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0151・昨夜の説明と2人を連れて第6エリアへ




 久々に第3エリアへとやって来たミクは、森の中に入りピーバードの姿へと変化。その後、一気に飛んで進んで行く。7階の階段で休んでいる探索者チームが居たが、無視して進み10階へ。


 ボス前で休んでいる探索者チームなどは無かったので、オークの姿に変わってボス部屋に入り、触手を伸ばして鋭利な刃とし一撃で幹を両断。伐り倒した後は回収して脱出。2週目を始める。


 その後はピーバードに姿を変えて飛んでいくのを繰り返し、トレントの木材が20本を超えた辺りで夜が明け出した為、ピーバードの姿のまま<妖精の洞>へと戻った。


 本体はとっくにカルティクの装備は終わらせており、今は大きな樽とハチミツを詰める作業を行っている。


 なお、トレント材の乾燥は水分を吸いだす事で強引に行っており、元々目が詰まっているトレント材は割れる事は無かった。自然界に生えている木とトレントは根本的に違うので、その辺りに理由があると思われる。


 もしくは魔力を流しながら行っているので、強化されている中で作業をしている結果だろう。そう本体は考えたが、使えるなら何でもいいと途中で思考を放り投げている。それよりもハチミツの詰め替えの方が先なのだ。


 巨大な木と見紛う程の蜂の巣であった為、莫大な量のハチミツを溜めこんでいた。トン単位でハチミツがある以上、簡単には詰め替え作業も終わらない。永劫に起きて動けるミクでなければ、普通は諦める量である。


 重機も真っ青のパワーとスタミナと器用さ、これこそが肉塊の究極の力だと言わんばかりである。とある青い星に派遣されれば拍手喝采であろう。代わりに腐った者どもは喰い荒らされるが……。


 ベッドの上に寝転ぶ事15分ほど、アレッサが起き上がったのでミクも起きる。



 「おはよ……ちょっと眠いけど、まあ起きられない事もないね。それよりミクは昨日言ってた通り、トレントを倒してたの?」


 「おはよう。言ってた通り行ってきたよ、20本ほどは伐り倒したけど、それで終わりだね。一晩ではそれぐらいが限界だし、昨夜は商人の夫婦も喰ってきてるから無駄な時間も掛かってるしね」


 「ああ、そんな事言ってたね。それで、商人はどうだったの?」


 「商人単独だったよ。裏に貴族の影は無いし、息子は真っ当だった。流石に真っ当なヤツを喰うと神どもに何をされるか分からないからね、喰わずにさっさとダンジョンに移動したよ」


 「へー……珍しいわね、息子が真っ当って。普通は親の悪行も継ぐもんだけど、随分と変わった息子だこと。血が繋がってるのかしら?」


 「たまには珍しい事もあるものだよ。レティーが言うには、商人の記憶には息子との喧嘩も多かったってさ」


 『そうですね。特に商売のやり方で酷く言い争っています。儲かる事が先だというのと、舐められたら負けと思っていたのが商人で、信用第一なのが息子です。どうも息子の妻の影響のようですね』


 「成る程。元々は父親と似たような部分はあったんだろうけど、流石にやり過ぎだと妻から言われて疑問を持ったのかしらね? もしくはあくどい部分を見てなかったか。妻から指摘されて確認したら酷かったとか」


 『それと似た言い争いは記憶にありました。父親に対して息子はやり過ぎだと言っています、このままでは怨みと憎しみでウチは潰れると』


 「極めて真っ当な息子ね。普通は潰れてから理解するもんだけど、潰れる前に理解してるって事は優秀と言って良いんじゃない? それすら気付かないバカが大半だもの」


 『商人は1代で店を持ち大きくしたようですので、余計に自分が正しいという自負があったのでしょう。ところが継ぐ側の息子からすれば、こんなものを渡されても困るという感じです』


 「あーあー……成る程ね。これが長く続く店だと違うんだけど、初代と2代目の違いかー。それは永遠に埋まらない溝よ。行け行けどんどんの初代と、安定させなきゃいけない2代目。絶対に合わない間柄じゃない」


 「そんなものなんだね。それよりそろそろ食堂に行こうか。このままダラダラ話してても仕方ないし」


 「そうだね。食堂って聞くと、お腹空いてたのを思い出したよ」



 ミクとアレッサは部屋を出て食堂に移動。大銅貨6枚を出して注文すると、イリュとカルティクがやって来た。カルティクのジャケット、ズボン、ブーツを渡すと、すぐにカルティクは部屋へと戻る。


 更に大銅貨を3枚出してイリュの分を注文すると、シャルも起きてきて注文を始めた。



 「今日はダンジョンのどのエリアに行こうかねえ。第4エリアか、第5エリアか……。どっちにしてもお金は稼げるんだけど、あんまり獲りすぎると値段が下がるのが困りもんさ」


 『第6エリアに行って魚を食べるの!! だから第6エリア!!!』


 「五月蝿いねえ、そこまで大きく主張しなくても分かるよ。それはともかく、第6エリアならミクについていくかい。それが一番安全だし、今日は朝に会えたからね。いつもなら出発してるのに」


 「今日は朝から少しアレッサと話してたの。昨夜の商人とダンジョンの話ね。商人は単独で背後には誰も居なかった。ダンジョンはトレント材を20本で終了」


 「いや、20本って……十分過ぎるだろう。そんなに必要とは思えないけどね?」


 「「………」」



 ミクとアレッサはお互いに顔を見合わせると、「ヤレヤレ」というポーズをとる。これは昨日の巨大な蜂の巣を見た事があるかどうか、その1点に尽きるだろう。あれを見た事があれば、20本には驚かない。



 「何かバカにされたような気がするのは気のせいかい? 今どう考えてもバカにしたよねえ?」


 「バカにはしてないよ。ただ、アレを見た事がなければそういう反応なのも仕方ないって思っただけ」


 「本当にね。巨大な木と見紛うくらい大きな蜂の巣だよ? 昨日も言った通り、1万匹もの蜂が出てきて襲ってくるの。その意味、本当に分かってる?」


 「………いや、まあ、想像はつくけどね。しかし「それが、分かってない」さ……」


 「しかしって言い出す時点で分かってない。しかも1階だけじゃなく2階にも同じ蜂の巣があるんだよ? 1階だけでも莫大な量だったのに、2階にもあって、3階以降もあるかもしれない。なら20本じゃ足りないね」


 「「「1個じゃない?」」」


 「誰も1個だけなんて言ってないよ? 1階層につき1個、ただし今のところはって感じ。もしかしたら3階以降には無いかもしれないけど、そこはまだ分かってないしね」


 「今日これから確認しに行くんだから、分かってなくて当然。食事も終わったし、そろそろ出発しよう」


 「私も行ってみたいから、ついていくわ。やっぱり新エリアって気になるし、イリュディナは1人で大丈夫でしょ?」


 「流石に子供扱いされても困るんだけど? 元の姿に戻るから問題なんてあっても捻じ伏せるわよ。………変な魔道具を使われない限り、大丈夫だって」


 「ま、私もイリュディナの事は言えないんだけど。それでも妙な弱点が見つかったから、ちょっと心配よ」


 「あんたも同じ弱点持ってるんだから、本当に他人事じゃないんだし、気を付けなよ? 今日は大丈夫だけどさ」


 「気を付けるけど、いきなりやられると対処する事は不可能なのよねえ。即座に気を失ってしまう以上、抵抗が出来ないのよ」


 「私が肉体を作って移したら大丈夫だけど?」


 「謹んで、ご遠慮させてもらうわ。そもそも今の肉体で困ってないし、神様に何を言われるか分からないから怖いのよ。このままでいいわ。それより、そろそろ出発しましょう。私も食べ終わったわ」



 見れば全員が食べ終わっており、後は出発するだけとなっていた。


 宿を出たミク達は真っ直ぐダンジョンへと行くが、魔法陣の手前で知り合いにばったりと出くわす。


 が、向こうはミク達を待っていたようである。


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