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0150・第6エリアに関する雑談




 ミクは厨房から外に出て水を貰い、それを半分ハチミツが入った骨製の甕に入れていく。混ぜ合わせたら蓋をし、肉を通して本体空間へ。あの空間なら悪い物などは特にないうえに、あっても本体に喰われて無くなるので問題なし。


 無菌室とまではいかないが、それに近いような環境は保たれている。ある意味で味噌や醤油なども作りやすい環境ではあるのだが、醸造の為の菌を持っていないので作る事は出来ない。


 おそらくではあるものの、ミクはハチミツ内に酵母のような物を見つけており、これが活性化すれば自動的にミードになるだろうと思っている。ハチミツ自体は大量にあるうえに、そもそも本体空間には大量の蜂の巣が残ったままである。


 何故ならハチミツを置いておく為の容器が足りないからであり、骨製の甕も苦肉の策で作り出しただけだ。巨大な蜂の巣であっただけに、中のハチミツも驚くほどの量であり、簡単には移し替える事など出来ない。


 とにかく一樽だけ作ったミクは皆の下へと戻り、本体空間に置いてある事を伝えた。本体空間の温度なら2~3日で出来るだろうと伝えたからか、4人は凄く喜んだ。……どうやらアレッサも飲む気らしい。



 「私は500歳を超えてるし、別に飲んでも問題なくない? ミクのようにお酒が効かないって事も無いだろうし、おそらく酔えると思うのよねー。今から楽しみ!」


 「あたしもさ。アレだけの甘味のハチミツだから、きっと凄い事になるよ。普通に売ってるミードと違って、もっと美味しい筈だし、今から待ち遠しいねえ」


 「そもそもミクが言っている蜂を見た事が無いんだけど、いったい何処に居るのかしら? もしかしたら全く別の大陸とかに居る蜂か、もしくは既に滅んだ蜂かも……」


 「魔物かどうかもにもよるんじゃない? 小さかったけど、虫って大きさと強さが合わないのが多いし、場合によっては強力な魔物だったかも……。その辺りはどうなの?」


 「虫だからね。大して強くもないし、突っ込んできて針を刺してくるだけ。毒を注入しようとしてきたけど効かない物を注入されても、ってところ。肉で覆って喰って転送して終わり。ただし毒は蛇より強かった」


 「「「「えっ!?」」」」



 驚いたタイミングで料理が運ばれてきたので食べるも、魚の焼き物とその身が入った大麦粥は美味しかった。ミクもこの魚は気に入ったようであり、他の者達も舌鼓を打っている。


 今日は踊り食いが出来たので気分が良いだけかもしれないが、それでも機嫌が良いので、同じように気分の良いレティーであった。



 「話を戻すんだけど、あの大きな蛇より蜂の毒の方が強かったの? それってかなりヤバイでしょ。だって1万匹以上の群れが一斉に突撃してくるのよ? 普通の探索者だったら、あっと言う間に殺されるわね」


 「一万匹………うぇ、想像したら嫌すぎる光景ね。そんな大量の蜂が押し寄せてきて針を刺してくるんでしょ? その時点で死ぬと思うのは気のせいかしら?」


 「ミクが着ているのはワイバーン服だから、流石に貫かれないとは思うけどね。ただし隙間を攻撃されたら駄目だ、あたし達じゃ耐えられない。虫って小さいから入り込んでくるし、それを考えるとミクしか勝てないんじゃないかい?」


 「その事で思い出したんだけど、何でイリュディナにはワイバーン服を渡して、私には無いの?」


 「欲しかったのなら、欲しいって良いなよ。前に話した時には有耶無耶になって終わったし、その後は欲しいなんて言わなかったじゃない。聞いてないから作ってないよ。今から作るなら朝まで掛かるけど?」


 「十分早いから。それはともかくとして、私はジャケットとズボンとブーツかな? 第6エリアの事を聞いた時に、ブーツは良い物じゃないとマズいって思ったのよ。まさか地中から奇襲してくるなんて、考えもしなかった」


 「普通は地中からなんて思わないさ。でも、ナイフみたいな爪で貫かれたら致命的だよ。碌に走れなくなるし、そうなったら逃げられない。足を潰しにくるっていうのは、厄介極まりないね」


 「他の探索者は、底に鉄板を入れたブーツを履くしかないんじゃない? そんなブーツで普段から歩くのは大変でしょうけど、第6エリアだけの装備としてなら使えると思う。あくまでも専用」


 「ブーツが重くて大変だろうけど、階段までの移動なら問題ないかな。1階と2階の階段は近かったから、進んで行くだけなら遠くなかったし。とはいえ、後半からは第5エリアと同じで大変だろうね」


 「砂浜はマーマンやビッグクラブにブルータートル。森は大きな蛇に爪が鋭いモグラ。そして階層の中心には巨大の蜂の巣。第6エリアってとんでもないわよねー」


 「中央はミク以外が近付いては駄目ね。そうなると迂回が続いていく事になるのかしら? それも大変よ。特に砂浜から森に入った後が問題」


 「森って言うほど密集はしてないけど、それでも急に視界が悪くなるし、それに対応するまでに襲われると……」


 「不意打ちを無防備に受ける可能性は高いね。その結果、首の骨を圧し折られる……と」


 「うん、本当にシャレになってないエリアよ。それでも越えなきゃ先に進めない以上は、どうにかして進むしかないわ。起伏が激しくないだけ体力の消費はマシね」


 「体力はね。今のところはミクも地図を完成させてないし、無理して行くような所じゃないよ。あたし達は情報がちゃんと出てから進めばいいのさ。今のところは、お金稼ぎが先だね」


 「情報収集はしてるの? 一応ミクの為の情報収集役として生かされてるんでしょ? その本人は気にしてないみたいだけど」


 「情報収集はしてるんだけどねー……。あたしが色々な話を聞きに行くと、急に態度を変えるヤツが多いんだよ。ミクやあんた達と居るのがバレてるから、身構えられちまうんだ」


 「あー……それは無理だねぇ。<鮮血の女王>の近くに居るヤベー奴とか思われてる可能性が高いよ。これは諦めるしかないかな?」


 「シャルを起点にバカが炙りだされる可能性はあるから、それで十分とは言えるんだけどね。これから先も長いし、まだ復活してそこまで時間も経ってないから、急いでないよ」


 「なら良いのかな? 美味しい食事も終わったし、そろそろ部屋に行こうっと。夕方だし、今日はもうする事も無いしね」


 「私はトレントの周回とかワイバーン服の作製とか色々あるけど、とりあえず部屋に行って一旦休むよ」


 「「「おやすみー」」」



 どうも3人はミードが待ち切れないらしく、料理をツマミに酒を飲むらしい。ミクとアレッサはさっさと部屋に戻り、部屋に入るとアレッサはベッドにダイブした。


 いつも通り持ち上げて綺麗にし、終わったらベッドに寝かせるミク。そして10分もしない内に寝息を立てるアレッサ。本当に子供のような寝つきの良さである。


 ミクは少しだけ待って夜になると、アイテムバッグとレティーを転送して蜘蛛に変化。窓から外に出て、商人の店へと移動していく。


 店舗や商人の名前は分かっているので、さっさと喰らってダンジョンに行かなければいけない。トレント材で樽を大量に作る予定なので、ボス戦を周回する必要がある。


 その為には商人如きにいちいち構っていられないのだ。だからこそ最速で移動し、家の窓から侵入する。店舗内には生命反応が無かったので、最初から店舗内は覘いていない。


 普通の家なので家族程度しかいないのだろう、寝室で寝ている夫婦に麻痺毒を注入して転送。レティーに脳を食わせると、ゴロツキを嗾けた本人で間違いなかった。


 そもそもゴロツキどもは顔を知っていたし、その顔をレティーに確かめてもらっている。だから間違う事はあり得ないのだが、知識からもそうだとわかったので確定だ。


 他に関わった者は居ないようなので、息子夫婦は喰わないでおく。どうもここの息子は真っ当な者らしく、喰うと神を怒らせる可能性があったのだ。


 流石に神々を敵に回す気はなく、ミクはさっさと商人の家を出てダンジョンへと向かうのであった。


143話の誤字報告、ありがとうございました

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