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君のための異世界放浪記〜奴隷猫耳少女は旅人に連れられ旅路を歩む〜  作者: みかん太郎
第1期 第1章 ハイドニア帝国編①
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第4話 市場に行こう

「よぉ、ベルクすまなかったな、俺が油断したばかりに......」


 オスカルの声が聞こえてくる。


「嬢ちゃんが心配してたから構ってやんな。俺はギルドマスターにお前が目覚めたこと伝えてくるわー」


 ゆっくりと立ち上がり扉の方へ歩いていく。

 足の包帯が痛々しい。

 何か下半身の方に温もりを感じる。

 布団をめくるとレナが、俺に抱きつきスヤスヤと寝息を立てている。


「心配してくれたんだな、ありがと」


 そう言ってレナの頭を撫でる。

 

「大丈夫か、ベルク」


 扉から飛び込んできたヴァレリアが心配そうに話しかけてきた。


「多分大丈夫だ」


 痛い頭を持ち上げ、体の動きを確認しながら話す。


「君は半日ほど眠っていたんだ。その間に大体のことは片付いたよ」


「奴は、冒険者狩りはどうなったんだ」


「今取り調べしているところさ。今聞く限り酷い幼少期を過ごしてきたようだよ。唯一の家族の兄が殺されてから事件を起こし始めたらしい。まぁ、罪を犯したのには変わりないが......」


「気の毒だな......」


 ギルドの治療棟で簡単な検査を終え、ギルドを後にする。

 少し西に傾いた太陽は、昼時を過ぎたことを告げていた。

 

「お腹空かなかったか?」

 

 手を繋ぎ隣を歩くレナに尋ねる。

 

「すいたー」


 何を食べようか。

 悩んだ末、屋台の並ぶこの都で1番大きな市場へ向かう。人と亜人で賑わう市場は、見てるだけでワクワクしてくる。


「嬢ちゃんチーズいらないかい?」


「いる!」


「そこの子豚の丸焼き食べるかい?」


「うん!」

 

「そこのべっぴんさんこのパン食べて見ないかい?」


「モゴモゴ......くだひゃい」


 レナは両手に抱えるように食べ物を持ちながら、無心で食べている。左右に振られる尻尾から、美味しさが伝わってきた。

 適当なチーズとワインを買い、しばらく市場を見て歩く。

 

「ストーンクラブ専用ハサミ?」


 一軒の屋台の前で立ち止まる。なんだこれめちゃくちゃ欲しい。これがあれば......いろんな妄想を膨らましニヤニヤする。


「なぁレナ、これどう思う?」


 返事が返ってこず、思わず後ろを振り向く。

 レナがいない。

 冷や汗が噴き出る。

 迷子になっただけならまだいいが、人攫いに襲われてたら......嫌な想像が頭をよぎった。

 人混みを掻き分け大声でレナの名前を呼び続ける。


 ベルクが必死にレナを探している時、レナは両手いっぱいに持った食べ物に夢中だった。

 それを食べ終えると、ふと違和感に気づく。

 ベルクがいない?

 

「もーベルクったら迷子になっちゃったんだ。レナがしょうがないから探してあげる」


 そう言い、あてもなく歩き出す。

 混んでいる市場は、子供が歩くには困難で、歩こうとしてもぶつかられ人の波に流された。

 時間が進むごとに少しづつ不安感が増す。

 泣きそうになり、道にしゃがみ込み下を向いていると声をかけられる。

 

「君大丈夫かい?」


 顔を上げると、ヴァレリアがこちらを心配そうに見つめる。

 

「ヴァレリアー!」

 

 勢いよくレナがヴァレリアに抱きつく。

 安心感からか少し涙が溢れる。


「レナじゃないか、ベルクはどうしたんだ?君たちにわたし忘れたものがあって来たんだが」


「ベルクがね、迷子になっちゃったの」


「そうか、逸れてしまったのか。おい、オスカル」


「ギルドマスターは人使いが荒いんだよぉ。今日は魔物を倒して、あんまり魔力残ってないんだよなー」


 はぁとため息をつきオスカルが魔法を唱え出す。


「影操作魔法【神の影遊び(プレイング・ウィズ・シャドウズ)】」

 

 オスカルが指を複雑に組み合わせ、鳥の形の影を作る。その影は次第に膨らみ、やがて黒い鳥が現れる。

 

「いけ」

 

 そう呟くと黒い鳥は羽ばたき、空高く飛んでいく。


 しばらく滑空した後、50メートルほど先で旋回し始める。


 その鳥に近づくと、ベルクの声が聞こえる。


「おーいレナ!レナー!」


「ベルクー!」


「レナ!」


 心配していた気持ちを込めるように、思いっきりレナを抱きしめる。


「ところで、その2人はどうしたんだ?」


 レナの後ろに立つ、ヴァレリアとオスカルに目をやる。


「わたし忘れたものがあってな」


 ヴァレリアがポケットから、ジャラジャラと音がする布袋を取り出す。


「これは?」


「報酬だ。よく働いてくれたからな」


「こんなにもらっていいのか?そんなに役に立てた気がしないが」


 かなりずっしりとした重量の布袋を受け取る。

 中には金貨が7、8枚......グリフォンに換算すると24匹分......


「そういえば、ギルドマスターなんかがこんなところにいて大丈夫なのか?」


「仕事の合間を見て会いにきたんだ。君のおかげで、冒険者狩りは捕まえられたんだから、こういうのは直接渡したかったんだ」


「ありがたく受け取っておくよ」

 

「また借りを作ってしまったな。何かあれば私を頼ってくれ。すぐに手を貸そう」


「あぁ、ありがとう」


 報酬をポケットにしまい、2人と別れ帰路に着く。


「ベルク、もう迷子にならないでね」


 目の下を赤く腫らしたレナが、頬を膨らませてそう言う。


「もうならないよ。ずっとそばにいる」




「よぉ、ベルクお目覚めかい」


 オスカルの声が聞こえてくる。


「嬢ちゃんが心配してたから構ってやんな。俺はギルドマスターにお前が目覚めたこと伝えてくるわー」


 ゆっくりと立ち上がり扉の方へ歩いていく。

 足の包帯が痛々しい。

 何か下半身の方に温もりを感じる。

 布団をめくるとレナが、俺に抱きつきスヤスヤと寝息を立てている。


「心配してくれたんだな、ありがと」


 そう言ってレナの頭を撫でる。

 

「大丈夫か、ベルク」


 扉から飛び込んできたヴァレリアが心配そうに話しかけてきた。


「多分大丈夫だ」


 痛い頭を持ち上げ、体の動きを確認しながら話す。


「君は半日ほど眠っていたんだ。その間に大体のことは片付いたよ」


「奴は、冒険者狩りはどうなったんだ」


「今取り調べしているところさ。今聞く限り酷い幼少期を過ごしてきたようだよ。唯一の家族の兄が殺されてから事件を起こし始めたらしい。まぁ、罪を犯したのには変わりないが......」


「気の毒だな......」


 ギルドの治療棟で簡単な検査を終え、ギルドを後にする。

 少し西に傾いた太陽は、昼時を過ぎたことを告げていた。

 

「お腹空かなかったか?」

 

 手を繋ぎ隣を歩くレナに尋ねる。

 

「すいたー」


 何を食べようか。

 悩んだ末、屋台の並ぶこの都で1番大きな市場へ向かう。人で賑わう市場は、見てるだけでワクワクしてくる。


「嬢ちゃんチーズいらないかい?」


「いる!」


「そこの子豚の丸焼き食べるかい?」


「うん!」

 

「そこのべっぴんさんこのパン食べて見ないかい?」


「モゴモゴ......くだひゃい」


 レナは両手に抱えるように食べ物を持ちながら、無心で食べている。左右に振られる尻尾から、美味しさが伝わってきた。

 適当なチーズとワインを買い、しばらく市場を見て歩く。

 

「ストーンクラブ専用ハサミ?」


 一軒の屋台の前で立ち止まる。なんだこれめちゃくちゃ欲しい。これがあれば......いろんな妄想を膨らましニヤニヤする。


「なぁレナ、これどう思う?」


 返事が返ってこず、思わず後ろを振り向く。

 レナがいない。

 冷や汗が噴き出る。

 迷子になっただけならまだいいが、人攫いに襲われてたら......嫌な想像が頭をよぎった。

 人混みを掻き分け大声でレナの名前を呼び続ける。


 ベルクが必死にレナを探している時、レナは両手いっぱいに持った食べ物に夢中だった。

 それを食べ終えると、ふと違和感に気づく。

 ベルクがいない?

 

「もーベルクったら迷子になっちゃったんだ。レナがしょうがないから探してあげる」


 そう言い、あてもなく歩き出す。

 混んでいる市場は、子供が歩くには困難で、歩こうとしてもぶつかられ人の波に流された。

 時間が進むごとに少しづつ不安感が増す。

 泣きそうになり、道にしゃがみ込み下を向いていると声をかけられる。

 

「君大丈夫かい?」


 顔を上げると、ヴァレリアがこちらを心配そうに見つめる。

 

「ヴァレリアー!」

 

 勢いよくレナがヴァレリアに抱きつく。

 安心感からか少し涙が溢れる。


「レナじゃないか、ベルクはどうしたんだ?君たちにわたし忘れたものがあって来たんだが」


「ベルクがね、迷子になっちゃったの」


「そうか、逸れてしまったのか。おい、オスカル」


「ギルドマスターは人使いが荒いんだよぉ。今日は魔物を倒して、あんまり魔力残ってないんだよなー」


 はぁとため息をつきオスカルが魔法を唱え出す。


「【影操作魔法 神の影遊び(ゴットプレイスインザシャドウズ)】」

 

 オスカルが指を複雑に組み合わせ、鳥の形の影を作る。その影は次第に膨らみ、やがて黒い鳥が現れる。

 

「いけ」

 

 そう呟くと黒い鳥は羽ばたき、空高く飛んでいく。


 しばらく滑空した後、50メートルほど先で旋回し始める。


 その鳥に近づくと、ベルクの声が聞こえる。


「おーいレナ!レナー!」


「ベルクー!」


「レナ!」


 心配していた気持ちを込めるように、思いっきりレナを抱きしめる。


「ところで、その2人はどうしたんだ?」


 レナの後ろに立つ、ヴァレリアとオスカルに目をやる。


「わたし忘れたものがあってな」


 ヴァレリアがポケットから、ジャラジャラと音がする布袋を取り出す。


「これは?」


「報酬だ。よく働いてくれたからな」


「こんなにもらっていいのか?そんなに役に立てた気がしないが」


 かなりずっしりとした重量の布袋を受け取る。

 中には金貨が7、8枚......グリフォンに換算すると24匹分......


「そういえば、ギルドマスターなんかがこんなところにいて大丈夫なのか?」


「仕事の合間を見て会いにきたんだ。君のおかげで、冒険者狩りは捕まえられたんだから、こういうのは直接渡したかったんだ」


「ありがたく受け取っておくよ」

 

「また借りを作ってしまったな。何かあれば私を頼ってくれ。すぐに手を貸そう」


「あぁ、ありがとう」


 報酬をポケットにしまい、2人と別れ帰路に着く。


「ベルク、もう迷子にならないでね」


 目の下を赤く腫らしたレナが、頬を膨らませてそう言う。


「もうならないよ。ずっとそばにいる」



【魔法解説】


神の影遊び(プレイング・ウィズ・シャドウズ)

自分の影から動物を模した影を作る魔法。

動物の大きさの制限は、自分の影の大きさの3倍まで。


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