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君のための異世界放浪記〜奴隷猫耳少女は旅人に連れられ旅路を歩む〜  作者: みかん太郎
第1期 第3章 シーフ王国編①
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第28話 黒フード

 ベルクはシーフ王国の中心都市、王都シードへと向かっていた。レナとオーギの2人と......。


「なあオーギ、なんでついてきてるんだ......」


「おじさん忘れっぽいの?俺の母ちゃんはシードにいるんだって!」


「はぁ、そうだったな。あと俺はおじさんじゃなくてベルクだ」


「そうだよオーギー君!ベルクはおじさんじゃなくてお父さんって感じだよ」


「じゃあベルクお父さんって呼ぼうかなー」


「やめろやめろ」


 そんな賑やかな馬車は急にスピードを落とす。

 前に甲冑に身を包んだ女性と、これまた甲冑を着た男が馬車を止めたのだ。

 女性はうずくまりどこか苦しそうだった。


「お客さん、ありゃ王都の騎士団だ。少し止めるぞ」


 騎士団か。そういえば、シード王国の騎士団は治安の維持から戦争、魔物退治までなんでもこなすらしい。ギルドや冒険者はもちろんない。


「止まってもらってすまない。団長が体調不良のため、近くの町まで運んでもらえないだろうか」


「俺は別に構わんが......お客さん少し寄り道してってもいいか?」


「俺たちのことは気にしないでくれ。それよりその人を助ける方が大事だ」


「心遣い感謝する」


 茶髪の眼鏡をかけた男がゆっくりと団長と呼ばれる女性を馬車に乗せる。


「うぐぐ。痛い......」


「団長、黙っててください。自業自得なんですから」


「いったい何があったんだ?」


 ベルクが騎士の1人に聞く。


「それが魔物の討伐に行く途中に騎士団長が道端のキノコ齧っちゃって......はぁ、それでこのザマです」


「キノコか......効くかわからないが、腹痛に効くらしい薬草を持ってる」


「ほんとうですか!ありがたい」


 ベルクは騎士にいつも食べすぎるレナの為に持っていた薬草を手渡す。


「ほら、早く食べてください」


「に、苦いんだが......」


「これ食べれば腹痛が治るかもしれないんです」


「わかったよ......ううっ」


 顔をしかめながらも薬草を食べると、みるみる顔色が良くなってきた。


「ありがとう!ほんとうに助かったよ!私はアルスだ。そしてこっちの厳しさを体現したような男がホトだ」


「団長が怒らせるから悪いんです。申し訳ない、こんな団長で」


「俺はベルクです」


「ベルク、この恩は忘れないからな!」


「あはは、そりゃどうも」


 独特なアルスと真面目なホトは、アルスの体調が良くなったので馬車を降り、感謝の意を伝えながら行ってしまった。


「お客さんラッキーだな。あのアルス団長に名前を覚えて頂けるなんて」


「あの人そんなにすごいのか?」


「ああ、王都の4つあるバカでかい騎士団のうちのひとつ、ウンディーネ騎士団の団長だよ」


「そ、そうだったのか......」


 ベルクはあんまり難しいことは考えないようにした。なにも考えずに、シーフ王国の食べ物を楽しみたかったのだ。


 シーフ王国......。海が近くて、暖かく、魚やらフルーツやらが有名らしいな。楽しみだ。


***

 馬車で移動を始めて一カ月。


「つまんないなー」


 足をバタバタさせながらそう呟くオーギ


「大人しくしろ。レナを見習えオーギ」


 ベルクは膝の上に頭を乗せスースーと寝息をたてるレナを指差し言う。


「だってつまんないんだよー」


 そう言っていると初日のように馬車が急に止まる。だが今回馬車を止めたのは騎士ではなかった。


「お客さん、前の奴見てください」


 そう言われて前を見ると、馬に乗り、大きな袋を背負って、黒いフードを被った男がこちらに向かって走ってくる。


「あいつはここらで有名な犯罪集団ですわ。刺激しないように少し止めますよ」


「は、犯罪集団?そいつは許せねえ!」


 オーギがいきなりいきりたち始める。


「おい、オーギ。余計なことするなよ」


「わかってるって」

 

 そう言いながらもオーギは魔法を唱え始める。


「生命創造魔法 空を掴め!(グラブ・ザ・スカイ)


 男の持っていた袋が少し破れ、そこから羽の生えた小さなものがオーギの手に向かって飛んできた。


「いただきだぜ!」


 オーギの手に握られていたのは、羽の生えた指輪だった。その指輪の羽はオーギの手に触れた瞬間バラバラに崩れ灰となる。


「おい、オーギなにしてる!それ盗難品だろ」


「知ってるよ。だからこれを騎士団に届けてあげて、お礼にお金をもらうんだ!」


 まあ、あのフードの男にバレていないならいいか。


 そんなことを思ってると、再び前から誰かが来る。

 甲冑を身に纏った2人。騎士だ。


「すまない、ここらで黒いフードの男を見なかったか?」

 

 騎士達がそう尋ねてくる。


「はい!俺見ました!ついでに盗難品も少し取り返しました!」


「ほんとうか!確認させてもらおう」


 オーギがウキウキで指輪を渡す。


「なぁ、めんどくさいしこいつでよくね?」


「確かに。お前天才だな」


 騎士達がベルク達に聞こえないようなにかボソボソ呟いていた。そして......。


「お前ら怪しいな!我らが連行する!」


「な、なに言ってんだ」


「うるさい!貴様ら全員連れて行く!」


「ま、待ってくれ。その指輪を黒いフードの男から奪ったのは俺だ!俺だけ連れて行け。この子達は関係ない」


 怒号をあげる騎士達に対して、落ち着いてベルクがそう言った。


「ふむ、いいだろう。御者もう行っていいぞ」


「お、俺のせいだ......おじさん、ごめん......」


「ベルク!待ってよ!ずっと一緒にいてくれるって約束したじゃん!」


「嬢ちゃん、やめておけ。それにお客さんは何もしてない。きっと戻ってくるさ」


 後に御者はこの無責任にも思える言葉を言ったことを後悔することになる。



【魔法紹介】


|空を掴め!(グラブ・ザ・スカイ!)

非生物に生命を与える魔法。

生命を宿した非生物は白い羽根が生え、オーギの元へ飛んでくる。

維持できる時間は1分。

生命を宿した非生物に命令などは下せず、ただオーギの元へ飛んでくるだけである。


ここまで読んでいただきありがとうございます。

いつのまにか総合評価ポイントが30ptになりました。次は50pt目指して頑張るので、これからも応援よろしくお願いします!

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