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0143・第6エリア




 次の日。朝日が昇ると同時に起きたミクとアレッサは、食堂に移動して大銅貨5枚を支払う。朝食を食べたらダンジョンへと移動し、第6エリアへのショートカット魔法陣へ進む。


 朝早くからダンジョンに潜る者達が「おおーっ!」と騒ぐ中、ミクとアレッサは魔法陣に乗って前人未到の第6エリアへ。


 転移してすぐに違和感に気付いたミクとアレッサ。なぜなら明らかに妙な臭いが風に含まれているからだ。別に毒でも無いので対処したりはしないが、嗅いだ事の無い臭いなので判断がつかないミク。



 「これって潮の香りじゃない! って事は第6エリアって海なの!? ………どんな魔物が出るか想像もつかないんだけど、ミクは分かる?」


 「海………そもそも海を見た事が無い私に分かる訳ないでしょ。私はゴールダームの近くの森に下ろされてから、フィグレイオとエルフィンにしか行った事ないよ」


 「ああ、なら分からないわね。そもそもゴールダーム近辺って内陸の国だし。私は昔、海の近くの町とかに行った事があるから知ってるんだけど、これは間違いなく海のにおいよ。慣れないと臭く感じるのよね」


 「ふーん……特に臭いと思ったりはしないけど、妙なにおいだとは思うね。まずは地図を描きつつウロウロしてみようか。ここは誰も入った事が無いんだしさ」


 「了解、了解」



 そう言ってミクとアレッサは移動を開始するが、既に魔法陣の近くは絵に描かれているので問題無い。適当に決めた方向にウロウロと移動しながら進んでいると、林が切れて砂浜が見えた。


 最初に降り立った場所は木々が生い茂る中にあったのだが、そこから少し離れると木々が途切れて砂浜が見えたのだ。そして大量に見える魔物らしき者達。



 「青っていうか水色の鱗? を持ってる変な奴が居るわね? 2本足で腕も2本だけど、鱗が生えていて顔が魚……あんな魔物見た事ない。更に亀とか蟹とかの魔物も居るみたいだけど、知らないヤツね」


 「あれが亀なのは分かるけど、あれ蟹っていうのね……。殻が硬いのか柔らかいのかによって変わってくるけど、第6エリアだしそれなりに強い魔物の筈。とりあえずはウォーハンマーでいくかな」



 ミクはウォーハンマーとカイトシールドを取り出し、砂浜へと突撃していく。アレッサもウォーアックスを取り出してミクの後を走る。二足歩行の魚がこちらを向いて騒ぎ、それを聞いた他の魔物も戦闘態勢をとった。


 それでも気にせずミクは二足歩行の魚に近付き、ウォーハンマーを叩きつける。骨で出来た三叉の槍を持っていた二足歩行の魚は、一撃で胴体を潰されながら吹き飛ばされた。


 砂浜に叩きつけられた後、ピクリともしない二足歩行の魚。どうやら一撃で絶命したらしい。あからさまにミクが渋い顔をする。どうやら期待外れだったようだ。



 「あの二足歩行の魚、思っていた以上に柔いね。一撃で吹き飛ぶほど軽いし、簡単に死ぬしで、期待外れが酷い。ここまで弱いとは思わなかった、あの二足歩行の魚」


 「面倒臭いから魚人で良いんじゃない? 魚みたいな見た目で、人間種のような二足歩行だから魚人。分かりやすいでしょ」


 「そうだね、とりあえずあれの名前は魚人でいいよ。それにしても脆いけど、人間種と考えればあんなものなのかな? 魔物としたら期待外れだけど、人間種と似た程度なら仕方がない。納得した」


 「まあ、納得できたのなら良いんだけど、そもそも蟹や亀だってワイバーンより硬くないと思うわよ? そのワイバーンが余裕な以上、ここの魔物も相手にならないんじゃない?」


 「そっか、あのワイバーンですら、それなりに強いんだったね。しまったな、あれ以下が多いとなると、もっと先に進まないと駄目だ」


 「うん、まあ……そうだろうね」



 ミクは落胆しつつも、近付いてきた蟹の腕攻撃をカイトシールドで流し、ウォーハンマーの一撃で腕を破壊した。そのまま流れるように近付き、胴体に掬い上げの一撃を喰らわせる。


 蟹の魔物は吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた後はピクリともしない。おそらくは一撃で死亡したのだろう。再び落胆するミク。とはいえ気を取り直して回収しておく。



 「レティー、魚人の血はどうなの? 血抜きは終わったみたいだけど」


 『あまり栄養価は高くありません。そこまで飲みたいとも思いませんが、このエリアではこの者しか血を持って居なさそうですね』


 「亀は血を持ってるわよ? もしかしたら亀の方が狙い目なのかも。わたしが獲ってきてあげる」



 【陽炎の身体強化】で一気に接近したアレッサは、噛み付いてきた亀の首にウォーアックスを叩きつけた。その一撃で首は切り落とされ、一気に血が噴出、アレッサは血塗れになってしまう。



 「何やってんだか……。とりあえず血を抜き取るから脱ぎなさい」


 「はーい……」



 アレッサが服を脱いでミクの肉塊になった右腕に渡していると、レティーが亀の血を飲んで喜んでいた。とても栄養価が高く、今まででの中で1、2を争うぐらい優秀なんだそうだ。レティーの興奮が凄い。



 『こんなに栄養が豊富な血だとは思いませんでした! ハッキリ言って驚きですし、これほどまでに栄養が多いのはワイバーン以来です!!』


 「ワイバーンの血は栄養が多いんだ。それはともかく、明らかにワイバーンより弱いのに血の栄養は豊富っていうのは凄いわね。それだけこの亀は優秀って事なのかも。何が優秀かは知らないけど」


 「少なくとも血は優秀みたいだね………うん? もしかして魔石も優秀かも。魔力って血に多く含まれてるからさ、なら魔石にもそれだけ多くの魔力が含まれてるだろうし、こいつは魔石が優秀って事かもしれない」


 「レティーが血抜きを終えたみたいだから、解体して調べてみたら? わたしにはサッパリだけど」



 ミクは服の血抜きをしつつ触手で亀を解体していき、中にあった魔石を取り出した。それはワイバーンの魔石と似た澄んだ色をしており濁りを感じない物に見える。



 「ワイバーンの魔石と似た感じだね。魔力そのものはワイバーンより少ないけど、濁ってない。ゴブリンの魔石が分かりやすいけど、あいつらの魔石って凄く濁ってるんだよね。もしかしたら、その所為で【真偽判定】がおかしくなる?」


 「えっ、【真偽判定】? ………澄んだ魔石で魔水を作り、それに浸したからあんな不思議な【真偽判定】用の紙になったのかな? そう考えると分からなくもないけど」


 「………ちょっと気になったのか、本体が物作りを始めたね。トレントの木で紙を作って、ワイバーンの魔石に【浄化魔法】を使ったりしてみたり、色々としてみるってさ。もしかしたら【真偽判定】用の紙が更に変わるかも」


 「何かもう、色々とおかしな領域に入っていってる気がするけど、今さら言っても始まらないから、気にしたら負けね。ミクだから何を言っても無駄だし、一周回って期待してる自分がいるわ」


 「とりあえず亀の魔石で試してみようかな? 【聖潔】………何かちょっと変わったような気が……。もうちょっとやってみるか」



 ミクは【聖潔】を何度か使ったが、使う毎に篭める魔力を増やしていった。服を着つつ横で見ていたアレッサが若干引くぐらいには魔力を篭めたが、それでも変化は無かった。



 「魔力を大量に篭めても限度はあるみたいだね? となると濁りは質と言えるんだろうし……魔石に篭もっている魔力量と、魔石の質はまったくの別と考えた方がいいみたい」



 ミクの言っている事がよく分からないものの、アレッサは気にせず血が完全に取り除かれた服を着るのだった。


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