ある家のこと
おお…!2話目…!こうやって投稿するのも少し楽しいかもしれない。
読んでいただけていたらもっと楽しいかもしれない…!(まぁ文章には自信ないですけど!)ありがたいことです。
オレは、何なんだろうな?ヒトが住んでて…ああ「家」ってやつか。
最初の人に建てられてそりゃあもうにこにこと不安の入り混じった顔してオレを見上げていたよ。
とりわけオレの真ん中あたりにある柱を自慢してたなぁ、なんでも有名な木を使ったやつとかで。家族も四人いてさ、幸せそうにしていたよ。なぁオレの壁に゙落書きなんかするんじゃねぇ。
一番大きい男は疲れた顔しててもオレを見るとほっとして玄関を開けてたよ。その次に背の高い女はオレをキレイにしてくれてたな。それよりかは小さい女は机に向かって本を見ながら書いたり友達呼んでわいわいやってたよ。
一番小さな男は毎日夕方くらいまで外で遊んでたっけ。
そんな家族でも晩御飯は一緒に食べて夜は必ずお休みって言ってたなぁ。遅くなってもお休みは言ってたよ。
それで小さい男が大きい男を超えるくらい高くなったときに女を一人連れてきてその後すぐにオレから出ていった。小さい女も大きくなって出ていったよ。だんだんオレの汚れも目立ってきて大きかった男と女は小さくなってきたさ。でも柱をみるといい顔をするんだわ。
ときどき出ていった女が小さな子供を連れて話をして帰ったり、高そうな乗り物に乗って出ていった男が遊びに来たり。楽しそうに笑っていつものように一緒に晩御飯食べて必ずお休みを言って寝て…
あれこれやってるうちにオレのなかを白と黒の布で覆って小さくなった女の写真を飾ってた。花がキレイに飾られていつものあの笑顔でみんなを見ていた。他の奴らは泣いていたよ。そこからあまり経たずにまた、白と黒の布でオレは飾られた。
柱を見てくるあの笑顔で。
その後は誰も住まなくなった。家にあったものは出ていった男と女が泣きながら片付けてオレのなかは空っぽになってたよ。誰かが忘れていった時計だけがカチカチと音を出すくらいで静かになった。
どれだけ過ぎても誰も来ない日を過ごしてオレも斜めに傾いてきたときのことだ。サラリーマン風の男が来て何がしたいと聞かれたよ。いや、人がオレと話せるとはおもってなかったさ。何がしたいか…?オレはもう一度あの笑顔たちがみたいに決まってる。
サラリーマン風の男はどこかに連絡すると近日中に迎えがくると…そう言って帰っていった。
遠くからザリザリと引き摺る音がする。ああ、迎えってのは嬢ちゃんのことかい?
「私は今回なにもできない。墓守は墓を暴けない。」
「オレは柱をとりにきたンだ。用があるのは柱だけ。他は食わせてもらうぜ。」
おいおい、オレはどうなってもいいが、柱だけは勘弁しろよ。家にだって抵抗できる方法があるんだぜ?
「それはやめておいたほうがいい。悪霊になれば行き着く先はひとつしかない。今回はバルちゃんをよんでおいた。」
「…バルちゃんなどとふざけた呼び方をしおってからに…。よいか、家よ。お前の忠義に報いたい。褒美として連れて参った。」
その顔は…?おお!あいつじゃないか!しかも初めてオレを見上げた時と違ってにこにことしやがって…帰ってきたのか?
「お前もオレの子供だったんだな。さぁ皆もお前を待ってるよ。」
…ああ、お休みはみんな必ず言っていたもんな…オレも早く会いたいな…それじゃあなっ!観測者。
「ふむ、築120年とは偉く丈夫な家よ。それを守った彼の者もまこと勇者というわけか…なればこの世にはまだ勇者が点在しておるようじゃな。」
「守ったもンは家だけじゃない。奴は大事にしていたろ?柱も挨拶も。自分の子供にさえ、自分の家を大事にしろと住まわせなかったンだからなぁ。」
初登場の「バルちゃん」はヴァルハラにいるヴァルキリーですよ〜。英雄や勇者の魂を連れて来られる設定に゙なってます。(許可は必要)
しかしサラリーマン風の男は何者…?ぼんやりした設定はあっても名前すらないです。