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1019・町中を散策




 Side:ミク



 私とイリュとティアは城下に出て色々な人から話を聞いている。二足歩行の小型ドラゴンの割には、雄というか男はティアに目線が行っているね。ベルとフィルはそうでもないので、赤ちゃんや小さくとも女の子には効かないらしい。


 町中で話を聞き回りつつ、この国が上手くいっているのか探っているが、なかなかに統治は上手いらしく国としては順調に発展しているらしい。それでもここ最近は停滞気味のようだが、安定しているので国民は不満を持っていないようだ。


 思っているよりも王と宰相はやり手らしいね。それはそれで良い事だし、私達がいちいちしゃしゃり出なくていいのは助かるよ。統治から改善しなきゃいけないとか面倒で仕方ないし、私はそんな面倒な事はしたくないからね。



 「そんなの私もしたくないわよ。別に私の国でもないのにそんな面倒臭い事は御免だし、やってやる義理がそもそも無いじゃない。ねえ、ティア?」


 「まあ、そうですね。この国の発展はこの国の方々がするべきでしょう。私達が関わるべき事ではありませんよ。私達がやるべき事は、この国の被害をなるべく減らす事ですからね。それに関しては神様の頼みですからしますけど、それ以外は……」


 「あー、う! えう!」


 「何か気になるものでもあったかな? それともジタバタしたいのかな? その割には動いてないけど」


 「色々なものが目新しいんじゃない? ここ竜人国だし、竜人族なんて見た事が無いでしょうから。ただ、それに反応するなら、今までに反応してなきゃおかしいんだけど……」


 「まだ赤ん坊ですから、今さらながらに気になったという可能性もありますよ。今まで気にしてなかったら、初めて見る人達が居る。とか思ったのかもしれませんし」


 「子供はマイペースだから分からなくもないけど、フィルが何を言いたいのかは、ちょっと分からないわね。ベルはさっきからジーッと町中を見てるけど、何か気になるものでもあった?」


 「へんなひといっぱい。きばのくちでしゃべってる」


 「ああ、竜人族に驚いてて静かなのね。気にしなくても人間種と変わらないわよ。見た目が違っていても中身はねえ……知恵や理性があるって事は、然したる違いなんて無いって事にしかならないし」


 「そうですね。結局は然したる違いなんて無いのでしょう。どんな種族でも悪徳な者は居ますし、居ない方がおかしいのです。結果、被害を受ける者が出ますし、苦しみ悲しむ者が出る。この事自体は種が違っても変わりません」


 「この国にもスラムはあるみたいだし、そういう連中は居るみたいね。こればっかりはどうしようも無い事なのよ。無い方が珍しいし、あって当たり前のものだからさ。ガイアの日本だって、それと分からないようにあったわ。分かりにくいだけでね」


 「荒れていないから分かり難かったですけど、ホームレスが居たり治安の悪い怪しい場所はありましたからね。危ない薬を売る連中も居ましたし。あの日本でさえスラムがあるんですから、無い国なんて存在しないでしょう」


 「はみ出し者は必ず居るし、はみ出る者は必ず生まれる。こればっかりは誰であっても止められないわ。もし本当にスラムを無くすなら、ミクが国民全員を善人に書き換えるしかないのよ。そうすればスラムは無くなるわ」


 「逆に言うと、そこまでしなければ無くならないものなのですよね。我が国ゴールダームにもありますが、無くす事は極めて難しいものですから……」


 「国民が全員幸福というのも、いびつだと言われれば、確かにいびつなのよねえ。幸福な者も居れば、不幸な者も居る。それが当たり前だもの。同じ被害を受けても、助かる物も居れば死ぬ者も居る。それが現実だからね」


 「ま、ベルやフィルが居るんだし、スラムの方へは行く必要が無いね。善人化をしなきゃいけない訳でもないし、この星では敵対したらという形だから、無理に行って何かをする必要も無い。関わってきたら一切の容赦をしないけど」


 「それはね。ミクのやるべき事でもあるし、食い荒らせばいいと思うわよ。人間種や魔族の国も同じだけどね。とはいえ少なくともこの国に居る間は、双方の陣営からちょっかいを掛けられる事は無いでしょうよ」


 「無いと言うより、そもそも双方の陣営は共に竜人族に召喚者の味方が出来た事を知らないでしょう。私達は一応ですけど召喚者になりますし」


 「そう言えばそうね。神様に召喚されたという事実は変わらないもの。私達も召喚者という区分ではあるわね」



 適当な雑談をしたりしながら町中を歩く。ここ王都を記録しておくのもまた大事な事だし、攻められた時に守るには地形や町の形を知っていなきゃいけない。それに敵の陣営は【空間魔法】を知っているみたいだからね。強襲してくる可能性がある。


 それとこの王都は山を使った場所だったんだね。小山……とはいえない大きさだけど、簡単に言うと山城となる。山の頂点に王城があり、そこから下って行く形で町が広がっている。山の高さは700メートルくらいあるかな?。


 竜人族にとっては大した事がないのか、それとも当たり前だから誰も気にしないのか。少なくとも人間種にとっては生活するのに厳しそうな場所だ。元々は竜王山脈に連なる小山なんだろうけど、そこを王都にしたんだろう。もしかしたら神託に関わるのかもしれない。


 昼食を食べに行く時は気にしていなかったけど、実際にきちんと確認すると小山に作られているのがよく分かる。魔法なりスキルが無い星だと、相当に堅牢な町だと思うんだけど、この星には魔法もスキルもあるからなぁ……。評価がし辛い。


 防御だけを考えたらそこまで悪い都市ではないと思う。そもそも小山の上の山城の癖に水は豊富にあるみたいなんだよね。おそらく王城の裏側には竜王山脈が連なってるからだと思うけど。


 そう、王城の向こうには遥かに高い山々がそびえ立っているのが見えるんだ。あっちから強襲されるとマズいと思うんだけど、それを考慮していないとは思えないんだよね。おそらく魔物が蔓延はびこっているとかそういう天然の防衛網があるんだと思う。



 「あれほど高い山かつ魔物が蔓延はびこってるんじゃ、並の軍隊では裏を掻く事なんて出来やしないわよ。軍の全てが魔物から隠れられるっていうのもあり得ないし、必ず見つかるし戦闘になるでしょ。そうなれば必ず居場所がバレるわ」


 「それもそうですけど、そもそも軍が無理をして通る場所でもないと思います。強襲する頃には疲れきっているんじゃありませんか?」


 「疲労困憊の軍なんて簡単に蹴散らせるものねえ。かと言って強襲前に休もうにも、いつ襲われるか分からない山の中。どう考えても裏からの強襲は不可能ね。少数精鋭なら可能でしょうけど、<アーククラス>の王が居るんだし意味は無いわ」


 「むしろ返り討ちにされそうです。そういう意味では裏からの強襲は無しですから、やっぱり【空間魔法】での強襲くらいしか無いと思います。それは警戒するだけ無駄ですね。相手の好きなタイミングで出来ますし」


 「まあねえ。相手がやりたくなったらやってくるでしょ。ただし今はこちらにミクが居るから、今までよりも遥かに難易度は上がってるわよ。強襲しても情報が抜かれるだけで終わりそうね」


 「香りですか? それとも権能ですか?」


 「どっちもじゃない?」



 どっちでも使えるね。魅了の香りで支配してもいいし、精神の神の権能で洗脳してもいいし。正直に言ってどっちでも問題無いんだよね。情報を抜いたら殺せばいいだけでしかないから。


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