表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

あるタクシーのこと

 不定期で尚且つ文章を起こすというのに難しさを覚えました。大事なのはいきおいっ!ってやって1話をあげた自分にちょっと相談したく…

 そろそろ地の文とかやらないと…

 オレはしがない個人タクシーの運転手だ。ありきたりだかまさにその通りでしかない。

 桜で有名な淵と桜の観測木がある神社あたりでよく仕事をしていた。仮眠するのもあの辺りだ。


 6月に入ったあたりにオレはサラリーマン風の男を乗せた。なんてことはない。ごくごく近所を回ったくらいだ。客はその時コルクのような物を忘れていった。捨てるのも気が引けたので取っておくことにした。

 次の週に白い服を着た男を乗せた。男は野球のドームがあるあたりまで行った。よく喋る客で◯蔵門や歴史の由緒あるものはやけに詳しかった。どうやらこのあたりで仕事をしているらしかった。


 …また忘れ物をしていった…今度は白い小刀のようなもので、こんなの銃刀法違反とかにならないかとヒヤヒヤした。それにこういう危険な物には首を突っ込みたくはなかった。また乗ることもあるかと思うので取っておいてある。


 そのあたりから変な客が増えていった。有名な首塚に行く客やホラー映画で有名な神社や「!」の標識で有名な霊園などなにしにいくんだ?って思ったさ。極めつけはしゃべる猫も乗せたさ。乗せたあとはタコやイカをしばらく控えろって言われてね。

あ、お金はちゃんと払っていったよ。ついでに白い紙ももらったな、チップだとさ。


 で、この辺りからオレは自分の名前があやふやになってきていた。帰る場所さえわからなくなっていった。だから淵のあたりで転々と客を乗せて送り届けていった。その都度なにかを忘れていったり、置いていったりしていった。不思議と不安はなかったな…なにせ食欲も睡眠もいらなくなってきていたからなぁ。ガソリンも減らないから大体客をひろってたよ。


 どれくらいたった頃かサラリーマン風の男が乗ってきた。行き先を言う前に忘れ物をしなかったかと聞いてきた。そんなに重要な物かね?とは思ったさ。まぁ取っておいてあるけど…

 どうやらうっかり忘れてしまって偉いことになったらしい。で、オレを探そうにも仕事が忙しくてそれどころじゃなくなったとか。そうこうしているうちにとんでもない話になってきて上司に呼び出されてお叱りを受けたと…

 聞くところによるとどんな客でも乗せるタクシーがいる。客が生きていようが死んでいようが浄も不浄も問わず送り届けるタクシーがいる。客が神でも鬼でも乗せるタクシーがいる…ふーん。ってオレのことなんだろうな。前にそれっぽいのを乗せたし…

 若い男がなんでも治るみかんみたいなものを手に入れたからムニャムニャ(聞き取れなかった)ヒラサカまでって言うから連れて行ってやってそこにいた若い女を直して乗せて帰ってきたらお礼にヨモツヘグイってお土産ももらったよ。食ってないけど。あいつら車の中でイチャイチャしすぎてたな。ひさしぶりに会うらしいからとめなかったけど。


 …でだ。オレの話になるんだが、どうやらオレは半分人で半分人ではないらしい。ある意味聖人ではあるらしいけどカルマの関係でそうではないとか…寿命もなく子供も持てない変わりに使徒として仲間は増やせると。あのコルクが他の世界の御神木でこっちで言うところだとオレの車は神社のようなものに当たったと。


 次に乗せた客が護神刀として白木の小刀を置いていったから力が付いてしまってオレの名前は忌み名になってしまった。その後乗った猫が置いていった白紙に「てんえん」と平仮名で書いてあり、その名がオレの神格になってしまった。【ラクーンタクシー】、オレの仕事なんだが移動式神社に認定されたと。


 ミスがあったとはいえ、こんなことになってしまってもうしわけないと。希望があれば答えるなんて言われてもなー。今まで通りにも戻せるし何なら宝くじだって当てられるしと…

 色々と提案されてもぱっとこなくてなやんださ…好みの異性を嫁とか皆大好きチカラパワーとか…で、オレはこの仕事を続けたいと思ったわけよ。客が望めばどこへでもすぐにいける、タクシー冥利に尽きる能力を…

 それならと提案されたのが美座とインティの運転手ってわけだ。まぁお嬢ちゃんたちにはオレの能力は関係ないが…乗せる客には必要だからなぁ。

 それと他の客も乗せてあちこちに行ったりとまぁそれなりに充実した毎日を送っているよ。


 美座のところ【ハカモリ】は通称の呼び方だけど全体を通して言うなら【眠りの森】。インティの淹れたコーヒーが旨くてちょくちょく立ち寄るようにしてる。ああ、この前乗せた松乃も元気にやってるよ。マンガ持ってくと喜ぶし、茶菓子の腕も上がってきたから地味に楽しみなんだ。…なにせこの体になってからは眠れるのはここだけだ。お前もそうだろ?観測者のみくずさん。


 さて、明日はどんな客が乗ってくるかね。

 ほぼ説明回みたいになってしまった…ラクーンタクシーは元ネタがウィザードリィのオウルタクシーなんですが、そのままは使うのもはばかれるので、ラクーンタクシー。たぬきです。

 観測者のみくずは九尾の狐のやつで、そのうち犬が出てきます。

 これでコックリさん【狐狗狸】といえば10円玉…彼の名前はてんえん。英語読みで十円が由来です。あ、白い服を着た人やしゃべる猫はストーリーには関係ないですが、土地柄には元ネタはあります。参拝したあとタコとかイカを食べてはいけない神社はペットの健康祈願に訪れる方がいますよー。

 ここまで読んでいただけた方々に最高のありがとうを。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ