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君のための異世界放浪記〜奴隷猫耳少女は旅人に連れられ旅路を歩む〜  作者: みかん太郎
第1期 第3章 シーフ王国編①
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第37話 本拠地襲撃

「むごぉ、むぐぅ」


「お主は黙っとれ」


 ゼルは動く細長い袋に蹴りを入れる。


「みんな遅いなー」


 マメはもうひとつの袋の上に乗りながらそう話す。


 2人はもう使われていない廃墟と化した建物で、2つの人くらいの大きさの袋と共に暇な時間を過ごしていた。すると、2つの足音が近づいてくる。


「ゼルおじいちゃん、誰か来る」


 2人は少し警戒し、身構える。

 

「ゼル、マメ、捕らえてきた」


 カシウスとベルクだった。


「ホトはまだなのか」 


「そうじゃのう。あと10分で来なかったら手筈通り助けに行きますじゃよ」


 その時、落ち着いた足音が聞こえてきた。姿を現したのはホトだった。


「みんなよくやったね。それじゃあ第2段階に進もうか。ここからは幹部が帰ってこないことを怪しまれないよう素早く行おう」


***


 街の目立たないところにある大きな建物。その中に、黒フードの男と高そうな服を着た男が話していた。


「黒フード!幹部たちはまだ来ないのか!」


「ラズバン様落ち着いて......」


「私は早く次の仕事を頼みたいんだ!この貴族の私の息子たちを懲戒免職しやがったノーム騎士団団長をウンディーネ騎士団団長のようにぶっ殺したいんだ!」


 怒り狂う男は、フードの男にそう叫ぶ。


「ラズバン様。お言葉ですが、私たちはウンディーネ騎士団の団長を殺したばかりです。それに、今回はたまたまウンディーネ騎士団の金を盗む計画を進めていたから、ラズバン様のご要望に応えられたのです」


「くそ!貴様もうどこかに行け!」


 はぁ、とため息をついてフードの男はその場をさろうとした時、いきなり硬直する。


「か、体が動かない......」


「【糸魔法 愛は最上級の支配(ラブ・イズ・コントロール)】マメの糸魔法強いでしょ?」


 フードの男は手で自らの首を絞める。みるみるうちに顔が赤くなり、膝から崩れ落ちた。


「な、何者だ!」


「マメはあなたたちを潰しにきたのよ」


「おいお前、大人しくついてこい」


 マメとカシウスが男の前に現れた。

 

「おい黒フードのボス!早く私を助けに来い!」


 そう叫ぶも誰も来ることはない。


「次それやったら斬り伏せるからな」


 男は大人しく投降した。


「資金源であろう貴族を捕まえた。それに騎士団から盗んだ金品も」


「ボスはみつかった?」


「いや、見当たらなかった」


「まあ、幹部と資金源がなければ何もできないかな。それじゃあ最後の仕上げをしようかな」


 ホトは、いつのまにか帰ってきていたマメとカシウスが持ってきた貴族の肩に、手をまわしてそう言った。


 その様子を物陰で見ている者が2人いた。


「あーあ、また失敗やな。カルロスんとこも、その前ん時も全部失敗」


「新しい金ヅルを探さないといけませんねボス」


「もういいんやないか?」


「いえ、頑張りますよボス」


「へいへい」


***


「さっさと歩け」


 カシウスは貴族のケツを蹴り上げ、早く歩くよう促す。


「わ、私はどうなるんだ......?」


 その貴族の言葉をホトは無視し、マメに話す。


「そろそろお願いね」


「わかったわよ。【糸魔法 愛は最上級の支配(ラブ・イズ・コントロール)】」


 マメの手から放たれた糸は、貴族の四肢にめり込んだ。


「よし、君には今日から没落貴族になってもらうよ。ベルクに濡れ衣を着せた息子たちと一緒に地を這いずって生きてね」


 そう笑顔で話すホトは、仇なす者たちが盗んだ金品を貴族に持たせ、騎士の所まで歩かせる。そして、貴族は叫んだ。


「ウンディーネ騎士団団長は私が殺した!この金品が証拠だ!早く逮捕しやがれ!」


 自分の口から勝手に出た言葉に青ざめている貴族は拘束されて、連れて行かれてしまった。


***


 アルスが横たわる病室に5人は集まっていた。

 外にはオレンジの雲が浮き、幻想的な景色が広がる。


「ねえ団長、マメね頑張ったんだよ」


「......」


「そういえば、こんなに静かな団長を見たのは初めてだな」


「そうじゃの。いつもわしたちと目を合わせるなり話しかけてくれるからのお」


「団長は仲間思いだよね」


 しんみりとした空気が流れる中、5人は徐にアルスの手を握る。5人の手の温かさが、少し冷たいアルスの手を温めた。


「み、みんな、今の......」


 最初に気づいたのはホトだった。


「どうしたんだ?」


 ベルクが驚くホトにそう聞くと、グッと手が握り返された。


「み、んな......。なんでそんな、悲しい顔......してんだ」


 アルスの目はこちらをしっかり捕らえ、少しも動かなかった口からは、声が発せられる。

 それを見た皆んなはアルスに抱きついた。



【魔法解説】


愛は最上級の支配(ラブ・イズ・コントロール)

糸を出す魔法。

この糸で四肢を縛られたものは、体を操られてしまう。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

これにて第3章は完結です。それと、ブックマーク10個と10万文字に到達しました。ですが、世間では10万文字の時点でブックマーク100未満だと底辺作家と聞きました(泣)

これからは面白さもブックマークも10倍目指して頑張るので、応援よろしくお願いいたします!


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