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0220・第2エリア攻略完了と昼食




 武器が決まってからは早めに進んで行き、10階のボス部屋前で休憩。前に並んでいる者も居るので、4人は適当な雑談をしていた。順番が回ってきたら中へと入り、オーク10体との戦闘を開始。


 とはいえ全てを倒すのはティアであり、ミク達は適当に相手をしながら捌いている。まだベルにも余裕があり、オークは必死に喰おうとしてくるものの綺麗にかわしていた。


 まあ、半分ほどがミクに群がっているので、問題ないだけではあるのだが。



 (あれだけオークに集られていても、全く危な気がない。もちろん怪物だというのは知っているけれど、それを横に置いても尋常ではない技術。怪物的なパワーも然る事ながら、それを完璧に制御できている事実が一番怖ろしい)



 ベルにとって怪物といえば人外のパワーを想像する。当然ミクもそれを持っているが、普通に想像する怪物はパワーを振り回すだけである。だからこそ人間種にもつけ入る隙があると、そう考えられるのだ。


 しかしミクはその人外パワーを完全に制御している。いや、出来ているのは当然で、そこに高い技術も持ち合わせているのだ。


 人外のパワーとそれを正しく扱う理性の両方を持っているという事であり、それは人間種のつけ入る隙が少ない事を意味する。


 神に創られた以上、唯のバカはあり得ないのだが、そんな事は知らないベルは他の魔物と同じに考えてしまっていた。その認識は当然ように脆く、簡単に崩れ去るし、去らざるを得ない。


 適当に相手をしている間にオークは数を減らしており、気付けばミクの前の1体だけであった。そしてミクの盾で流されて体のバランスが崩れた瞬間、上から降って来た薙刀の刃に切り裂かれるオーク。


 頭どころか股間までをも通過しており、真っ二つにされて死亡。それを見ながらそっと溜息を吐くベル。「我が妹ながら強すぎないか?」と思っているが、表情にも態度にも出さない。



 「おつかれさま、ティア。最後の一撃は上手くいったみたいだけど、なかなか上手く刃が真っ直ぐ入っていないようだね」


 「姉上もお疲れ様でした。確かに刃は真っ直ぐ入っておりませんが、色々と試しながらというところでしょうか? これはこれで面白いと言いますか、練習のし甲斐がありますので、私としてはこれからと思っておりますよ?」


 「そうか。次は第3エリアだから簡単じゃないんだけど、ティアはどうなるかな? あの森は大変だし、第3エリアには迷賊も多いからね」


 「人が殺せるかという事ですね? 私としては黙って殺されてやる気も無ければ、犯罪者を殺す事に躊躇ためらいなどありません。ただ、自分の手で殺した後にどうなるかは分かりませんが……」


 「そこまで考えが及んでいるなら大丈夫だと思う。私も始めての時は少々悩んだし、数日遅れて実感したよ。自分の手で人を殺したのだとね。後は実際に手を汚してみないと分からないかな? こればっかりは避けて通れない」


 「そうそう。とはいえ慣れるし、多分なんとも思わないんじゃないかと思うよ。だってそんな殊勝しゅしょうな性格してないでしょ? 王族がそんな甘い筈は無いんだしさ」


 「最悪は私がちょいちょいっていじってあげるから、気楽に殺すといいよ。所詮は迷宮だろうが何だろうが賊は賊だしね。生きる価値の無い奴は殺せばいい」



 あっさりと言い放つミクの言葉は適当に聞き、しかしそれでも何も感じないんだろうなと思うティア。自分はそれほどの感情を人間種に対して持っていない。そういう認識が彼女にはあった。


 ゴミとまでは思っていないし、何も感じない訳ではない。しかし、なぜ犯罪者にわずらわされねばならないのか? そういう感情が彼女の中には確かに存在するのだ。


 そんな事を再確認しつつ<妖精の洞>へと戻っていくティア。その様子を後ろからジッと見ていたミク。何か感じるものでもあったのだろうか?。


 <妖精の洞>へと戻ってきた一行は、遅い昼食を食べる為に注文する。大銅貨12枚を支払ったミクは、椅子へと座って雑談に参加。適当な話をしつつ食事を待っているとイリュが来た。



 「今日は遅かったけど、戻ってきたのね? 昨日は何処かで食事をとってたんでしょうけど。それはともかくとして、いつもならお昼ぐらいに戻ってくる筈だけど何かあった?」


 「いや、何も無いよ。ベルとティアが居るから、いつもより遅いだけ。それ以外は何もないね。それでも早い方なのかもしれないけど、私達にとっては遅いかな。ただし、私達は【身体強化】したうえで早歩きだから……」


 「それは仕方ないわね。普通の人間種が歩く速度と、貴女達が【身体強化】で早歩きするんじゃ、まったくと言っていい程に速度が違うでしょ。それでも遅い昼食なだけ早い方ね」


 「代わりに私は連日大変だけどね」


 「まあ、それは仕方ないわよ。それより第2エリアは終わったから、昼食を終えた後は第3エリアね。森の歩き方も含めて教えておかなきゃいけないのよ、あそこは不意打ちが多いから」


 「【気配察知】があると楽だけど、ティアは持ってないの?」


 「そもそも私は、自分がスキル持ちなのかも知りません。王族は成人した後でスキルを調べるのですが、私はそのタイミングが来る前に出る事になりましたので……」


 「あらら。でも【気配察知】や【魔力感知】とかだと調べる前から分かるものね。それらが無いという事は、スキル持ちの可能性は低いか……。ミクの血肉持ちという時点で、スキル以上の恩恵を受けているけれど」


 「それは……確かにそうです、ね?」


 「そうだろう。スキル持ち以上の能力というか、パワーな訳でな。そのパワーとスタミナがあれば、スキルなんて要らない気がしてくる」


 「イリュは何をしてたの? 今日は店に居るみたいだけど」


 「まだ仕事を覚えられていない子供達に、1つ1つ仕事を教えているのよ。ここはスラムに近いし、注意点とか含めて色々あるの。ウチの従業員達でも教えられるでしょうけど、私が教えておいた方が細かい所も教えられるからね」


 「細かい所ねえ……ここに手を出してくるバカが居るの?」


 「そんなバカが居なくならないと思う? 世の中っていうのはね、バカばっかりなのよ。そう思えるぐらいにバカが多いの。とりあえずやって、失敗してから考えるってバカが」


 「「「うわぁ……」」」



 <鮮血の女王>を相手に失敗してから考えるとは、随分と豪気な連中である。頭の中身が豪快なレベルでスッカスカなのだろう。ある意味で凄いが、誰も真似しない凄さでしかない。唯のアホである。


 そんな話を聞きつつの食事も終わり、ミク達はダンジョンの第3エリアへと行く。流石に攻略するには時間が無いが、森の練習と考えれば十分時間はある。ついでにそろそろティアは獲物を持って帰るべきだ。


 なのでミクはレッドアイスネークを狩らせようと思い、ティアに説明をしておく。精力の付く肉という部分で若干反応したが、すぐに何事も無かったかのように落ち着く。


 ちなみにレッドアイスネークの肉は需要の割に高く売れない。理由は毒抜きにコストが掛かる為、原材料の値段が上がらないのだ。精力の付く肉ではあるものの、高い値段では買われないので、結果として安値になってしまう。


 だからこそ積極的に狩る者も多くなく、ましてや毒持ちなのでそれなりにリスクがある相手でもある。ミクのようにポンポンと【浄化魔法】が使えるなら別だが、普通は【聖潔】の魔法陣など知らない者の方が多いのだ。


 毒消しポーションの金額もバカにならないので、第3エリアでは金儲けの狩りは基本的にゴブリンとなる。理由は魔石だ。そして狩りの方法は誘き出す方法となる。



 「第3エリアには、所々開けた場所があると姉上に聞いた事があります。階層全部が森に覆われている訳では無いようですし、石でもぶつければ怒って近付いてくるのでしょう」


 「そういう事。そこを囲んで倒せばいいだけだから、ゴブリンもそこまで怖い訳じゃない。進む場合は奇襲に警戒しなきゃいけないけどね」



 ミク達はティアに森ダンジョンの知識を教えていく。戦闘は実地で経験してみなければ分からないので、それはこれからだ。


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