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田舎貴族の学園無双~辺境伯子息は常識知らず~  作者: おとら@9シリーズ商業化


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交差する思い

 その後、元いた場所に戻ると……そこにはセリスとカイル王子がいた。


 どうやら、一緒に戦いを眺めていたらしい。


「ユウマ、お疲れ様。怪我とかない? 平気なの?」


「うん、平気だよ。こう見えても頑丈ですから」


「ほんとにね、見た目は細いに……どういう仕組みなの?」


「仕組みも何もないよ。要は内側の筋肉を鍛えて、限界まで絞ってるだけだから。あとは、細い道で片足立ちしたりして体幹を鍛えたりね」


 これらはエリスが教えてくれたことだ。

 まだ魔法もなかった時代にあった鍛錬方法らしい。

 それに魔力強化をするにしても、それは元となる身体が丈夫でないと意味がないとか。

 そう言えば、最近の人達は疎かにしてるって嘆いてたっけ。


「そ、そんなことやってたのね」


「セリスもやってみる?」


「えっ? う、うーん、少し考えるわ」


「わかった。気が向いたら言ってね」


 どちらにしろ、このままだと身体が鈍るかもしれないなぁ。

 ちょっと頼んで、設備とか作ってもらえないか頼んでみようっと。

 すると、タイミングを見てカイル様が俺に話しかけてくる。


「……凄い戦いだったな」


「ありがとうございます。いやいや、良い訓練になりました」


「俺は剣と魔法を使って、やっと互角だったというのに……これが父上の言っていた男か」


「父上……国王陛下が何か言ってましたか? 俺、その辺のことはわかってなくて」


「いや、知らないのなら良い。それでは、俺はこれで……セリス殿、返事を待っている。急ぎはしないので、ゆっくり考えてくれ」


「は、はい……わかりました」


 そして、カイル王子が去っていく。


「えっと、なんの話?」


「……ううん、何でもないの。それより、来週末は校外学習があるらしいわ。ちらっと聞いたけど、今週末にはみんなに説明されるみたい」


「校外学習……どういったことやるの?」


 そして、セリスが軽く説明をする。

 なんでも、生徒達を連れて郊外にて野営をするとか。

 今年から導入されたことで、生徒達の危機感や実際の経験を学ばせるらしい。

 個人的には、とってもいいことだとは思う。


「それでクラスの中で、四人一組になってパーティーを組むとか。あと、それは自由に決めていいって」


「四人かぁ……まあ、バランスは悪くないね。戦場でも、四人から六人が良いって言われたし」


「役割分担ってことよね?」


「そうだね。前衛、後衛、中衛とあるし。それぞれの特性に合わせてパーティーを組まないと」


 俺はオールラウンダーではあるから、一つに特化した人がいるといいかな。

 攻撃だったり、回復だったり。


「ユ、ユウマは誰かと組むとかある?」


「ん? いや、今のところは全然。それに組んでくれる人も限られてるし。そういうセリスは? 結構、クラスの人達と話したりしてるもんね」


「私の場合は元々の知り合いが多いから。王都のパーティーやら舞踏会とか出てたし。まあ、確かに組む人には困らないわ」


「うんうん、セリスは人気者だもんね」


 休み時間になると、次々と人が寄ってくるし。

 カイル王子だけでなく、他の男子とかも。

 もちろん、性格もいいから女の子にも人気あるし。

 えっ? 俺? いまだに、誰かが寄ってきたことないです……ぐすん。


「で、でも私は……」


「あっ、でも俺はセリスと組みたいけどね」


「えっ? ……そうなの?」


「だって、放課後も一緒にいないし。休み時間になると、いっぱい人が来るし。俺だって、セリスと一緒に何かしたいかな」


 せっかく、再会したのに中々時間が取れないし。

 あと、セリスのお母さんにも頼まれたしね。


「……それじゃ、私がパーティーを組んであげる!」


「ほんと? でも、いいのかな?」


「なによ、どっちなのよ?」


 その瞬間、俺の防衛本能が働いた……これはまずいと。


「いえ! 是非ともパーティーを組んでください!」


「もう……仕方ないわね!」


 すると、弾けるように笑うのだった。


 これで、一緒にいる時間ができそうだね。








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