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1001・北ガウトレア北部の森




 Side:イリュディナ



 昨夜ノノが新型のショットガンを盗賊から奪ってきたらしい。ミクいわくポンプアクション式のショットガンみたいで、5発装填式みたい。結局のところショットガンなので遠い間合いからは使えないけど、近距離戦ならそれなりには使えそう。


 この国だと熊のモンスターが恐れられているみたいだし、そうなるとやはりショットガンが要るわよねえ。多少の弾を買ってから次の町へと進みましょうか。盗賊はあまりショットシェルを持ってなかったようだし。


 こういう会話は【念話】でするしかないけど、子供達に聞かせるような話ではないからね。それはそうと、私達は第2南町を出て第1南町へ、そこで昼食を食べたら中央町へと向かう。


 ここアロトム王国も地方に王都があるタイプで、中央町は唯の中央ってだけみたい。<ロール&オディオ>の本店も王都にあるらしいので、おそらく中央町だからといって新型のショットガンは売ってないでしょうね。


 それとアロトム王国のある北ガウトレアは中央から南側しか人が住めず、北の多くは森林地帯みたい。その所為で余計にモンスターを減らせないのでしょう。森林地帯に引き篭もられると、人間種側では手を出せないでしょうし。


 そんな中央町だけど、入って宿をとった後にウロウロしていたら目を付けられたわ。チンピラじゃなくて憲兵隊にね。それも鬱陶しい事を言ってくるのではなく、強制依頼の件でよ。まさかここに来てハンター証が重荷になるとは思わなかったわ。


 とはいえここで文句を言っても始まらないし、仕方なく私達はハンター協会に連れて行かれる。ここで揉め事を起こしても鬱陶しいだけだからね。ウェルキスカ王国では善人化の大半が終わってたから良かったけど、アロトム王国は全然終わってないのよ。


 なので迂闊な動きは出来ないし、面倒なのよねえ。仕方ないから諦めるけどさ。



 「皆さんには強制依頼を請けていただくのですが………子供さんを連れているとは思いませんでした。とはいえ軽くする訳にはいきませんし、困りましたね」


 「そもそも強制依頼の中身を知らないんだけど、何をさせようっていうわけ?」


 「強制依頼はハンターであれば全員に請けてもらっています。森の中に潜むガウルベアー。これを一人につき2頭討伐してもらいます。それが達成されればこちらで証明書を発行していますので、それを提示していただければ以降はする必要がありません」


 「一人2頭ねえ。それって確実に自分で狩ってこなくちゃいけないの? 仲間達に任せても数があれば良い?」


 「一人につき2頭ですが大事なのはガウルベアーの数が減る事ですので、数さえあれば問題ありません。何年かに一度、ガウルベアーは異常繁殖するんです。そのガウルベアーが色々な森にエサを求めて散ってしまい、また繁殖するので……」


 「数を減らさないと被害が拡大するって訳ね。それなら強制する理由も分からなくもないわ。流石に被害が拡大すれば四の五の言っていられないもの」


 「ま、子供達はイリュとカルティクに任せて、私とアレッサで熊8頭を終わらせればいいね。そこまで苦労もしないでしょ。新型のショットガンも一丁だけならあるしさ」


 「そうね。さっさと行って終わらせてきましょうか。いちいち面倒な事に時間をとられるのも鬱陶しいしね。それじゃ、さっさと請けて行ましょう」



 受付嬢に手続きをしてもらい、私達は強制依頼での8頭の討伐を請けた。とはいえ実際に狩りに行くのはミクとアレッサだから、私達はゆっくりと子供達と遊んでいましょう。ミクが居る以上は確定で終わるだろうし、それにこっちにノノが残っているしね。


 守りも問題ないから、余裕よ余裕。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 Side:アレッサ



 北ガウトレアの中央町を出たわたし達は、町の外でバイクに乗って一路北の大森林へ。その近くまで行ったらバイクを降り、収納したら森の中へ。しかし森の近くまでハンターが居たから、かなりのハンターが強制依頼で動員されているみたいね。


 中には森の近くで野営している者達も居たわ。まだ寒い時季じゃないからいいけど、寒い時季だったらキャンプのような事なんて出来ないでしょう。モンスターの熊は冬眠するかさえ不明だもの。人間種というエサがあるなら冬眠しない可能性が高いわ。


 ミクと雑談をしつつも進み、気配だけでなく魔力の高い生き物を探す。気配だけだと人間種と誤認するかもしれないけど、この星の人間種は魔力が低いからモンスターとの違いは分かりやすい。


 なので魔力の大きさを見れば大凡おおよそで判別は可能だ。熊系のモンスターに弱いのは少ないし、強いのであれば多くの場合魔力は多い。だからそこまでウロウロせずとも発見は、出来たわね。さっさと倒しに行きましょう。


 ミクが前でタワーシールドを持ち、私が後ろで新型のショットガンを持つ。やってみたけど、確かにポンプアクション式の物だったわ。どうやらようやく開発した会社が現れたようね。わたし達とすれば連射できれば何でもいいのよ。



 「グォォォォォォォォォォ!!!!」



 ミクが進んで行った先には結構な大きさの熊が居た。おそらくコレがガウルベアーでしょ。ミクに対して威嚇するように立ち上がり、その後に体を浴びせようとする。正しくはミクに乗っかろうとしたけど、ミクは当たり前のようにバックステップで退く。


 不発に終わった攻撃にイラ立った熊は、ミクに近付いて右腕を振りかぶる。そして爪で攻撃したものの、ミクが構えるドラゴン素材のタワーシールドはビクともしない。その攻撃が終わる間際にミクの左から前に出たわたしは、熊の頭に向かってショットガンを発砲。


 ガシャコンとして再び発砲。その2発で大ダメージを受けたのか、熊の頭は血だらけになり、格段に動きが鈍くなった。その後は熊の攻撃を避けつつ頭に発砲する事で、無事にガウルベアーを倒す事に成功。そこまで強くない事も判明した。



 「ミクがタワーシールドで隙を作ってくれれば、おそらく楽勝の相手ね。流石に1頭だけじゃ決められないけど、そこまで苦戦するような感じでもないわ。【身体強化】すらしないし」


 「確かにね。とりあえずアレッサの血抜きが終わったら収納するから、さっさとやって先を急ごう。こんなのに無駄な時間を掛けても仕方ない」


 「それはね。わたしも面倒なのは早めに終わらせたいわ」



 という事でさっさと血抜きを終えたらミクがアイテムバッグに入れ、次の熊を探して歩く。それなりのハンターが熊狩りをしているからか、熊の数がそこまで多くないみたい。熊を見つける事に時間が掛かるものの、わたし達は人目が無い事を良い事に【身体強化】をして探す。


 奥に行けば行くほど熊が居る確率は上がり、わたし達は次々と熊を狩っていく。人目が無いなら銃以外で倒しても良いんだけど、それだと傷を見られた時にバレてしまう。だから仕方なく銃で倒してるっていうだけなのよね。


 そして森に入って2時間ほど。ようやく最後の8頭目を倒し、わたしが血抜きをしていく。倒す事よりも探す事の方が苦労をしたわ。こんな面倒臭い事は二度とゴメンよ。そんな愚痴を言いつつ血抜きを終わらせ、ミクに熊を収納してもらう。



 「それじゃ終わったし、とっとと帰ろうか。子供達の夜の世話もあるし、夜に離れているのはちょっと困るんだよね」


 「それはね。イリュとカルティクじゃ夜中の世話は難しいわよ。眠らなくても済むミクじゃなきゃ無理でしょ、あそこまで完璧なのは」



 【身体強化】をしつつ一気に戻っていると、途中で女性の悲鳴が聞こえてきた。顔を見合わせたわたし達は、溜息を吐きつつ急行する。熊か人か知らないけど、面倒な事は止めてよね。


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