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君のための異世界放浪記〜奴隷猫耳少女は旅人に連れられ旅路を歩む〜  作者: みかん太郎
第1期 第5章 ティルシ王国編①
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第53話 陰で暗躍する者

 昼食を終えたベルクたちは、再び戦い方を教える。


「まずアキは攻撃に集中しすぎだな。次の行動を常に考えながら動かなきゃ。あと、ウミは斬撃の軌道がブレすぎだな。腰をいれて斧を振ったほうがいいかもしれない」


 ベルクの的確なアドバイスに、アキとウミは頷く。


「まあ、頭で考えてもしょうがないし、実戦あるのみだ」


 その言葉を聞き、2人は武器を思い切り振るう。

それをベルクは木刀で難なく防ぐ。


「ベルクって強いよな」


「私たちも攻撃当てられたことないもんね」


「でも、強いほうが学べることが多いだろ?」


 戦いながら、ベルクがそう言った。

 

 ポコッ。ポコッ。


 ベルクが2人の頭を木刀で軽く叩いた。

 2人は膝をついて息を整える。


「はぁはぁ、強え......」


「僕もう限界......」


「今日はそろそろ終わろうか」


 そう言ってベルクは荷物を片付け始める。


「全然歯が立たなかったよ」


「俺はもう16、7年刀を握ってるんだ。17、8歳くらいの子に負けたら寝込んじゃうよ」


 ベルクはアキとウミに手を振りながら、レナとオーギを連れて帰った。


***


「は?」


 キレ気味のベルクが、昨日の受付嬢にそう言った。


「すみません。こちらでも探してきますので......」


 遅刻ならいいが......。でも多分これ来ないやつだろ。


 嫌味な男、オッドが予定時間から1時間ほど過ぎても現れないのだった。


「まずあんな男が、駆け出し冒険者に教えられるわけないだろ......」


「ですが、そこそこの腕前で――」


「あー、わかったわかった」


 受付嬢の話を遮り、ベルクは訓練場へと急ぐ。こんなくだらない話で、みんなの時間を奪いたくなかったからだ。


「みんなごめん。始めるの遅れちゃって」


「早く始めようぜー」


 早く始めたくてウズウズしている様子のウミが、背中の大斧を手に持つ。


「ウミちょっと待ってて。今日オッドが来られないらしいから、この子の......名前まだ聞いてなかったね」


「私はメルだよ」


 自己紹介をする少女は黒髪短髪で、駆け出し冒険者......。


『18歳だよ。それと、私と同じ黒髪で多分短髪だと思う』


 そのコルの言葉を思い出す。


「君はコルの――」


 そう言いかけた瞬間、メルが逃げ出そうとする。ベルクが咄嗟にメルの手を掴む。


「せ、セクハラだー!昨日のオッドとか言う男といい貴方といいベタベタ私の体を触るなー!」


「ちょっと落ち着いて。コルには元気そうにやってるってことだけ伝えるから」


「そ、そうなの?」


「ああ、言わない言わない。だから大人しくしといてくれ。よし、始めるか。まずアキとウミは2人で模擬戦を。メルは、力量を見たいから俺と模擬戦だな」


 メルは鞘から刀を取り出した。


「いい刀だな」


「そうでしょ。ベルクさんは木刀でいいの?」


「怪我させちゃ悪いし、これでいいよ」


「私のこと舐めてるな!すぐに後悔させてやるー!」


 ベルクはいつも通り攻撃を避け、武器を弾いた。そして、木刀を軽く頭に置く。


「申し訳ないけど、素振りからかな」


「......」


「ま、まあ、まだ最初だし......。頑張ろうか」


 直して欲しいところを軽く説明し、手本を見せた後、アキとウミに声をかける。


「アキ、ウミ、今日は魔物と戦う練習をしよう」


「魔物って、一体どうするんですか?」


 アキがそう聞くと、ベルクが魔法を唱えた。


「精霊のサラマンダーだ」


「アキ、やるぞ!」


「うん。頑張ろう」


 2体のサラマンダーと戦う2人を見ていると、かなり良い動きをしており、ある程度の魔物は倒せるレベルになっていた。

 一方でメルの方も刀の振り方が様になってきたようだった。


「メル!良い感じだから、少し戦ってみようか」


「ほんと!?やっぱり私才能あるかも......」


「そういうのは勝ってから言うもんだろ」


 とは言ったものの、メルには実際才能があった。刀を交えるごとに、その切先の速度は増していった。


 特訓を始めてから4時間が経ったころ。


「そろそろ終わるか。明日はみんなで森にはいるから、早めに休んだほうがいい」

 

 その日は、オッドが来ないまま終わった。


***


「あんたらはもう外部の人間には頼らないんじゃなかったのか?」


 教会を模した地下室。壁に刻まれた逆五芒星が不気味さを増すその部屋に、小太りの男が司祭の女と話していた。


「確かにカルロス様がお亡くなりになり司教が変わってから、古くからのしきたりを大切するようになりました。そう簡単に悪魔を召喚できなくなり、生贄を選ぶ基準には、負のオーラの大きさを1番大切にしたりしています」


「生贄どうこうはどうでもいいが、しきたりを大切にしてるんなら、外部の人間が入る余地はないんじゃねえの?」


「ええ、ですから私個人の勝手な判断です。ですから口外するのは......」


「ふーん。どーしよっかなー」


 小太りの男は指を擦り合わせ、金を要求する。


「はぁ、2割マシで払いますよ。それより、あなたもシアとか言う犯罪者の専属の殺し屋なんかやっちゃって、彼女にべったりだったんじゃないんですか?」


「もともと羽振りがいいからついて行ってただけだ。てか、なんであんたが知ってんだ。キモ!」


「その女、カルロス様と強力関係にあったので、カルロス様のお屋敷であなたのことを見聞きしました。それで今回、依頼をさせていただきました」


「おいおいあんた、あんま殺し屋にそんなことしちゃあ老衰以外の死因で死んじまうぞー」


「あら、私を殺せる殺し屋がいるとでも?」


「どうせなら可愛げのある女と話したかったわ」


「まあいいわ。早く生贄を持ってきなさい。えーっと......今は、オッドだったかしら?」


「さっさと出てけばいいんだろ?はぁ、殺し以外の依頼はどうもめんどくせえ。あ、生贄の周りの人間をどうしようが文句はないか?」


「好きにしてください。それと、信者2人があなたに協力するから、うまく使ってください」

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