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0137・アレッサのランクアップ




 その後は解体所でアレッサ名義にして素材を売り払い、ラーディオンからジト目を貰うも、<竜の牙>と<鮮烈の色>が説明しアレッサ名義になった。実際に全てアレッサが倒したのだから、間違ってはいないのだ。



 「それはそうだろう。ワシだってそこの嬢ちゃんが怖ろしい強さなのは知ってる。だがな、それと周りが認めるかは別な訳だ。まあ、お前さん達が動くなら別に構わんし、口だけの奴等は殴っちまえば済む」


 「それが一番手っ取り早いし、一番良いんだ。バカな連中はボコられなきゃ理解しねえ。幾ら話しても己の都合の良い妄想しか信じねえんだから、叩き潰すしかねえのさ。オレ達も頑張った事はあるが……」


 「無駄だったよねー、アレは。バカがひたすら自分達に都合の良い事を言い続けて難癖付けてきてさ、向こうが先輩だからって仕方なく我慢してたら、際限なくつけ上がりやがったんだよ。で、結局キレたガルツォがボコボコにしたら、一切何も言ってこなくなったからね」


 「無様な連中っていうのは何処にだって居るけど、魔物と変わらないような連中は躾けをしてやるしかないんだよ。殴られなきゃ分からないって、完全にケダモノなんだけど、ああいう連中ってのは何故か理解しないのさ」


 「マヌケは何を言ってもマヌケなんだから仕方なくない? 死ぬまで自分がバカだって理解しない奴も居るんだから、そのまま死なせてやればいいのよ。生きてたって邪魔でしょ」


 「「「「「「「「「「………」」」」」」」」」」



 あまりに辛辣なアレッサの一言に黙るギルド内の探索者達。すると、ギルド内に6人組が入ってきた。それなりに経験があるのか若干だが草臥くたびれた装備品を身に着けている。


 しかし、その連中は入ってくるなり大きな声で笑い始めた。



 「おいおい見ろよ、探索者ギルドにガキが居るじゃねえか。ここは孤児院だったのか? 随分と大きな孤児も居やがるなー」


 「「「「「ギャハハハハハ!!!」」」」」


 「あらら、言ってる傍から自分の実力を知らないマヌケが来たよ。アレッサ以下の実力しかない分際で、何を笑ってるんだろうね? 探索者は実力が全てだろうに、いつから口だけになったのやら」


 「おいおい、そりゃ酷いじゃねえか。オレ達はあんなマヌケとは違うぜ? 見た事の無い連中だから、ゴールダームに来たトコだろ? なら初心者エリアすら攻略してないお子ちゃまだ。そういうお子ちゃまがイキがるのは、よくあるこった」


 「本当にね。あいつら自分達がよくいるマヌケだと理解してないみたいだし、ビックリするほど頭が悪いよ。久しぶりに世間知らずのマヌケが来たもんだけど、いったいどれだけお前らみたいなのが死んでいったか、知らないのか?」



 お調子者のジュードもかなり怒っているらしく、場の雰囲気は結構悪くなっている。それでもヘラヘラしている6人組。余程のバカなのか、それとも何かがあるのか。



 「ハッ! 所詮は口だけの奴等だろ? オレ様達が第5エリアってヤツもすぐに突破してやるよ。実力もねえ奴等は黙ってろって……な?」


 「ぷくくくくく……こいつら本当にマヌケだね! 間が抜けすぎてるよ。今日アタシ達が、第5エリアを、攻略してきたっての! あはははははははは!!!!」


 「「「「「「「「「「プッ……ダッセェ」」」」」」」」」」


 「ハァ!? てめぇらで攻略出来るならオレ様達なら余裕だっての! ……どけ! ガキ!!!」



 笑われたからか、慌てて受付へと行こうとしたが、受付の前にいたアレッサが邪魔だったのか蹴飛ばそうとしてきた。それに対してアレッサは前蹴りを放ち、脛の部分をピンポイントで蹴る。


 脛当てか何かをしていたのだろうが、それでも衝撃は殺せず、痛みに飛び跳ねる男。



 「「「「「「「「「「わはははははは!!!!」」」」」」」」」」



 大笑いされた事によって怒ったのだろう。男は腰に佩いていた剣を抜いたが、それより早くアレッサはウォーアックスを肩に担ぐ。


 男は憤怒の表情で剣を構えようとしていたが、既にアレッサが臨戦態勢なのを見て凍りつく。いつの間にあんな大きな斧を取り出したのか、一瞬すら見えなかった。


 男達は地元では有名な探索者チームであり、だからこそゴールダームに来ても舐めていたのだ。ここは一瞬で殺される場所だと、やっと気付いたらしい。



 「あれ、構えないの? 構えていつでも切りかかって来なよ。その剣がわたしに当たる前に殺してやるからさ。どうしたの? わたしみたいな子供が怖いの?」


 「うっ……くっ………」


 「ほらほら早くしなよ、早く剣を振りなって……その時お前が死ぬんだからさ?」


 「ひっ!?」


 「あのー、せめて外でやって下さい。ギルド内を汚い血で汚されても困ります」


 「大丈夫、大丈夫。ミクもシャルもブラッドスライムを持ってるから綺麗にしてくれるよ。臓物ブチ撒けちゃったらごめんねえ。でも田舎から来るザコなんて山のように居るんだし、消えてくのも山ほど居るじゃん。こいつらも、それだよ」


 「ここで殺したら唯の犯罪です。殺るならダンジョンでやって下さい。私達は見ないし聞こえませんので」


 「ちぇー、仕方ないな。ダンジョンで殺すか」



 そう言ってアレッサはウォーアックスを仕舞う。ウエストポーチ型のアイテムバッグに仕舞ったのを見て欲が出たが、その後の言葉で再び凍りつく。



 「お前らその子からアイテムバッグを奪おうと考えたか? だが無駄だぞ。その子は【悪意感知】に【罪業看破】、それに【真偽判定】まで持ってる犯罪者の天敵だ。お前らが犯罪者なら容赦なく始末されるから、ダンジョン内では背後に気を付けろよ?」


 「「「「「「………」」」」」」


 「アレッサさーん。登録証の更新が終わりました。いきなりランク”11”ですからね、更新に随分時間が掛かりましたよ」


 「あれ? わたしは楽でいいけど、これっていいの? わたし、さっきまでランク1だったんだけど」


 「前にミクさんにも言いましたけど、第5エリアのマッスルベアーやスチールディアーを乱獲するような人達を、下のランクには置いておけないんです。どんどんと狩ってもらわないと困りますから。エクスダート鋼の材料は幾らあっても良いくらいだそうですし」


 「へー。まあ、ありがた……11? 10までじゃないの?」


 「ミクさんが最初に第5エリアを突破されましたけど、ソロ攻略だったので本当か分からず、今回は<竜の牙>と<鮮烈の色>も一緒ですし、ランク13のカルティクさんも同行しています。それで攻略し、ボスの死体でしょう? なので今回の突破者に限り、全員ランク11にしろとの事です」


 「まあランク13の私とウェルドーザは関係ないんだけど、第6エリアに行けるってだけで十分だしね。私はミクと一緒に行くけど」


 「あたしもそうだね。何があるか分からないし、迂闊に入りたくはない。あっさり死体になる可能性すらあるんだ、怖くてミクと一緒じゃなきゃ嫌だね」


 「オレ達も行かねえなあ。誰かさんが先に行って確かめてくれてからだ。マッスルベアーとスチールディアーで十分に稼げる以上、無理する気はねえしよ」


 「だね。命は一つしかないんだ、臆病なくらいでちょうどいい。あっさり死ぬバカになる気は無いよ」


 「悪いんだけど、明日は私とアレッサに個人的な依頼があるから無理。攻略するなら明後日からだね。っと、そろそろ宿に戻るよ。段々お眠になってるみたいだし」


 「あたしも帰るかねえ」


 「私も帰ろっと」



 ミク達が探索者ギルドを出ると、ようやく弛緩した空気になる。<竜の牙>と<鮮烈の色>はミク達を知っているから良いが、知らない者からすると恐怖の対象でしかない。


 危険人物リストとはなるべく絡みたくないのだ、普通の探索者は。それに絡んだバカどもを睨みながら、どう躾をしようか悩む先輩達。


 未だバカどもは檻の中に囚われたままであった。


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