1044・ダンジョン47階到達も……
Side:ファーダ
適当に済ませようとしたのだがセリオが待てるというので餃子を作る事にした。さっさと小麦粉を使って皮を作り、謎の草と猪肉で餡を作って餃子にしていく。その横ではノノがフライパンで餃子を焼いている。
俺達は喰わないのでせっせと作製していくが、セリオとレティーは皿を前にして餃子が出来るのを待ちつつサ○ダーを飲んでいる。好きにすればいいのだが、妙に炭酸飲料に嵌まっているらしい。シュワシュワが堪らないそうだ。
焼けた餃子が皿に盛られ、お酢をメインに醤油や味醂にニンニクなどを使ったタレに付けて食べていく二匹。思っているよりも美味しいらしく、サイ○ーを飲みながらもバクバク食べていく。片方は溶かして食べている。
『餃子だと肉巻き以上に謎の草が気にならないね! これは美味しいよ!』
「ですね。謎の草が小さくなって入っているからか、本当に気になりません。あの草はふわふわしていて柔らかそうなのに、どうしてあんなに苦いんでしょうか? 訳が分かりませんよ」
俺達も分からないが、あの謎の草の栄養はバカに出来ないので、これからも持っていたら食べてもらうがな。俺達の細胞を持っている以上、栄養バランスが崩れても簡単に死んだりはしないだろうが、何かの病気になっても困る。可能性はゼロじゃないからな。
ウイルスを含め外からの病気はどうにでもなるが、体の内側からの病気はなかなか難しい。栄養を摂れば予防できるなら、予防しておくに限る。
沢山作った餃子も食べ終えたので残りをどうするかと思ったのだが、ミクの方で食べるとの事で本体空間を経由して移動させる。物品の移動であれば問題ないからな。
向こうは立ち寄った町の宿に泊まっているらしく、今のところは絡まれていないとの事。とはいえミクは一日中起きているし、誰かが襲ってきたら善人化されて終わりだな。そう思いつつ俺は適当に休んでいる。
実はノノは二匹が食事を終えた後、装備や衣服にアイテムバッグなどを全て置いて30階へと戻って行った。理由はあの蜘蛛の特殊な倒し方を探す為だ。もしかしたらボス蛇のように確定ドロップをさせる方法があるかもしれないからな。
ま、ドロップアイテム自体は本体空間を経由すれば、こちらに転送する事は簡単だ。ならば装備も何も要らないだろう。その方が早く移動する事も出来るしな。ノノは鳥の姿で透明になり飛んでいるらしく、全くワイバーンに見つかっていないらしい。
そのままボス戦の周回を始めたらしいが、最初は真っ二つにして倒したようだ。俺と同じように腕を巨大な刀にして切り裂いたらしく、開幕すぐに殺したらどうなるかという事だが、ドロップは糸車が三個だけだったようだ。
そのまま周回を続けていくノノは好きにさせ、俺は40階のボス前で瞑想しながら過ごすのだった。
…
……
………
朝になり二匹を起こすと、朝食として麦飯の炒飯を作って出す。謎の草も小さくして入っているが、猪の魔物の脂を使って炒めているので気にならないようだ。肉もたっぷり入っているからだろうし、朝からガッツリでもあっさりと平らげた二匹。元気な証拠だな。
上に少し戻って穴を掘り、セリオのトイレなどを済まさせたらボス戦の開始だ。ボス扉を開けて中に入ると、地面の魔法陣が輝きボスが出現する。せり上がって出てきたのは翼の生えた白い馬だった。
「成る程。40階のボスはペーガソスか。ゼウスの雷鳴や雷光を運ぶとされているが……はてさて、どれぐらいの威力なのやら」
「大した事などあるまい。所詮は惑星に準ずる神でしかないのだし、我らにとっては唯の食い物でしかないのだからな」
「まあ、それはそうなのだが……」
「来ますよ!」 『おー、飛んでるー』
ペーガソスは飛び上がって襲ってきた。それは雷光の如き速さと普通の探索者なら形容するのだろうが、俺達にとっては遅すぎる。俺はカイトシールドで正面からぶつかり、むしろペーガソスを弾き返してやった。俺に当たり負けするようではな。
正面からぶつかって負けたペーガソスは目を白黒とさせていたが、それは余りにも隙だらけな姿でしかない。一足で近付いたノノが戟の穂先を首に突き込んでおり、そこから力で下へと切り裂いた。
首を突き刺されて切り裂かれたペーガソスは派手に出血。夥しい血を噴出しならが息絶えた。あっと言う間だったが、今までのボスに比べて小さいので然して強くも無かったな。
おそらく今までのボスより遥かに速いのだろうが、俺達にとってはその程度でしかない。結局は大した苦労もしないままに勝利。ボスが消えてドロップが出現したが、出てきたのは尻尾の毛束と馬肉だった。………何故?。
「お肉が出ましたね?」 『美味しいのかな? ボスで出たんだから、美味しいよね?』
「ガイアの日本でも馬肉は食うというしな。食べても問題はなかろうが………。何故ここで馬肉なのだ? いや、おそらくは馬肉だと思うのだが」
「分からん。ついでに尻尾の毛束が出たのもよく分からん。とはいえ皮が出ていないので、一番高く売れそうな物は出ていないな。馬の皮は色々な物に使われる筈だ」
「確かにな。ま、周回は後にして、今は41階へと進むか」
ノノがそう言うので思考を切り、俺達は先へと進んで行く。そして41階で見たのは、何と墓場だった。そこには様々な種類のゾンビやスケルトンが居る。人型であったり狼型であったり、或いは熊であったり鳥であったりと、本当に多種多様なゾンビとスケルトンだ。
ここでギブアップしたのも分からんではないな。こんなアンデッドだけの場所など進む気を失くすだろう。俺達なら問題ないが、そもそもこの星に【浄化魔法】が無い、もしくは【浄化魔法】があっても威力が低いと大変だろうからなぁ。嫌になっても仕方ない。
俺達はさっさと【浄化魔法】を使いつつ先へと進むも、またもや落とし穴を発見した。このエリアはアンデッドだけではなくトラップもありか。31階からのエリアは強風自体がトラップのようなものだったから、久しぶりに普通のトラップだな。
とはいえ問題なく確認できる程度のトラップでしかない為、俺はさっさと発見と対処をしていく。最近は近付かないか、それとも右腕を肉塊にしてワザと発動させての様子見だ。どんな種類のトラップがあるかは確かめておく必要がある。
それもあってワザとトラップを発動させているのだが、どうも21階からのエリアと然したる違いは無いな? この程度のトラップはここまで来れたら慣れているだろう。にも関わらず新しいトラップは無しか……。それとも先に進むとあるのかもしれないな。
そう考えた俺は皆に話し、【浄化魔法】を使いながらサクサクと進む。そして47階まで到達。特に新しい罠も強い敵も居らずに来てしまった。ここで止まった王はいったい何に止まったんだ?。
「よく分からんな。何故<アーククラス>の王がこんな場所で止まるんだ? ここまで来たらそのまま進んで行けるだろう。それとも帰りの事も考えたら、ここでギブアップせざるを得なかったのか?」
「それか、我等のような強力な【浄化魔法】は使えなかったかだ。もしかしたらここのアンデッド、【浄化魔法】以外では復活し続けるのかもしれん」
「もしそうならギブアップするのも分かりますね。41階と比べると随分とアンデッドも多かったですし、それが減らせないとなれば逃げ帰るのも已む無しでしょう」
『面倒臭いもんねー』
確かにそうか。俺達と同じに考えてはいかんな。




