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君のための異世界放浪記〜奴隷猫耳少女は旅人に連れられ旅路を歩む〜  作者: みかん太郎
第1期 第4章 シーフ王国編②
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第42話 みんなで特訓

 朝ごはんを終えて帰ってきたオーギとレナはベルクに何かをお願いしていた。


「ねぇ行きたいー!」


「そうだー!連れてけー!」


「うーん。でも危ないし......」


 ベルクは2人に腕をひっぱられていた。

 

 1時間ほど前、アーシュとラニアが一緒にドラゴン狩りに行かないかと誘いに来て、それを聞いた2人が私たちも行きたいと言ってくるのだ。


「あーもうわかったよ」


 ベルクはため息をつきながらそう言った。


「まじ?やったー!」


「ベルクありがと!」


 抱きついてくる2人にベルクは付け加える。


「ただし、俺が2人を鍛える」


 ベルクはドラゴン狩りは1週間後とアーシュが言っていたので、それまでに2人が怪我をしないように鍛えようと思ったのだった。


「じゃあまず武器でも選ぶか」

 

 はしゃぐ2人を連れて武器屋に行く。

 

「まず、自分に合う重さを選ぶんだ。片手で振れるくらいがちょうどいいと思う」


 そう言うと、レナが自分の身長ほどの戦鎚を持ってきた。


「話聞いてたか?」


「聞いてたよ!ほら見て」


 巨大な戦鎚を片手で振り始めるレナ。


「......?」


 固まるベルク。

 

 そういえば亜人は力が強いって聞いたことがあるような......。

 

「ま、まあいいんじゃないかな......ははは......」


 レナが喜んで戦鎚を持ってとぶ。

 柄が黒いその戦鎚は先端の銀色のつちがとても大きく、振り下ろされたらひとたまりもなさそうだとベルクは思った。


「これよくない?」


 今度はオーギがベルクの身長ほどのバスターソードを持ってくる。


「それはいくらなんでも重すぎるぞ」

 

 オーギは剣を持ち上げるが、手がプルプル震えていて両手で構えるのがやっとだった。


「はあはあ、も、持てた......」


「振れないだろ。このショートソードとかにしたら?」


「わかった......」


 意外にも聞き分けのいいオーギは渋々ショートソードを取る。そのショートソードはベルクが勧めるだけあって、無駄な装飾もなく鋭い刃が使いやすさを物語っていた。

 ベルクはオーギにショートソードとは別に投げナイフをいくつか買った。

 

 3人は武器を持って、王都の外へと出た。


「猶予は1週間しかない。だから、身を守る方法を中心に教えるからな」


 ベルクが長めの木の棒を拾いながらそう言う。


「なにするの?」


 レナがそう聞くと、ベルクはブンと音を鳴らしながら棒を振って答えた。


「俺に思いっきり攻撃してこい。俺に攻撃が当てられたらドラゴン狩りに連れて行ってやるよ。その代わり、俺の持つ棒が体に3回当たったら負けだぞ」


 そう言ってベルクは、木の棒を振り上げ近づいてくる。そのベルクに振り下ろされた戦鎚は空を切り、その瞬間に尻に衝撃が走る。


「ひゃっ。なんで当たらないの!?」


「武器で攻撃した後の隙が大きすぎる。常に攻撃の後のことを考えるんだ。ほらオーギもかかってこい」


「怪我しても知らないぞ!」


 オーギはそう言い放ち、デタラメに剣を振り回す。ベルクはその剣を避け、オーギの手元を叩く。


「いてっ!つ、強っ!」


「デタラメに振り回すな。相手の攻撃が出る瞬間を捉えるか、目なり首なり急所を狙うんだ」


 その後もベルクの特訓は続く。

 5セットが終わった頃、2人はもうへとへとだった。


「疲れたよー」


「ベルクお尻ばっか狙い過ぎ」


「そこが1番痛くないだろ?それに後ろに注意しなさ過ぎだ」


 地面に寝転がる2人は、いまだに真上にある太陽を見つめ、全然時間が経っていないことに気づく。


「次は魔法の使い方だな」


「なんか楽そう!」


 オーギの顔が少し明るくなる。


「確かにさっきよりは楽かもな」


「レナつかえないよ?」


 レナは心配そうな声でそう言う。


「じゃあ素振りしようか」


「やだぁぁ」


「うーん、でも魔法が使えるようになる方法なんてわからないしな。迷信めいたやつなら何個か知ってるが......」


「それやる!」


「痛いぞ」


「が、我慢するよ」


 そう言ったレナをベルクは立たせる。そこから5メートルほどのところにベルクは行き、レナに向かって手を伸ばした。


「絶対動くなよ。【火精霊魔法夜明けの光芒(サンライト・ビフォーダウン)】」


 レナの髪を掠める炎。あまりの速さに反応できず、恐怖を感じる。


「ひ、ひええ」


「命の危機を感じれば使えるって言われたことがあったんだが、どうだ?使えそうか?」


「な、なんか使えそう......」


「まじかよ......迷信かと思ってた。どんな魔法だ?」


 誇らしげな表情で魔法を唱え始めた。


「見てて!【水魔法 銀の水飛沫(シルバー・スプラッシュ)】」


 レナの持つ戦鎚が水を纏い、それを地面に振り下ろすと戦鎚の先に水が集まり鋭くなる。それは地面を大きく抉った。


「うう、疲れたよー」


 レナフラフラと歩き、ベルクに寄りかかる。


「すげえ!」


 オーギがレナにそう言う。


「へへ、レナすごいでしょ」


「戦い向きの魔法だな」


 レナを木陰に寝かせて、次はオーギの魔法を見る。


「オーギはいくつ魔法が使えるんだ?」


「3つ......いや2つ。3つ目は消費魔力が多過ぎて使えたことがない」


「わかった。妄想癖の独創的創造(オリジナル・クリエーション)を上手く使えるようにしよう」


 ベルクはオーギに投げナイフを1つ渡す。


「どうするんだ?」


「死角からの攻撃をできるようにする」


 そう言った後、ベルクはオーギに何かを説明する。そしてベルクはオーギから少し離れた。


「行くよ!【生命創造魔法妄想癖の独創的創造(オリジナル・クリエーション)】」


 持っていたナイフが動き出し、手足が生える。それをオーギはベルクに向かって投げた。だが、そのナイフはベルクの横を通り、ベルクには当たらない。

 横を通り抜けたナイフはベルクの背後の木にあたり、180度回転してベルクの背後に飛ぶ。それをベルクが避けて行った。


「うまいぞオーギ!」


 ナイフはベルクの背後で、足で自分を弾き、とぶ方向を変えたのだった。


「やったぜ!」


 そんな感じの特訓を1週間続け、ドラゴン狩りの日になった。




【魔法解説】


銀の水飛沫(シルバー・スプラッシュ)

レナの持つ戦鎚に水を纏わせる魔法。

攻撃範囲、攻撃力共に上昇させる。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

本日から投稿日を、月、水、金、土、日曜日の12時にします。


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