0223・ティアの第3と第4エリア攻略・終了とランク3
夕食の時も少し思い出したのか顔色が悪かったが、それでも耐えた3人はさっさと部屋に戻る。その後はすぐにベッドに寝転がり、寝てしまうのだった。
流石にいつもと違うっぽいのでミクは【浄滅】だけに止め、2人が寝た後は本体空間に転送して睡眠学習をさせる。ついでに今日の嫌な記憶を薄れさせておく。
ミク的に問題は無いのだが、2人はダメージを受けているので、それを解消しておいた方が良いという判断からだ。ベルには出来ないが、そこは諦めてほしいところである。
本日も瞑想の練習はせず、寝ている間の睡眠学習に取り組むのであった。
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翌朝。朝日が昇ったタイミングで2人をベッドの上に転送し、起きるまで放っておく。今日はティアの方が早かった為、ティアが起きた段階で挨拶。その後は起き上がって支度をしていると、アレッサも起きたようだ。
朝の挨拶を終わらせた3人は、準備を整えて食堂へ。大銅貨9枚を支払って朝食を頼むと、ベルが起きてきたので大銅貨を3枚追加する。
「すみませんが、今日はテイメリアとだけダンジョンに行って下さい。昨日は眠れなくて……何度も起きては寝てを繰り返したせいか、眠たくて仕方ないんです」
「大丈夫ですか、姉上? 先ほどから体に力が入っていないのか、頭がフラフラ揺れていますよ。眠たいのは分かりますが、危険ですから今だけは起きていて下さい」
「昨日の事があるから気持ちはよく分かるけど、それでも危険だから見ててあげないと駄目ね。朝食が終わったら部屋に運んであげましょうか」
頭がフラフラしているベルに何とか朝食を食べさせ、そのままお姫様抱っこでミクが運ぶ。ベッドに寝かせたらイリュに頼み、そのままダンジョンへと出発。第3エリアへと突入する。
睡眠学習で教えた【身体強化】と早歩きで進んで行き、魔物を蹴散らしながら次の階への階段へ。ひたすらに速度を優先して突き進み10階。多少の時間を休んだら、トレントの居るボス部屋へ。
ミクとアレッサが最小の【火弾】を撃って気を引きつつ、ティアが【陽炎の身体強化】を使いながら薙刀で切りつける。斧でもないというのに刃が入り、何度も攻撃する事でトレントを切り倒す事に成功。ミクが回収した。
少し早いものの近くの店に入って料理を注文し、大銅貨9枚を支払って待つ。
「随分と急いで第3エリアを攻略されましたが……姉上が遅いからですか?」
「そうだね。それが一番ってところかな? 二番はベルとティアの攻略状況を合わせる丁度いいチャンスだからだね。ベルは第4エリアを終えて、次は第5エリアだからさ。今日中にティアも第4エリアを終わらせておきたい」
「まあ、ベルが居ると遅いからね。ボス戦終了で昼を回るし……。正直に言って遅い人に合わせるのも疲れるのよ。それにティアも正直に言って経験だけでしょ? 魔物は弱いって感じてる筈」
「まあ、正直に申し上げるとそうですわね。だからこそ慢心しないようにと思っていますが……」
「それが駄目なのよ。慢心しないように思うのは良いんだけど、そう思うって事は既に敵が弱いって訳でね。弱い相手に幾ら経験を重ねても強くはなれないし、それが良い経験かと言えば難しいところよ」
「経験はするだろうけど、ザコを圧倒的な力で捻じ伏せるのが経験かと言われたらねぇ……。自分が強いと勘違いする経験になりかねない、とは思う」
「そうそう。だからこそ早めに先へと進みたいわけ。そこである程度の強さの魔物と戦う事で危機感も生まれるだろうし、強い魔物の対処法も学べるでしょ」
「成る程。確かに弱い魔物と幾ら戦っても、良い経験にはならなさそうです。早めに先へと進んだ方が、色々な意味で良いみたいですね。今日は急ぎましょう」
「そうと決まれば、さっさと食べてダンジョンへ行こうか」
ミクの言葉に頷いた2人は早めに食事を終え、さっさと第4エリアへのショートカット魔法陣に乗る。平原ダンジョンに出た3人はすぐに歩き始め、真っ直ぐに階段方向へと歩いていく。
途中で出てくる魔物はティアに任せ、ランサーブルやロックリザード、グリーントータスとの経験を積ませる。
やはり首を引っ込めるグリーントータスには苦戦したが、【火弾】を使う事で強制的に首を外へと出す事に成功。そのまま首を切り落として勝利していた。2人とも昨夜の睡眠学習で魔法を覚えさせてある。
最初は知らないので使おうともしなかったが、睡眠学習で覚えている事を理解したのか、その後からは普通に魔法を使用していた。2人とも普通の人間種よりも魔力は多いので、無駄使いしても問題は無い。
「それはともかく、わたしまで多くの【浄化魔法】を覚えてるんだけど? これ絶対にわたしまで睡眠学習してるじゃん。別に必要なかったよね、わたしにはさー」
「いやいや、使えた方が良いに決まってるでしょ。あと、そろそろ寝る前に自分で綺麗にしなよ。それにいつ必要になるか分からないし、その時に知らなかったらどうする気? それなら教えられるうちに教えておくでしょ」
「まあ、それが正論ではあるんだけど……。本音は?」
「サンプルが増やしたかった。何と言っても睡眠学習モドキをさせられるのは、私の細胞を与えた相手しか無理だからさ。そのうちシャルにもするよ。いきなりやるからビックリするだろうけど」
「そりゃそうでしょ。朝起きたら訳の分からない知識があるのよ? 意味不明すぎだし、そういう時は間違いなくミクを疑うし」
「別に疑われようが、っと上手くいったみたいだね」
「ちょっと危なかったけど、ギリギリでランサーブルの突進を回避できたみたい。さっき上手くいったからって調子に乗るからああなるのよ。ギリギリだと危ないし、でも余裕すぎると進路変更されるからねー」
「はい、危なかったです。さっきよりも避けるのが早かったのは確かですが、まさかこっちに曲がって突っ込んでくるとは思いませんでした。今考えると当たり前なのですが、何故かその時にはビックリしてしまい……」
「あわや衝突って感じだったね。ま、あれが慢心ってヤツだよ。何故か回避できて当たり前だと思い込む、実際はそんな事ないのにさ。自分の行動の結果を疑わなくなったら慢心、そう覚えておくといよ」
「はい」
その後は順調に戦い続けてボス戦。毎度お馴染みのツインヘッドフレイムであるが、ここはミクとアレッサも戦う。もはやザコと化しているものの、ブレスは厄介であり危険なのだ。
ザコ扱いしていても、決して舐めたりはしない2人。素早く近付いてはウォーハンマーで潰し、ウォーアックスで叩き殺す。2人が2頭ずつ倒し、残る1頭はティアに戦わせる。
ブレスを吐いてくるも素早く回避し、隙を探すティア。そのティアに対し、隙を見せないように慎重に立ち回るツインヘッドフレイム。
それなりに膠着したものの、不用意に噛みついた事が勝敗を分けた。
噛みつきをかわしたティアは、【陽炎の身体強化】で接近し足を薙ぐ。当然武器も強化されている為、素振りのように抵抗無く切断。後ろ足が2本無くなる。
これで動けなくなったツインヘッドフレイムは、後ろを振り返る事も碌に出来ず、側面から胴体を薙がれた。これが決め手となりツインヘッドフレイムは死亡。ティアの勝利で幕を閉じる。
適当に牙と爪を回収し、全て丸ごとティアの取り分としておく。ミクとアレッサには必要なく、ランクも11で十分すぎるのだ。
脱出の魔法陣に乗る前に綺麗にし、お互いに確認してから脱出。
その後は探索者ギルドヘと行って素材を解体所に売り、ギルドの建物で木札を受付に渡す。今回の売却でティアのランクは3になったようだ。
ランクが上がって機嫌が良いティアと共に、<妖精の洞>へと戻る2人。そろそろベルは回復しただろうか?。




