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1096・ボスに勝利と惑星の違い




 Side:ミク



 血が一気に出始めた蛇は暴れるものの、三人は冷静に動き攻撃を仕掛けていく。ニニは傷口を広げるよりも、より深く切り裂こうとしている。ルルは逆に深くまで到達した傷を広げようと抉り始めた。


 そしてヴィーは胴を殴りつけているものの、隙あらば顔面をブン殴ろうと様子を伺っているようだ。そんな三者から攻撃を受けているボス蛇は痛みに暴れるしかなく、三人は離脱しつつも隙あらば接近して攻撃を加えていく。


 傷口を更に深くする為に、元々つけた傷口に更に斬り込む。既に血が溢れている傷口に突き込んで、中で槍を捻って肉を抉る。首が落ちてきて暴れ回っていても、上手くタイミングを合わせてブン殴る。


 三者三様の攻撃を繰り返し続け、遂に蛇は床に倒れ伏して完全に動かなくなった。それでも死体が消えるまでは油断しない三人は更に猛攻を加えていく。10階のボス狼で、一度死んだフリをされている三人は二度と油断しないだろう。


 実際その時には私が介入したから助かっただけで、実質は殺されていた筈だった。その事を三人とも忘れていないので、本当に消えるまで攻撃を加え続けていく。実際その失敗の直後は、獲物であろうと過剰に攻撃していたからね。ちょっとした心の傷にはなっているかも。


 油断しない為のものだから、意図的に権能を使って癒してはいないんだよ。良い意味で心に残ったと思う。


 三人が攻撃しているのに蛇が消えないという事は、このボス蛇は未だ死んでいないって事だ。ただし動く事は既に難しいみたいで、ピクピクしているだけだけど。


 その時ニニがヴィーの近くへ行き、首を斬ろうと脇差を振るったそのタイミングでボス蛇は消えてしまい、ニニの攻撃は床に直撃した。その瞬間「ビキィッ!!」と音が鳴って、私の方に折れた刃が飛んできたのでキャッチする。タイミング悪かったね。



 「ごめんなさい! だいじょうぶ!?」


 「大丈夫、大丈夫。そもそも私にとっては止まって見えるほど遅いからね、当たるなんて事はあり得ないよ。それはともかく、さっきのは運が悪かったと言うしかないね。攻撃した瞬間に消えるなんてさ」


 「そうねえ。ああいう事もあると言えばあるんでしょうけど、運が悪かったと言うしかないわ。それはともかく、お疲れさま。やっと20階のボスが倒せたわね。大きな蛇だったけど、頑張ったじゃない」


 「がんばった」


 「うー! あ! あ!」


 「三人とも、真ん中に討伐報酬が出てきましたよ。なにやら壜らしき物があるような……?」



 確かに中央に壜のような物が見えるね。そこに走って行くニニと歩いて近付いていくルルとヴィー。ニニが壜と牙を持ち上げたので、報酬はあの二つらしい。手に入れて喜ぶニニに二人も近付き確認していく。


 間違いなく壜と牙なので納得した二人は、ニニのアイテムバッグに入れてやり出口へと歩く。全員で出口に歩き、ボス部屋の外に出ると自動で出口が閉まった。ちょうどその時完成したので、私は右腕を肉塊にして武器を床に出す。


 皆もビックリして見ているが、そこには笹穂槍と矛に薙刀、そして脇差と大脇差に鞭がある。鞭に関してはドラゴン素材であり、持ち手はドラゴンの骨と牙と鱗。そして鞭本体はドラゴンの皮で作った物だ。



 「槍とかはともかくとして、鞭はどういう事なの?」


 「ヴィーが戦いにくそうにしている場面があったからさ、敵の注意を引くぐらいで良いなら、長い鞭で良いんじゃないかって思ったんだよ。それで作ってみたってわけ」


 「成る程。離れた所から攻撃できるようにする為に、敢えて長い鞭を持つという事ですね。盾士の仕事は敵の攻撃から守る事と、敵の注意を引き付ける事ですから、それを考えたら間違った武器とは言えません」


 「鞭ですか……。馬に乗る際の鞭しか使った事がありませんが、何となく使い方は分かります。それと長い武器は確かに助かりますね。威力はメイスよりも低いでしょうが、敵の注目という意味ではとれるでしょう」


 「おおーっ! いままでよりながい!!」


 「これは何かしら? 真っ直ぐで幅広で変な形の物があるんだけど……。こっちは薙刀よね、でもこっちは何かしら?」


 「その隣は矛よ。私も持っているけど、長柄の先に剣を付けた物ね。どちらかというと斬撃に寄っていると考えれば分かりやすいんじゃない? 槍よりも幅が広いから深くは刺し辛いけど、代わりに切りやすい武器ね」


 「薙刀はそれよりも切りやすいけど、更に刺し辛い武器だと考えればいい。そして変な形と言っているそれは槍で、穂先は笹穂型と言われる物だよ。だから笹穂槍と言われてる」


 「笹穂槍……。こんなのも槍なのねえ、初めて見たわ」


 「有名な<蜻蛉とんぼ切り>と呼ばれる槍が、この笹穂型なんだけどね?」


 「なにそれ?」


 「えっ? ………日本三名槍と言われる槍の一本だよ。<日本号ひのもとごう><蜻蛉とんぼ切り><御手杵おてぎね>。この三本を日本三名槍と言うんだけど……知らない?」


 「<日本号ひのもとごう>と<御手杵おてぎね>は聞いた事がある。刀剣が男性の姿になる漫画でだけど。でも、<蜻蛉とんぼ切り>なんて聞いた事が無いわ。日本三名槍って、最後の一本は<飛翼>じゃなかったっけ?」


 「とびつばさ?」


 「確か昔の有名な人が使っていた槍だったと思う。宝蔵院なんちゃらって人だったと思うけど、あんまりきちんと覚えてない。確か千鳥十文字って形の槍じゃなかったっけ? 主に刀剣が出てくる漫画だから、槍って敵側なのよねー……」


 「おそらく宝蔵院の坊主である胤栄いんえいの事だろうけど、そんな名前の槍を持ってたかな? 一応千鳥十文字というか、三日月型の刃を穂先より下に付ける槍を開発したのは胤栄いんえいだと言われてたような気がするけど……」


 「そもそも違う星なんだし、伝わってる槍なんかが違ってても不思議じゃないんじゃない? 歴史だって違ってるでしょうしね。もしかしたらガイアで偉人になっている者も、テラなら誰か分からないって事もあるんじゃないの?」


 「戦国時代は有名だから色々とあったけど、そのガイアって星でも戦国時代はあったのかな?」


 「あったよ。織田が畿内を治めるギリギリまでいって裏切られ、豊臣が日本を統一したけど死んだ後に潰され、最後に勝ったのは徳川だね」


 「織田は分かるけど、豊臣と徳川って誰? 聞いた事が無いんだけど……。っていうか、日本を再統一したのは織田でしょ?」


 「どうやら、その辺りからガイアとテラの歴史が違うっぽいね。ちなみに豊臣っていうのは、織田信長の配下にいた木下藤吉郎の事だよ。で、徳川は松平の事だね」


 「ああ、美濃攻めで大失敗して死んだ木下ね。ある意味で有名なヤツだけど、生き残ってたらそんな事になるんだ。あと松平って今川と一緒に攻めて来て、桶狭間で討ち取られたヤツじゃない。その後、三河勢は総崩れになったと言われてるけど……」


 「そっちの歴史もなかなか面白い事になってるね。ガイアでは戦国の三英傑って言われてるのに、テラでは違うんだし。やっぱり星が変われば歴史が変わるか」


 「戦国の三英傑って織田信長と北条氏康と島津家久でしょ? 東海から西、関東から北、九州と沖縄。それぞれが纏めた上で、最後は織田の下に纏まったんだし」


 「ああ、そういう感じか。それもそれで面白い感じがするけど、やっぱり戦国っていうのは何が起こるか分からないね。桶狭間も紙一重と言われてるらしいし」



 一度見に行ってみたいぐらいには、面白い歴史を辿ってるみたいだ。テラという星も楽しそうだね。案外アーサー王が実在したりして。


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