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1049・召喚者達の現実




 Side:ハルキ・ゴトウ



 体が消えていった後に気を失い、再び気が付いた時には見覚えの無い石の部屋に居た。周りに何人もの人が倒れているけど、その周りを兵士みたいな奴等が囲んでる。さっきまでオレもチートかも? 何て思っていたが、急に現実的な冷たさを浴びた気がする。


 周りでこちらを見ている兵士達を見ていると、喉が勝手に「ゴクリ」と鳴ってしまった。相当に緊張していたらしい。すると首元に妙な感触を感じたので触ると、そこには何かが付けられているのが分かった。慌てて手触りで確認するも、コレって首輪か!?。


 オレが首元の首輪に気付いたからだろう、周りの兵士達が急にニヤニヤした顔で見てきた。……もしかしてコレ、ラノベ好きな奴等が言ってた<奴隷の首輪>じゃねえだろうな? 着けられたら最後、外せなくて命令通りに動いちまうとかいうヤツじゃ……。



 「ぐ、う……ここは、何処だ……?」


 「あ、れ……ここは?」


 「う、づう……何だ、頭が痛え」



 倒れていた人達が続々と起きてきたが、皆も首輪に気付き始めたようだ。起きた人達が「ザワザワ」としていると、突然大きな声が響く。



 「ようやく全員が起きたか。ここはウェルトゥーザ王国の地下召喚陣の間だ。神が異界人を召喚する際にはここに飛ばされるのでな、君達が目覚めるのを待っていたのだよ。さて、それではついてきたまえ」


 「は? 何だこのガ……何で体が勝手に動きやがる!?」


 「ハハハハハハハ!! 君達の首に着けてあるのは<奴隷の首輪>という、君達を都合良く駒として利用できる物だよ。ああ、神から持たされた力で好き勝手に出来るとでも思ったのかね? あまり我々を見縊みくびらない事だ。マヌケの諸君」


 「何だとテ、ギャァ!!?!?!」


 「くくくくく……。そんなに予想通りの行動をされると笑ってしまうねえ。いやいや、実に滑稽なものだ。召喚者が優遇されたのなど最初の時だけだ。その後は<奴隷の首輪>が作られたから、君達召喚者は全て戦争の道具なのだよ。命令で戦い死ぬ、都合の良い駒。アハハハハハハハ!!!」


 「ふ、ふざけんじゃ、ギャァァァァァァ!!?!?!」


 「アハハハハハ!! 君達の首輪の主は全て私、フィスルトム・バルグクス・ウェルトゥーザを主とするようになっている。王太子である私の匙加減一つで拷問すら可能なのだ。精々役に立ってくれたまえ。わははははははは!!!」



 最悪だ。何でこんな事になったんだよ! そもそも神様のところでスキルを貰ってこれなら、最初からコイツらと神はグルじゃねえか! 何だこのペテンは!? ふざけるんじゃねえよ!!。


 くっそ……! 嵌める事が出来る以上、絶対に安全に外す事も可能な筈だ。もし自分に着けられたらって考えたら、絶対に全部無視して外す方法が必ずある。こういう奴等が他人を信用する筈が無いんだ。間違いなく自分だけで外せる方法を用意している。間違い無い!。


 オレ達は命令されるままに勝手に動き、大きな部屋へと連れて来られた。そして何だか訳の分からない石の板に一人一人手を置けと命令される。


 すると石の板の前にウィンドウのような物が現れる。マジか、アレでステータスが丸裸にされちまうじゃねえか!? しかもあのオッサン【剛剣術】とかいうスキルを持ってやがる!。



 「ほう。【剛剣術】ならば最初から2軍で良かろう。なかなか良いスキルを持っていて良かったな?」


 「………」



 オッサンはかなりの怒りを溜めこんでいるようだが、いちいち相手をしても無駄だと思ったのだろう。全て無視する事にしたらしい。


 次々に色々な者が調べられて、それぞれの軍に振り分けられていく中、猫耳の女の子が石の板に手を置いてウィンドウが現れると、途端に王太子が何かを指示。猫耳の女の子は別の場所へと連れて行かれた。いったいどういう事だ?。



 「何だ? 何故あんな小さな女の子を連れて行く? あの子が何だっていうんだよ」


 「ふむ。まあ、よいか。後腐れも無いだろうしな。アレは【浄化】のスキルだ。あのスキルはお前達の首輪を解除出来るのでな、散々兵士の慰み者になった後で始末される。首輪を解除されては困るから当然だが」


 「「「「「「「「「「なっ!?」」」」」」」」」」


 「くくくくくく……。今までいったい何度召喚者が来たと思っている。貴様等が逃げられる事などないのだよ! 全ての穴は塞がっているし、そのマニュアルも整備してある。貴様ら召喚者の知識を散々奪い取ってきたのだからな!!」



 クソッタレ! 最悪だ!! こっちが首輪を外そうとする事などお見通しで、最初から穴が塞がれてるなんてよ! こんなのありえねーだろ! ゲームだったら間違いなくクソゲー以下のゴミだぞ、マジで!!。


 オレが心の中で悪態を吐いていると、オレの番が回ってきたので体が勝手に動き石の板の上に手を置く。ウィンドウが現れたものの、周りの反応はゴミを見るようだった。



 「チッ! こいつは【加速】か。この中で一番の外れだな。このゴミは掃き溜めの7軍で良かろう、さっさと連れて行け!」


 「ハッ!」



 おいちょっと待て。掃き溜めってなんだよ、おい!! ふざけるな!!。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 Side:???



 「う……いったいここは、何処?」



 神の所に居た筈の私は、今は石を積み上げたような壁の部屋に居る。周りを見渡すと他にも倒れている人が沢山いるけど、その周りを悪魔のような者達が囲んでいた。いったいどういう事かは分からないけど、私達は取り囲まれているらしい。


 そもそも神とかいう存在からして怪しかったのに、更に悪魔が出てくるなんて、アレは完全に邪神か何かだったに違いない。だいたい神が人間に力を与えるより、神が直接自分で解決した方が手っ取り早いに決まってる。何で物語なんかでは人間が解決するのかしら、意味が分からない。


 それよりも逃げ出す算段をと思っていたら、周りの人達がどんどんと起きてきた。皆が自分の境遇に気付いたときに、ふと首輪が嵌まっているのが見えた。まさか、アレって私の首にも?。



 「起きたか。では、黙ってついてこい」



 巻き角のようなものを頭に生やして、背から黒い翼が生えている男が命じると、何故か私達は一斉についていく事になった。これ、体の自由を奪われてる!?。


 有無を言わせぬ男について行かされると、そこは大きな部屋で、中央にはテーブルがあり石の板が置かれていた。それに触るように言われた人が触るとウィンドウが出現。どうやら能力を暴く道具のようだ。



 「ふむ、【魔力向上】か。こいつはキープだ」


 「ハッ!」



 キープってどういう事よ。完全に私達を物扱いじゃないの。こいつらって間違いなくアニメなんかに居る魔族よね?。


 妹が見ていた横でチラチラ見ていただけだから、こういう奴等に対して知識が無いのでよく分からない。妹なら分かるんだろうけど、妹が来なくて良かったと思うしかないわね。


 私の番になったのか、体が勝手に動いて石の板に触れる。すると、私の情報まで表示された。



 「チッ! 【浄化】か。コイツは向こうだ」


 「ハッ!」



 私のスキルに何かあるの? 何故か少人数の方に行かされたけど、いったいどういう事かしら? そう思っていたら誰かが部屋に入ってきた?。



 「ヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ! 仕分けのところ申し訳ありませんがな。王子、何か使えそうな者は居ましたかぁ?」


 「チッ、早速来たか。貴様が使っていいのは向こうだけだ。こっちは戦争で使う。手を出すなよ?」


 「分かっておりますとも! 分かっておりますともぉ! ウヒャヒャヒャヒャ! これで竜人族を弄繰り回せる実験がやっと出来るわい。簡単に壊れんでくれよ? イヒヒヒヒヒ!!」



 実験ってどういう事? こいつもしかしてマッドサイエンティストみたいな奴なんじゃないの!? じゃあ、人体実験じゃない!。


 私を実験動物って、ふざけんじゃないわよ!!。


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