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田舎貴族の学園無双~辺境伯子息は常識知らず~  作者: おとら@9シリーズ商業化


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18/59

放課後

 そして授業が終わり、短縮授業なので今日はこれで終わりになる。


「はい、お疲れ様でした。 今日はこれで終わりとなります。明日以降は午前中は基礎知識、午後からは選択科目の見学となります。そして休みの間に考えて、週明けに提出をしてもらいます……暫定ですが、カイン君をクラスの委員長にしても良いですか? 帰りの挨拶をお願いしたいのです」


「ええ、構いません。王族である俺が相応しいでしょう。このまま委員長としてやりますよ」


「ありがとうございます。それじゃあ、お願いします」


「では、起立……礼!」


「はい! お疲れ様でしたー! また明日からよろしくお願いします!」


 どうやら、こういう感じでやるらしい。

 俺は経験がないので、よくわからないけど。

 すると、その委員長……第二王子のカイン様が近づいてくる。

 第二王子ではあるけど、王位を継ぐ可能性もある方だ。

 うちの国は学校を卒業してから、国王陛下が正式に王太子を任命をするとかしないとか。

 第二王子が卒業したあと、二個上の第一王子のどちらかが選ばれるのだろう。


「セリス殿、久しぶりだな」


「これはカイン様、ご挨拶が遅れて申し訳ありません」


「いや、短い休み時間では仕方あるまい。まさか、このような素敵なレディになっているとはな。会うのは二年ぶりくらいだから、一瞬気づかなかったぞ」


「ふふ、ありがとうございます。カイン様も、ますます素敵な殿方になりましたわ」


「世辞とはいえ、それは嬉しい言葉だな」


 ……おおっ、セリスがきちんとお嬢様をやってる。

 こうしてみると、本当に侯爵家令嬢なんだね。

 二人が並んで立ってると、何も違和感ないし。

 家柄的にも問題ないし。


「そんなことありませんわ。カイル様、こちらの二人を紹介させてください。カレン-エルランさんとユウマ-バルムンク殿ですわ」


「うむ……エルラン伯爵家が引き取ったという女性か」


「はい、カレン-エルランと申します。はじめまして、カイル様」


「君も養子とはいえ、貴族になったからにはしっかりしたまえ。そして、ユウマ殿か」


「はい、よろしくお願いいたします。先程は、失礼いたしました」


「いや、あれはあれで助かった部分はあるからよい」


 なんだ? 何やら睨まれてるような……。

 もしかして、さっきの仲裁が良くなかったかな?

 でも、助かったと言ってる言葉には嘘は感じない。


「まあ、良い。ところで、セリス殿。このあと、時間はあるだろうか?」


「えっ? この後でしょうか?」


「何か用事でもあっただろうか?」


「い、いえ、そういうわけではないのですが……」


 その時、ちらっとセリスから視線を向けられる。

 ……どういう意味だろう?


「ならば良いだろう」


「……はい、畏まりました」


「それでは、行くとしよう」


 そうして、セリスを連れてカイル様が教室から出て行く。

 最後に、セリスが俺の顔をちらっと見たような気がした。

 すると、カレンさんが俺の服の端を掴む。


「あの、良いんですか?」


「ん? どういう意味?」


「いや、セリスさんを行かせても……」


「いや、相手は王子様だし問題ないと思うけど。というか、嫌だったのかな?」


 見た限り、別に嫌って感じではなかった。

 戸惑ってはいたけど思うけど。

 そもそも侯爵令嬢ともなれば、第二王子の相手としては不足なしだ。

 俺に止める権利もないしね……無論、セリスを泣かせるなら承知しない。


「そういうんじゃなくて……もう、仕方ないですね」


「……もしかして責められてる?」


「い、いえ、そんなつもりはないです! それより、ユウマさんは午後はどうするんですか?」


「いや、特には用事ないかな。清々、街を散策するかなくらい」


「それじゃあ、わたしに付き合ってくれますか? 実はお願いがあって……その……」


 何やら言い辛そうにしている。

 優しい子なので、俺に迷惑をかけたくないのかも。

 できれば、そんな顔は見たくないよね。


「うん、良いよ」


「えっ? まだ何も言ってないのに……」


「よくわからないけど、俺にできることがあるんでしょ? だったら付き合うよ」


「ユウマさん……ありがとうございますっ!」


「いえいえ。それじゃ、行こうか」


 いつの間にか、教室には俺たち以外いなくなってる。


 俺は結局、新しい人と話せないまま学校を出るのだった。

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