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田舎貴族の学園無双~辺境伯子息は常識知らず~  作者: おとら@9シリーズ商業化


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セリスとお話し

 昼休みを終えて教室に戻ると、そこには不機嫌な顔をしたセリスがいた。


 すると、カレンが俺に耳打ちをしてくる。


「ユウマさん、セリスさんに話しかけてくださいね」


「ん? 別にいいけど。ただ、機嫌が悪そうなんだけど……」


「これを治せるのは、ユウマさんしかいません。きっと、お話を聞くだけでいいと思います」


「……わかった、行ってくるよ。もともと、そのつもりではあったしね。今朝から、少し浮かない顔をしてたし」


「えへへ、さすがはユウマさんですっ」


 ある程度覚悟をして、俺は自分の席に戻る。

 そして、恐る恐る話しかけてみることに。


「どうしたの? 何かあった?」


「べ、別になんでもないわ」


「いや、なんでもないって顔じゃないけど?」


「むぅ……だって、私だけ除け者にして……いつの間か女の子に囲まれてるし」


「ごめん、除け者の後が聞こえないや」


「き、聞こえなくていいの」


 除け者……あぁ、俺がカレンと遊んじゃってるからか。

 ふんふん、そりゃ寂しくもなるわな。


「そうだ、この後は実習見学だったね。よかったら、そのあとで剣の打ち合いでもしようか?」


「えっ? 何というか、色気のない会話ね……でも、そっちの方が楽だわ」


「よくわからないけど良いってこと?」


「ふふ、もちろん。さあ、午後の授業も頑張るわよ!」


 先ほどまでの不機嫌は何処へやら、急に元気になった。

 ふと、カレンの方を見ると……ウインクをされる。

 どうやら、これで合っていたみたいだ。





 そして、食後の休憩を挟んで……クラス全員で整備された校庭に出る。

 そこには既に、教官らしき人達が立っていた。

 俺たちが並ぶと、右から順に名前と得意科目を話していく。

 一通り説明したあと、少し自由時間となる。


「ユウマ、何か気になるのあったかしら?」


「うーん、気になったのは、やっぱり剣と風と水かなぁ。武器の扱いは繊細だから、下手に他のを覚えるとクセがついちゃうし。それに他の武器の戦い方はある程度知ってるしね」


「それじゃあ、剣を二個入れるとか?」


「うーん、それだとおもしくないから……火属性でも学ぶかな」


 ミレーユさんの魔法の腕は確かだった。

 あの人が生徒でいるってことは、それより強い人がいるってことだ。


「ふーん、そうなんだ」


「セリスは何を取るの? 魔法を多め? それとも剣一本とか?」


「私は剣と短剣かしら。あとは土魔法ね。もう一つはどうしようかなって」


「そういえば、セリスは一属性なの?」


「あのね……そもそも、魔法を二属性使えるのが珍しいわ」


「……そうなの?」


「そ、そこからなの? あまりに常識すぎて、誰も説明しないわよ。生まれつき使える属性は決まっていて、必ず一個は持っているわ。例えば私なら土とか、カレンなら光とかね。ダブルとかは、千人に一人とか言われてる」


 ……そうだったのか。

 エリスは三つ使えたし、前線にいる強者には二属性使える人もいた。

 だから特には疑問に思ってなかったけど。

 全体で見たら、珍しいってくらいかな。


「まあ、それなら別に驚くほど珍しいわけじゃないね」


「い、いや、十分に珍しいんだけど……大体が宮廷魔導師とか、賢者って呼ばれる人になるくらいだし」


「……そんな人がいるんだ」


 賢者か……きっと賢くて大人で落ち着いた人なんだろう。

 いつか、そんな人に会ってみたいね。


「はぁ……ほんと、常識知らずね」


「いや、面目無い」


「ふふ、仕方ないから私が色々と教えてあげるわ」


「いやー、助かるよ。ほんと、セリスがいてくれてよかった」


「べ、別にこれくらい……これでユウマとの時間とれるかな?」


 家を出てから、セリスには世話になってばかりだ。

 俺にできることで、何かお礼をしたいところだね。


「セリス、何か俺にできることがあったら言ってね。何処にいようと、きっと助けに行くから」


「きゅ、急にどうしたのよ?」


「いや、言ってみただけ。セリスって、昔から意地っ張りなところあったから」


「もう! 悪かったわね!」


「あひゃ……ほっぺを引っ張らないでぇ」


「ふふ、変な顔……でも、ありがとう。その時は、頼りにさせてもらうわ」


 そう言い、すっきりした笑顔を見せる。


 浮かない顔をしてたから、こっちも嬉しくなる。


 やっぱり、女の子には笑顔が一番似合うよね。








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