表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
241/1113

0236・第6エリア・5階




 「私達が邪魔だったから、排除する為にゴールダームの話をした?」


 「あくまでも可能性よ? でも、そもそもカムラ帝国ってそういう国じゃない。もちろん平民まで謀略にまみれているとは言わないけれど、だからといってそういう事が無いと言い切れる?」


 「誰だって嫉妬を持つし、その嫉妬から邪魔者を排除しようとしても不思議じゃないね。嫉妬から相手をけなすヤツも居れば、嫉妬から持ち上げておだてて排除するヤツも居るって事さ」


 「そうですわね。どのような手法で来るかはそれぞれの者によって違うのでしょうが、貴方達は少々脇が甘かったという事でしょう。イリュディナ殿とは知らずに喧嘩を売るところも、脇が甘いと言わざるを得ませんわね」


 「「「「「………」」」」」


 「それでもイリュに喧嘩を売っただけマシじゃない? ミクに喧嘩を売ってたら、殺されて終わりでしょ。もしくは再起不能なぐらい心に傷を負うか」


 「だろうねえ。私もどっちかしかないと思うよ。どっちにしたところで探索者を続ける事は不可能だから、故郷に帰る事になるだろうさ。もしくはゴールダームのスラム行きか」


 「スラムに行ったところで意味はないけどね。何でイリュの宿がここにあるのか、考えたらすぐに分かる事だよ」


 「………もしかしてスラムのふたみたいな役割、なんですか?」


 「だいたい正解ね。もう少し正確に言うと、スラムの組織をいつでも潰しに行く事ができるように、ここにイリュディナの宿があるのよ。<鮮血の女王>はいつでも動くぞ、と言ってるわけ」


 「そこに堂々と喧嘩を売ってきたバカが居るんだけど、もしかしたらスラムの連中から引き抜きがあるかもね。なかなかいい根性してるから来いよ、とか言ってくるかも」


 「ゴールダームのスラムって言っても、それなりに腕の立つ奴等は居るからね。各国のスラムと同じじゃないし。ここでは夢破れた奴等も、それなりの腕はしてるんだよ。あたし達の相手じゃないけどさ」


 「それはそうでしょうよ。私達の相手になるって事は、少なくともランク11以上って事よ?」


 「「「「「えっ!?」」」」」


 「それを知らないのはしょうがないと思うけど、ここに居るメンバーの中で、そこのティアとイリュ以外はランク11以上よ。そのうちティアは最近登録したばかりだし、イリュは暇潰しで最近登録し直したからだしね」


 「私はランクなんてどうでもいいしね。興味も無いから騒がれない程度でいいのよ。そもそも高ランクになるか、それとも低ランクで目立たなくするか。どっちでもいいけど、中途半端が一番面倒臭いの。あんた達みたいにね」


 「中途半端なランクの連中って、やたらに絡んできたりするから鬱陶しいの。貴方達もその辺りだから、おそらく結構な揉め事に巻き込まれるわよ。もしかしたら、それを知っていてゴールダームに行かせたのかもね」


 「「「「「………」」」」」


 「まあ、人の悪意なんて幾らでもあるわ。それに気付かなかった貴方達が悪いで終わる話だから、ゴールダームでは慎重に立ち回る事ね。でないと、気付いたら数人仲間が居なくなってるかもしれないわよ?」


 「第3エリアとかは、今でも迷賊が罠を張って潜んでるしね。あいつら何故か居なくならないのよ。犯罪を確認したら即始末してるんだけど、私が近付くと逃げ出すのも居るから、なかなか……」


 「まあ、そういう事だから。ここは腐った夢の国だ、気をつけないと簡単に死ぬか奴隷行きになる。まずは五体満足で生き残る事を優先するんだね」



 ミクが最後にそう締めて、6人は食堂を出る。他国からゴールダームに来るのはいいが、大半はああいう者達らしい。


 地元でそれなりの実力だったから、一旗あげてやろうと来るのだろうが……ゴールダームにとってはいい迷惑でしかない。力はあるが粗暴な連中が集まりやすいのか、そういう意味でも腐った夢の国である。



 「ああいう連中だけの所為じゃないんだけど、どうしても連中のようなのが治安を悪化させるのよ。地元で有名な実力者だっただけにね、ゴールダームで上手くいかず暴れる、もしくは犯罪に手を染めるの」


 「何度も何度も繰り返してきた事だけど、そういう奴等を狙う連中も集まる訳でねー。いつまで経っても終わらない追いかけっこをする羽目になるの。それでもミクの御蔭で、圧倒的に楽になったけど」


 「食い荒らしてくれるんだから、そりゃ楽になっただろうさ。今までなら牽制とかしか無理だったんだろう? それを大元から叩き潰してくれるんだから、当然だろうけどね」


 「本当にね。第3エリアの連中も、かなり大人しくなったわ。今までなら暗躍したりするのも大量に居たのに、今は奴隷売買すら盛んに行われなくなったくらいよ。それでも合法的な奴隷は無くならないけどね」


 「それは当然だろ。何処かで売られた者がゴールダームまで流れてくるし、ゴールダームで売られた者が何処かへと流れる。良い悪いは別にして、合法的な奴隷である以上はどうにもならないさ」


 「実際に売られる理由の殆どは、経済的なものか飢饉だものね。流石に売られないと飢え死にしかねないし、売られても食べられて生きられるだけマシなのよ。稀に犯罪奴隷が居るけど」



 ダンジョン前まで来たので、第6エリアへのショートカット魔法陣に乗り移動する。今度は真っ直ぐに下の階へと下って行き、4階へと辿り着いた面々は階段を探して歩く。


 適当ではなく常に東の為、今度も東を最初に探していると、あっさりと階段を発見した。5階までは本当に東に行くだけで進めるようだ。簡単ではあるものの、第5エリアと同じなので想像はしやすい。


 着いた5階では、早速北へと行き階層の中心に進もうとするも、すぐに海に出てしまった。仕方なく【身体強化】を使って走り回り、ぐるりと一周するも階段は見つからず。



 「何で外側を回ったの? そこまで面倒でもないし疲れてもないけど、何か意味があった?」


 「外周を回っているのは楽なのと、万が一階段があったら、森の中を探すのは徒労に終わるから。だから見通しがいい外周を先に調べてるんだよ」


 「成る程ね。確かに散々森の中を探し回った後に、海の近くに階段があったら……あたしはキレる自信があるよ」


 「そこまで? 気持ちは分かるけど、流石に……って、よく考えたら森の中って上下から攻められるのよね。あれの中を散々探し回った後に海で見つけたら……。キレるのも分からなくはないか」


 「だろう? 唯でさえ鬱陶しくて面倒な森の中を探し回った後だ。嘲笑あざわらわれているように感じるだろうし、絶対にキレるよ。これに関しては絶対だね!」


 「まあ、それはともかくとして、外周に階段は無さそうだったわ。今度は階層の中央?」


 「そうだね。また赤いゴブリンの集落なのか、それとも別の魔物の集落なのか。その辺りは分からないけど、とりあえず行ってみよう」



 そう言ってミク達は進んで行く。近場から森の中に進入し、上から降ってくる蛇や、地面の下から襲ってくるモグラを捌きつつ進む。そこまで苦労しないのは、ミクが注意を促してくれるからだろう。


 地面の下の生命反応を感知しており、分からないティアなどに的確に指示を出している。元々ワイバーン皮のブーツなので安全なのだが、それでも事前に注意が受けられるのは、安心という面では大きかった。


 5階になったからか、それなりに魔物が多い中をダラダラといった感じで進んで行くと、ようやく階層の中心部分が見える所までやって来た。


 予想通りに中央は開けた場所になっており、そこに多くの魔物が居るのだが……?。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ