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田舎貴族の学園無双~辺境伯子息は常識知らず~  作者: おとら@9シリーズ商業化


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夕飯

 指定された場所に行くと、カレンとセリスが待っていた。


 既に良い香りがしてくる。


「あっ、来たわね」


「テントは平気ですか?」


「うん、やってきたよ」


「ありがとう。ちょっと、二人とも……」


「えへへ、目線が合わないですね」


 俺とレオンの視線は、近くにある鍋に釘付けだ。


「はは……ごめんごめん。今日はなんだろ?」


「すまぬ、腹が減ってるのだ。ふむ、良い香りだ」


「今日は、前もって冒険者の方々が仕留めてくれたホーンラビットの肉を使ったシチューよ」


「お野菜とかもあって助かりました。明日以降は、メインだけは自分達で用意しないとですけど」


 確か事前の説明では、初日だけは用意されているとか。

 明日の昼以降は自給自足で、自分で獲物を取らないといけない。

 冒険者や兵士になった場合、サバイバル能力は必須だから理には叶ってる。


「なに、我に任せるが良い。獲物を狩るのは得意だ」


「特に聴覚や嗅覚は頼りにしてるよ」


「ああ、任せておけ」


「それじゃあ、ご飯にしましょうか」


「わたし、よそいますね。お二人は、先に席についてください」


 カレンの指示に従い、指定のテーブル席に着く。

 その周りでは同じようにテーブルに座った生徒達がいる。

 みんな腹ペコでそわそわしているのがわかる。


「しかし、貴族だろうと同じようにしているのだな」


「だって、それがメインだろうから。狙いとしては、特別扱いせずに下の者の気持ちをわかったりとか。雑用とかをすることは少ないからね」


「ふむ、そういうことか。確かに、我の一族もしてもらうことが当たり前になっていたかも知れん……それもあって、父上は俺を送り込んだのか」


「そうかもしれないね。俺自身も立場的には上だから、こういう経験は貴重だよ」


「あとは友好を深めるための処置といったところか」


「うんうん、一緒に食事したり作業するのはいいよね。明日からの連携を楽にするって意味でも」


 そんな会話をしていると、セリスとカレンが器を持ってやってくる。

 そして目の前に、湯気が出ている白いシチューが置かれた。


「おおっ……美味そう」


「うむ、これは乳のシチューか?」


「ええ、そうよ。モルズの乳を使ったみたい」


「モルズ……牛型の魔獣か」


 その突進は木を簡単に破壊し、盾を持った兵士をも吹き飛ばす。

 うちの領地でも危険視されている、手強い魔獣の一つだ。


「へぇ、こんなところにいるんだ」


「ううん、ここに来る冒険者がたまたま狩ったみたいよ」


「ほらほら、皆さん食べましょう。夜は冷えますから、熱いうちに」


「そうだね。それじゃあ、いただきます」


 まずは熱々のシチューを口に運ぶ。

 すると、トロッとした重みのあるスープが口いっぱいに広がる。

 肉の旨味が凝縮されて、濃厚な味わいだ。


「うまっ……」


「あったまるな」


「カレン、やったわね」


「えへへ、ですです。実は、ほとんどセリスさんが作ったんですよ。今回、わたしはお手伝いに回りましたし」


「いやー、あのお転婆だったセリスが……魚を庭で焼いて焦がして、一緒に怒られたセリスが」


「お、おい、その辺りにしておけ」


「へっ? なにが……」


 ふと顔を上げると、鬼の形相のセリスさんが。


「ユウマ? 貴方はもう食べなくても良いかしら?」


「いえ! 食べたいです! ごめんなさい!」


「まったく、仕方ないわね」


「いやー、セリスの作った料理は美味しいなー。これなら、毎日でも食べてみたいなー」


「なっ……」


 セリスが口を開けてパクパクしている。

 まずい、棒読みだったから怒られるのかもしれない。


「ほ、本当に美味しいって!」


「セリスさん、絶対に意味がわかってないです」


「わ、わかってるわよ!」


「「……はぁ」」


 何故か、二人がため息をつく。

 そして、レオンが俺の肩に手を置き、コソコソと耳打ちをしてくる。


「お主は、もう少し女の扱いを学んだ方がいい」


「はい? ……レオンはわかるの?」


「こう見えて、故郷には婚約者がいるからな……女とは恐ろしい生き物なのだぞ」


「うん、それはわかる……肝に命じます」


「「なにをコソコソしてるんです?」」


「「なんでもないです!」」


 二人の問いに、俺とレオンはコクコクと頷く。


 ひとまず、男の友情は芽生えたような気がするのだった。









 

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