっても分からなくなる。それは良いんだけど……どれに乗る?」


 「北に1個、南に1個、東に2個あるんだよね。でもさっきの階層が東だったし、流石に東は無いかな。となると北か南だけど、さっきは北東だったから南のに乗ろう」



 アレッサが決めて南の氷に乗ったミク達。何故かミク達が乗り込むと進み始め、勝手に何処かへ流されていく。だいたい円形で、直径10メートルほどの氷がプカプカ浮きながら進んで行くのは面白い。


 ただ、そう思っているのはミクだけであり、アレッサとティアは不安そうにしている。おそらくはプカプカしているのが不安定に感じるからだろう。セリオは周囲の景色を見て喜んでいる。



 『向こうの方が遠くに見えるね。水ばっかりの場所があるって面白いけど、落ちたら大変だから、落ちないようにしなきゃいけないよ!』


 「だから中心に近い所に居るのよ。ここなら揺れにくいだろうし、ちょっとぐらい動いて、うわっ!?」



 突然乗っている氷に魔物が上がってきた。トドというかセイウチというか、そういう見た目の魔物が乗ってきた所為で大きく揺らぐ氷。慌てて戦おうとするも、何故か跳ねるトド。そして壊れる氷。



 「あ、ああーっ!? なんて事すのんのよ、あのデブ!! あいつワザと氷をブッ壊していったわ! もしかして、どんどん壊されていって沈むって事!?」


 「その可能性はあります。中心に居るよりも、上がってくる魔物を迎撃した方が良いかもしれません。それに壊されたからか、変な方に進むようになりましたよ!」



 氷が欠けたからか、先程までとは別の方向に流されるようになったミク達の氷。壊されないで行く方向と、壊されて行く方向が別なのだろうか? そんな事を思っていると、元の階段の場所に戻って来てしまった。


 魔物はアレ1頭だけ、氷が壊されて戻ってきた。ミク達は氷から降りるも、特に変化は無かった。試しに4階へと戻り、直ぐに5階へと下りる。すると、南の氷は何故か復活していた。



 「つまり、失敗したら上の階に戻ってから、また来ればいいって訳ね。直ってくれるのはありがたいけど、壊れて落ちる可能性があるのがやーねー」



 アレッサが愚痴るものの、再び氷に乗った3人と1頭。今度はバラけて待ち、上がってきたトドを即座に切り裂いたティア。氷が壊れてはいけないので、右下から左上へと切り裂いた形だ。


 トドが血を噴き出すと、すぐにミクが接近し中心へと運ぶ。トドの血は海に流れたが、その下でバシャバシャと大量の何かが動いている。何かは分からないが、どうやら血に反応するらしい。


 一部は氷の上に上がってきたが、どうやら小さな魚であった。ただ、歯が鋭く非常に危険なのは見ただけで分かる。どうやらコイツが海の下で蠢いているらしい。本当に厄介なエリアだ。


 先程とは違う場所に運ばれて行ったので降りたが、特に何かがあるという訳でもなかった。どうやら南の氷は間違いらしい。再び氷に乗って移動すると、階段の所まで戻ってきた。なので今度は北の氷に乗る。


 再びバラけて待ち、今度はアレッサがウォーアックスを水平に薙ぐ。体の半ばまで食い込んだ斧刃を離すと、大量に血を噴出して死亡。氷を壊される事は無かった。再びミクが収納し、そのまま進む。


 別の場所に着いたものの、ここも何も無い場所だったので戻る。どうやら東に並んでいる内のどちらかが正解のようだ。階段の所まで戻されたので、次に東の北の方に乗る。


 再び揺られて進み、乗ってきたトドを殺すと、そのまま階段へと戻ってきた。いったい何の意味があったのか分からないが、東の南の氷に乗る。


 トドを倒して待っていると、別の場所に到着。そこを調べるも何も見つからなかった。


 再び戻ったミク達は東の北の氷に乗り、今回は中心に乗っている。トドが現れ氷を破壊したが、そのまま待っていると別の場所に到着。そして既に階段が見えていた。


 乗っている氷を壊されないと先に進めないとは、厄介な事をしてくれる。



 「ここまで面倒だとは思わなかったわ。まさか氷を壊されないと進めないなんて」


 「いったい何を考えているのかと言いたくなりますし、どうなっているのでしょうね。もし壊された事によって海に転落したらどうしてくれるのか、ダンジョンを作った者に文句が言いたいです」


 「分かる。やってる事がメチャクチャなのよ。壊れた際に、運が悪ければ落ちるし死ぬじゃない。あの魚が居る以上、絶対に襲ってくるわよね?」


 「ええ。襲ってこない筈がありません。絶対に襲ってきますし、それが当たり前でしょう。更に言えば寒い場所なんてすよ、ココは。防寒具を着ているのは当たり前ですし、そんな状態で落ちたら……」


 「まあ、防寒具が重くて上がれないだろうね。そう考えると、確かにメチャクチャだというのも分からなくはない。少しずつ少しずつ攻略するしかないんじゃないかな? 1人で乗せて犠牲を最小限にすればいい」


 「いやいや、犠牲が出る前提なのはどうなのよ。ここは第7エリアよ? ここまで来るのでさえ並大抵の苦労じゃないっていうのに、更に犠牲にするっていうの?」


 「そうですよ! そんな事をしてまで攻略するなんて!」


 「そう思う奴は、多分だけど諦めるんじゃない? ここから先に行こうって奴は、なんとしても攻略したい奴だけだと思うよ? 1度でも正解ルートが分かれば、後続は死ななくて済むんだし」


 「それは、そうかもしれませんが……」



 実際に犠牲が出るのが当たり前として、それでも進む者と犠牲が出るならと諦める者とに分かれるだろう。それでも進もうとした者達が残した情報の御蔭で先に進めるというのもある。


 そしてそれは、第2エリアや第3エリアを古い時代に攻略した者達も同じなのだ。犠牲にはなったが、その御蔭で後続の者達は楽が出来ている。


 つまり最前線を攻略するというのは、その選択肢を自ら選んだという事だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ