Aクラス
友達ができたことで少し不安が無くなった俺は、軽い足取りで指定の教室に向かう。
ちなみに残念なことに、アルトはBクラスなので別々ということだ。
ということは、Aクラスで新しく男友達を作らねば。
そして教室の扉を開けて、中に入ると……見知った顔と目が合う。
「あっ! ユウマさん!」
「ユウマ!」
「おはよう、二人共」
そこにはセリスとカレンがいた。
その他にもちらほらいて、ほとんどの生徒が揃ってる感じだ。
黒板を見ると、そこには机が描かれていて名前が横に書いてある。
席は五人ずつ四列に分かれており、俺は名札のある後ろの席の端っこに行く。
どうやら、横がカレンで前の席がセリスらしい。
「えへへ、同じクラスですね! しかも、席も近いですし」
「まあ、私がAクラスの時点で、貴方がいるのは当然よね」
「ところで、これってどういう基準なの?」
「もう、そんなことも知らないのね。Aが一番上のクラスで、そこからB,Cと下のクラスになってるのよ。昨日の試験で振り分けがされていて、今後の試験の結果では入れ替わりもあるとか。あとはAクラスには色々な特典もあるわ。上位者は学費免除とか、何か希望があれば叶うとか」
「ああ、そういうことなんだ」
その辺は実力主義って感じか。
昨日は適性試験というか、お試しな面も強かったってことかな。
すると、遅れて生徒達が入ってきて、同時にスーツを着た小さな女性が入ってくる。
「みなさーん! 揃ってますかね? とりあえず、名札がある席についてくださいねー!」
「えっ? もしかして先生?」
「むぅ……小さいけど先生は大人の女性ですからね!」
「もしかして、エルフ族ですか?」
「ち、違いますよぉ〜! 先生は人族で、年齢は二十五歳ですっ!」
その言葉に、皆の顔が驚愕に染まる。
身長は百五十程度、体型やスタイルも幼く、俺達より少し下に見える。
どう見ても、先生には見えなかった。
とりあえず全員が席に着き、先生らしき人が教壇に立つ。
「はい! 皆さん、おはようございます! 私がAクラス担当のノルン-セルリアンです! 早速ですが、前の人から順に簡単に自己紹介をしてください! そこの君からお願いします!」
そして、順番に自己紹介が進んでいく。
クラスの人数は男子と女子が十人ずつで、色々な種族や身分の人がいるみたいだ。
それこそ王族とか侯爵家とか、獣人の男の子もいる。
さっき他の教室を見たけど、女性の獣人とかもいるみたいだ。
ただ、ほとんどは人族が占めている。
「へぇ、色々な人がいるんだね。一度には覚えられないかも」
「そうね、私はわかるけどユウマには難しそう」
「わ、わたしも少し自信ないです」
「じゃあ、二人には私から後で説明するわ」
そして前の席であるカレンが終わり、一番後ろの席にいる俺の番になる。
すると視線が集まってきて、緊張してきた。
そういや……俺ってば、こういう経験少ないや。
「はい、次は君ですね! えっと、ユウマ-バルムンク……バルムンク家の御子息ですか!」
「はい? うちを知っているのですか?」
「そりゃ、知ってますよ! 世界を救った英雄の子孫にて、幾度となく戦争を止めた家ですから! といっても、私も先生になってから知ったんですけどね。はぁー、来るとは聞いてましたけど」
そういや、あんまり自覚はないけど、うちはそういう家柄だった。
大昔、世界を滅ぼそうとした魔王がいたらしい。
聖剣バルムンクを持った初代は、魔王を倒した英雄の一人だとか。
その功績を買われ、国境の守りである領地を授かったと父上からは聞いたことがある。
「あれがバルムンク家の御子息か」
「はっ、ただの田舎貴族だろ」
「そうそう、所詮は昔の栄光さ」
「あいつも大したことなさそうだ」
そんな声が、あちこちから聞こえてくる。
別にそれ自身を否定するつもりはない。
誇りには思っているけど、俺自身が成したことではないから。
「はい、静かに。確かに王都から離れてますけど、バルムンク伯爵家は代々敵国から国を守ってきた家柄ですよ」
「えっと……自己紹介は?」
「あっ、そうでした! ……いりますかね?」
「はは……一応、しておきます。ユウマ-バルムンクと申します。田舎者なので色々とわからないことが多いですが、宜しかったら仲良くしてください」
そしてクラスから、まばらな拍手が起こった。
そして、何人かが睨みつけてきたり。
平穏に過ごしたい……はぁ、面倒なことにならないといいけど。




