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田舎貴族の学園無双~辺境伯子息は常識知らず~  作者: おとら@9シリーズ商業化


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順調に進む

 ……ど、どうしよう?


 てっきり、いつもみたいにほっぺをつねられると思ってた。


 俺の両手はアワアワとし、彼女に抱きしめられるままになる。


「あ、あのー、セリスさん?」


「ふぅ、すっきりしたわ」


 そう言い、ようやく俺から離れる。

 ちなみに、俺はずっとドキドキしっぱなしです。


「それならいいけど……良く頑張ったね」


「ありがとう。ユウマ達も手を出さないでくれて助かったわ。これで、少し自信がついたかも」


「本来の力を発揮すれば、セリスの敵じゃないからね。それじゃ、先に進む?」


「ええ、この感じで行くわよ」


 俺達は再び隊列を組んで、森の中を進んでいく。





 そして、十分くらい経ち……わかりやすくガサガサという音がした。


「今度の奴は速い! すぐにやってくるぞ!」


「わかったわ! 各自、現れ次第対処! カレン! もしもの時は魔法の許可を出すわ!」


「はいっ!」


 俺が何も言うことなく、それぞれきびきびと行動する。

 その姿は、前線で共に戦った兵士達には劣るけど頼り甲斐があった。

 このメンバーだったら、冒険者活動とか出来そうだ。


「来るぞ! ……コボルト達だ! 合計で四体いる!」


「ガウッ!」


「グルルー!」


 ゴブリンとは違い、俊敏な動きで迫ってくる。

 一応、ランク的にはゴブリンより高い。

 さて、敵の動きが早いけど……慣れないセリスには荷が重いかな?


「セリス、どうする?」


「カレン! いける!? 一体を倒して欲しいわ!」


「はいっ! すぅ……聖なる光の矢よ、敵を射貫け——ライトアロー!」


 カレンが光の矢を放ち、それが見事にコボルトの頭に命中する。

 そして、一撃で魔石となった……流石は魔物特攻があると言われる光属性だ。

 逆に、普通の魔獣には効きにくいというリスクもあるけど。

 その場合は、普通の魔法使い……俺みたいのが対応すればいい。


「カレン、ありがとう。それじゃ、あとは各自で一体ずつ!」


「「了解!」」


 俺とレオンが同時に返事をして前に出る。

 そのまま、交差し……敵の首が落ちた。

 居合をした俺は、血をぬぐい鞘に収める。


「ふんっ、こっちも終わったぞ。今度は同時だったか」


「そうみたいだね。そして、今回はセリスもだよ」


 振り返ると、既にコボルトを倒したセリスがいた。

 どうやら、俺が心配するまでもなかったみたい。


「ようやく、身体が動いてきたわ。さあ、どんどん行くわよ」


「おっ、さっきまで弱々しいセリスとは大違……いひゃい」


「ふふ、何か言ったかしら?」


「にゃんでもないです」


 結局、ほっぺを引っ張られることになりましたとさ。





 ◇



 そのまま進んでいき、お昼近くになる。


「ふぅ……少し疲れたわね。二人はともかく、カレンは平気?」


「へ、平気ですっ」


「……私が疲れたから休むとしましょう」


「そうだね、俺もお腹減ったし」


 カレンはまだ少し身体が硬いし、自分が足を引っ張るかと思って強張っている。

 セリスの提案の仕方は、隊長として理にかなっていた。

 うんうん、やっぱり向いてるよね。


「そうなると、休憩する場所が必要になるわ。水辺がいいかしら? 確か、貰った地図に休憩用の川が記されていたし。ユウマが水魔法を使えるとはいえ、それはいつもとは限らないもの」


「うん、それがいいと思う」


「それなら、我の出番だな……水の音……こっちだ」


「それじゃ、編成を変えるわ。レオンを先頭に、私、カレン、ユウマにしましょう」


 それぞれが頷き、レオンの先導に従って歩き出す。

 その動きには迷いはなく、確実に場所がわかっているようだ。


「なるほど、獣人がいると俺は魔法を使わなくてもいいんだ」


「いつもは風の結界?とかを使ってるって言ってたものね」


「その通りです。あれを使わないだけで、だいぶ楽になるよ」


 これは貴重な経験だ。

 冒険者になるとしたら、獣人を一人は入れたいな。

 レオンは王族として来てるから無理かもだけど……アルトならどうかな?

 今度、誘ってみようっと。


「そういえば、ユウマさんの魔力ってどれくらいなんですか? わたしはまだ慣れてないのか、下級魔法を二十回くらい使うと一度枯渇しちゃうんですけど」


「カレンは目覚めたのが最近だから仕方ないよ。俺はどれくらいだろう……試験の時に会長に出した魔法は覚えてる?」


「は、はいっ、あの水の龍ですね」


「あれを三回は撃てると思う」


「へっ? あ、あれって上級魔法ですよね?」


「うん、あれは水魔法の上級魔法だね」


 魔法は下級、中級、上級、王級、神級の五段階ある。

 神級は使える者が少ないので、ほぼ王級が最強クラスの魔法だと言われている。

 大体、中級魔法一回の魔力が下級魔法十回に値する。

 同じように、上級魔法一回は中級の十回に値するということだ。


「そ、そうなると、下級魔法を三百発撃てるってことに……凄いです」


「いやいや、それは小さい頃から鍛錬してたから。カレンも、すぐに出来るようになるよ。魔力を枯渇を繰り返しては回復を待って、さらに枯渇を……」


「ちょっと、無茶を言わないでよ。そんなことしたら死んじゃうわ。そもそも学生で上位に入る会長だって、上級は一回撃てるかどうかだって言ってたし。カレン、この規格外は放って私達は地道に頑張りましょう」


「えへへ、それもそうですねっ」


 あれ? あの鍛錬って常識ちゃなかったの?


 俺はエリスに『皆やってることですから』と言われ、ひたすらその鍛錬をさせられたのに。


 帰ったら文句言ってやる……返り討ちにあうのはわかってるけどね!







 

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