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1043・ダンジョン40階まで




 Side:ファーダ



 十分な休息も挟んだので、俺達は準備を整えて30階ボスの扉を開いて中に入る。背後で扉が閉まり、地面に魔法陣が現れて輝く。そこから現れたのは巨大な蜘蛛だった。横幅はざっと8メートルほどで、高さは3メートルほど。かなりの大きさを誇っている。


 そんな蜘蛛が動き出す前に俺達は一斉に動きだす。俺は蜘蛛の前に陣取って盾を構え、ノノは野太刀を持って右側面へ、そしてセリオは高さ3メートルになって左側面へと回っていく。それを確認した後に、俺は蜘蛛の顔面へ【火弾】を放って牽制。


 蜘蛛は嫌がったのか糸を吐き出して【火弾】を相殺しようとするも失敗。糸が焼かれて顔面に【火弾】が直撃する。もしかしてだが、<殺戮者>もそうだったように、この星の魔物は【根源魔法】に弱いのか? 幾らなんでも簡単に倒せ過ぎたしな。明らかに強さが合ってなかった。


 コイツも糸を吐き出して相殺しようとしたが失敗している。【根源魔法】の強度とコイツが吐いた糸に相当の差があるのなら分かるのだが、しかしそこまでの差があるものだろうか? 今までもそんな事は無かったしな。となると……俺達の力が上がっているとしか考えられんな。


 そしてその理由はおそらく神力だろう。それも魔を司る神の権能だ。地味な権能の効果だと思っていたが、魔法そのものの威力が上がっているなら地味とは言えんぞ。【浄化魔法】と離乳食を作るのにしか使っていないので、威力など気付く事もなかった。


 今回ようやくその片鱗が分かったというところか。もう少し威力を落として、牽制程度で済ませねばならんな。まあ、まだまだ操作の出来る範疇だからいいが、今以上に神を喰らって威力が上がったら手加減が難しくなるかもしれん。それは覚えておくか。



 「GIGIGIGIGIGI!!!」


 「コイツおそらく巨体過ぎて身動きがとりづらいのではないか? 何故か動きがやたらに鈍いぞ。普通の探索者ならば大きさと圧で大変なのだろうが、我らにとったら大した相手にはならん、な!」


 『どーん!!』



 ノノが足の一本を半分の所から切り落としたタイミングで、セリオが【剛竜外鱗】と【魔大衝角】を使って突進。蜘蛛の胴体に【魔大衝角】を派手に突き刺した。そのついでに突進の威力も浴びせたので、大きく巨体が動かされる。


 転倒はしなかったものの、踏み止まりつつも痛みに絶叫する蜘蛛のボス。



 「GIーーーー!!?!?!」


 「随分と派手な一撃だ。流石はセリオだな!」



 俺は篭める魔力を落とした牽制の【火弾】を撃っており、その隙にノノが更に足を斬り落としていく。セリオは魔力を消して離れ、再び蜘蛛のボスから距離をとった。


 ボス蜘蛛としては大きなダメージを与えたセリオを何とかしたいのだろうが、顔への【火弾】が鬱陶しくてそれどころではないらしく、必死に顔を動かして回避しようとしている。その隙にもノノが足を斬り落としており、遂に片側の足が全て斬られた。


 一本で耐えていたもののそれも叶わなくなり、遂に巨体が片側に傾く。ドスンッ! という音と共に完全に傾いてしまい、そのバランスでは上手く動く事も出来なくなってしまった。唯でさえ動きが遅かったにもかかわらず、最早まともに動けない置物が目の前にある訳だ。


 当然俺達は素早く蜘蛛のボスの背後に回り、完全に攻撃が届かない位置へと移動する。そこから【火弾】を放って火達磨にして勝利。ボス戦は終わった。最後が締まらなかった気はするが、倒せれば何でもいいとも言えるだろう。勝ちは勝ちだ。


 ボスが消えていきドロップが出現したが、それは糸車だった。長い糸がぐるぐると巻かれているだけの何の変哲もない糸車。それが3つ出てきたのだが、それ以外には何も無かった。これはもしかしたら倒し方が悪かったのだろうか?。


 ノノやレティにセリオと顔を見合わせ、ボス部屋を出た後で扉に触れて戻り、再びボス戦を始める。今度は物理攻撃のみで倒し、魔法は禁止とした。俺も攻撃へと回り、完全に俺とノノとセリオで翻弄する形だ。


 俺が持っている短槍といえども穂先の長さは40センチある。素槍なので何の癖も無く、ドラゴン素材なので十分に足を切り落とせた。ノノと共に素早く片側の足を全て切り落とし、その逆からセリオが突進。それは見事に直撃したのだが、何と蜘蛛をひっくり返してしまった。



 「GIGIJYAーー!! JUJUーーー!?!?!」



 何を言っているのか分からないが、分かる言葉にすると「そんなバカな!?」って感じか。そういう精神を感じる。気持ちは分かるが引っ繰り返ったものは仕方ない。大人しく殺されろ。


 俺達は引っ繰り返った胴体を総攻撃し、あっさりと勝利した。その状態で戦闘に勝つと、現れたドロップは蜘蛛の足先と糸車に蜘蛛の牙だった。足先はそのまま槍に使えそうな物だったが、牙など需要があるのだろうか?。


 その辺りはよく分からないが、なんとなくこれで十分だろうとなり、俺達は31階へと進む。そこで見た物は真っ直ぐに伸びる一本道だった。断崖の上といったような場所であり、右も左も何も無い場所だ。落ちたら間違いなく死ぬだろう、普通の探索者なら。


 俺達ならば何の問題も無いが、レティーとセリオは気をつけねばならんだろう。俺達はさっさとそこへと踏み出して進んで行く。セリオは大きくなっているので強風に飛ばされる心配は無く、レティーはノノが抱いているので問題無し。


 俺とノノはこの程度の風で飛んだりなどしない。しかしこれは時間が掛かりそうだ。目の前では推定ワイバーンとおぼしき連中が「ギャア! ギャア!」と喚いており、道の上を進むものを狙っている。


 俺達が進んで行くと発見したんだろう、口から火の玉のようなブレスを吐いて来た。俺とノノはそれらを喰って消しつつ、セリオとノノを先に進ませる。俺は飛んでいるワイバーンの処理だ。いちいち鬱陶しいし、売ればそれなりの値段になるだろう。


 俺は飛んでいるワイバーンに対して【重力魔法】の【引力】を使って引き寄せ、右腕を巨大な刀のように変化させて首を斬り落としていく。当然その首も持って帰るので血抜きをする為にレティーに任せる。ワイバーンの血を処理していくレティーは何故か急にプルプル震えだした。



 「レティー、どうした? 何かあったのか?」


 「……おそらく【特性吸収】でしょう。こんな事が出来るようになりました」



 そう言ってレティーは翼を生やして飛び始めた。スライムの肉体の一部が翼になったように変化し、何故か普通に飛べるようになったようだ。<可能性の宝庫>という言葉はまさにスライムをよく表していると思う。こんなことまで可能になるとは。


 それはともかく血抜きをさせていき、十分に血が抜けたら収納していく。それを10頭分ほど繰り返して十分とした俺達は、そこから一気に走り出す。進むのに時間が掛かる気持ちは分かる。このエリアは曲がりくねった道が多い。


 しかも一本道なので逃げ場が無いのだ。行きも帰りも大変だろう。しかも周りはワイバーンだらけ。ブレスを吐いてくるだけで全く近寄っても来ない。正直に言っていい加減にしろというエリアだ。俺達以外なら。


 あの王が47階とやらでギブアップしたのも何か理由があるのだろう。そう思いつつ進んでいき、俺達は40階のボス扉前までやってきた。


 とはいえここでストップとなり、俺達は遅い夕食とする。と言っても食べるのは二匹だけなので、ささっと手早く用意する事に。


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