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第百弍拾弍章 サルとタヌキの化かし合い

「ここにきて信忠様の名前が出るとは…秀頼様の事、秀吉公はご存知で?」


 訊くまでもないだろう。

 聖都スチューデリアで暗躍していた竹槍衆を思えば、秀頼が自分の血を引いていないことなど既に察していたに違いない。


「であろうな。かつて秀吉(サル)は信濃の善光寺より大仏、善光寺如来を京に(うつ)した祟りで死んだとされておるが、それこそサルの罠であったのだ」


「罠と仰せか。それは誰に対してでござる」


 秀吉は松永久秀によって焼かれた東大寺の大仏に代わる新たな大仏を建造していたが、慶長伏見大地震で倒壊してしまう。

 全壊こそ免れたが秀吉はそのまま打ち壊して撤去するように命じたとされる。


「かように我が身を保てえざる仏体なれば、衆生済度は思いも寄らず」


 実際に云ったかは定かではないが、秀吉が怒りのままに損壊した大仏の眉間に矢を放ったという記録も残されている。

 その後、秀吉は夢の御告げと称して信濃善光寺の如来像を京都へ遷座させる計画を立て、損壊した大仏を取り除いて安置したという。

 それと同時期に秀吉の『羽化登仙』に至る蛹化が始まり、家康はそれを好機とし、善光寺如来の強引な遷座をした太閤は祟りを受けて落命したと広めたのだ。

 しかも家康は秀吉が動けない内に(みん)と講和して、朝鮮に派遣された日本軍を帰還させている。

 スペインと同じ過ちを繰り返すより、貿易相手を野心の無いオランダに限定する事で日本を守りつつ利益を得る方向へと舵を切ったのだ。

 羽化(・・)した秀吉は朝鮮からの撤退に激怒したものの、豊臣の時代は終わりだと自身でも見切っていた事もあって報復はしなかったという。

 妹の朝日は死んだ事になっているが、実は若い側女として今もなお家康のそばにおり、その伝手で秀吉も女装をして家康の近くに潜んでいた。

 秀吉は復讐を恐れる家康にニコリと微笑んで云う。


「織田が()き、ワシが捏ねた天下餅、徳川殿は悠然と座って食しなされ」


 秀吉は家康に取って衝撃的な事実を告げる。

 秀頼は自分の子ではなく、恐らくは大蔵卿局おおくらきょうのつぼねの倅のいずれかが茶々に産ませたのであろう、と事も無げに云ったのだ。


「何故、我が子でないと云い切れる」


「知れた事…ワシは茶々を抱いてはおらぬからじゃ」


 秀吉にとって茶々は信長様の姪であり、いずれは相応しい嫁ぎ先を、と考えていたのだと云うではないか。

 それが、ある晩のこと秀吉に縋ってきたのだという。

 賤ヶ岳で母と共に死すところを救われた貴方にこそ全てを捧げたいとまで云ってのけたそうな。


「しかし茶々は既に生娘ではなかった。それどころか身籠もっておったのよ。しかもだ。情事を用いた術をかけられた者特有の虚ろでいて幸せそうな目をしておったわ。それで察したものよ。豊臣と取って代わろうとしておる者がいるのだとな」


 秀吉は茶々に更なる術をかけて、(はら)の子は真実、秀吉の子であると思い込ませた上で側室として迎える。

 やがて産まれた子は(すて)と名付けられた。

 これは棄て子は善く育つという民俗信仰からつけられたと云われているが、実際はどうでも良い子供としての意味を秀吉は込めていた。

 事実、秀吉は茶々を山城の淀城に移して距離を置いている。

 その証拠として、天正十八年(1590年)に棄が病に罹ったとしても秀吉は北条氏が治める小田原討伐に専念しており、淀城に形式上の手紙を送ったのみだ。

 凱旋後、全国の神社仏閣に病気平癒の祈祷を命じたが、内心では我が子でもない棄を救わんと大掛かりな祈りを捧げる事に莫迦らしいとさえ思っていた。

 そんな気持ちで祈ったせいか、祈祷に効果は無く、天正十九年八月、僅か三歳で棄は永眠してしまう。

 その二年後、茶々は再び懐妊するが、やはり秀吉は茶々を抱いてはおらず、父親が別人である事は疑うまでもなかった。


「しかし世継ぎは必要であったであろうに、秀吉殿は何故に茶々殿を抱かなかったのだ? いや、茶々殿に限らぬ。正室のおね殿や摩阿(まあ)姫もおられたが子供には恵まれなんだ。歯に衣着せぬ者など秀吉殿には(たね)が無いとも申しておる」


 家康の言葉に秀吉は苦笑と共に彼の手を取った。

 そして自らの懐に手を入れたのである。


「胤が無いのは事実よ。何せ、これがワシの正体ゆえな」


「こ、これは…秀吉殿は女?!」


 手に伝わる柔かな感触に家康は驚愕した。

 秀吉は男装した女性だったのだ。

 よくぞ今までバレずにいたものである。

 流石は竹槍衆の首領というべきか。


「如何にも。女では精々が信長様の側女となって終わりよ。忍びの扱いは多少マシになるであろうが人間にはなれぬ。忍びの楽園を作るには信長様のお側で出世する以外に道は無し。それは女では出来ぬ事よ」


 秀吉は膝を合わせるように家康に近づく。

 身を引こうとする家康であるが、背後から朝日に抱きつかれて逃げ場を失う。


「ワシは信長様を必死に追いかけた。命懸けでお仕えした。そして本能寺の変で信長様が死んだ事になって、ふと周りを見渡せばワシの天下となっておったわ」


 その天下を徳川殿に譲ろう――秀吉は笑った。

 企みなどまるでなく、本心からの言葉である事が察せられた。


「何を云われる?!」


「天下人となって気付いたが、ワシでは忍びの楽園を作る事が出来ぬ。天下人は万民を導かねばならぬからな。忍びだけの幸せを願えぬのだ」


 天下人の威光を用いれば忍びの地位を向上させる事は可能である。

 だが、それをして何になるというのだろう。

 武士の世から忍びの世に変わるだけではないか。

 いずれは忍びの治世に不満を持つ者が現れるのは必定。

 隠密政権を打倒すべく立ち上がられては戦国の世に逆戻りだ。

 千年の楽園を作るのなら万民を幸せにし、その中に忍びも含まれているというのが理想であろう。

 『羽化登仙』で不老と長寿を得ている秀吉ではあるが、一生をかけたとしても忍びの理想郷が完成することはないに違いない。

 ならば天下統一を果たした今、自分は身を引き、太平の世作りは徳川家康に任せるべきだ。自分の役目は徳川の御代(みよ)の中で忍びが安心して暮らせるように導く事に専念すれば良い。


「それに天下人が実は忍者でござるなどと明らかになれば世の中がどう引っくり返るか分からぬ。未だに忍びを蔑む者は少なくない故に天下を治めるに相応しくないと思う者も出てこよう」


 事実、誰かはまだ掴めぬが、天下人の側室に子を仕込んで天下を掠め取ろうとしている愚か者がいる始末だ。

 恐らくは秀吉が忍者だと知った上で侮っているに違いない。

 秀吉は怒る前に自分の天下が砂上の楼閣だと思い知らされたのだ。


「だからワシも毒を仕込んだ。他ならぬ天下を継がせようとしている秀頼にな」


「毒とは?」


 そのまま秀頼に毒を盛ったという意味ではない事は家康も理解している。

 すると秀吉は妖艶に笑ったではないか。

 これだ。自分はこの秀吉の妖しい美しさに魅了されたのだ。

 朝日も凄艶であるが、どこか違うと感じてはいたが理由はこれ(・・)だった。

 徳川家康は豊臣秀吉本人に惹かれていたのだ。


「茶々も今では秀頼の後見人気取りで政治に介入しておる。そればかりか大蔵卿局や饗庭局(あえばのつぼね)といった乳母共を重用して我が物顔よ。このままでは信長様と共に築き上げてきた天下が乱れるのは必定。ならば天下を誰かに托すしかあるまいて。それは徳川殿以外に誰ができよう」


 秀吉は秀頼の幼い頃より、京に大仏とそれを安置する大仏殿の再建する事が悲願であると諭してきたのだそうな。

 わざわざ善光寺から如来像を京に遷座したのは病を装って祟りを演出するつもりであったが、計らずも蛹化してしまい死んだ事にされてしまったのだ。

 だが重病を演じるより死んでみせた方が楽であるし身軽に動く事ができた。


「ワシの死後(・・)、徳川殿の動きは見事としか云いようがない。又左(前田利家)殿も死に、今や天下で一番力を持っておられるのは徳川殿よ。ようよう出番が回ってきた訳だ。否、徳川殿とてそのつもりであろう」


 秀吉は他にも毒を仕込んでいるのだという。


「まずは清正らが徳川殿に伺いを立てるので同意しなされ」


「同意とは?」


 芝居よ――秀吉は家康にしな垂れかかった。


「清正らが三成を襲う芝居よ。動機は何でも良い。朝鮮出兵の論功の査定に不満があったとでもしておこうか。勿論、三成は安全なところに隠しておる。信長様の本能寺の変と同じ事よ」


 加藤清正や福島正則ら七将による石田三成襲撃事件は、本能寺の変が信長の死を偽装する為の芝居であったように、あえて石田三成を失脚させる事で家康に主導権を握らせる策であった。

 勢いを増していく家康に対抗する為、石田三成は毛利輝元を総大将として挙兵する。彼の有名な関ヶ原の戦いである。


「毛利殿を総大将とする訳は分かりますな?」


「毛利輝元の力を削げと」


「毛利殿は徳川殿の台頭が疎ましく思っておるようだからな。ここらで一つ痛い目に遭わせた方が宜しい。輝元殿には内密に領土を安堵してやれば家臣共は徳川殿に降ろう。そして敵方の総大将だった事を理由に領地を吸い上げてしまいなされ。いや、この際、ワシがやったように逆らう者共も掃除するが宜しかろう。つまりは本能寺と賤ヶ岳の合わせ技よ」


「流石は秀吉殿! 毛利ら反抗勢力を滅ぼす事無く首根っ子を押さえるにはこれ以上の策は無いでしょうな! いや、この家康感服仕った!」


 大仰に膝を打つ家康であるが、この程度の策は思い付いていただろう。

 二人は大笑いしつつも互いを牽制し合っていた。

 サルとタヌキの化かし合いを朝日は呆れた顔で見ていた。


「戦後は九条兼孝殿が関白に就任できるよう計らいなされよ」


「ふむ、そして私が鎌倉殿よろしく征夷大将軍となれば秀頼殿は存在感を失うという寸法ですな。後は孫の千姫を娶せれば意のままとなろう」


「それでも茶々、いや、背後にいる秀頼の実父は家康殿に臣従させる事を拒むであろうな。そこで秀頼に仕込んだ毒が効いてくるのじゃ」


 秀吉の悲願であると思い込んでいる秀頼は京の都に大仏の再建を計画する。

 豊臣の威信の回復も意図しており、倒壊した初代と違い、銅製大仏とする事で万難を排して建造しようとしていた。


「秀頼めには、大仏を建造するにあたって片桐且元(かつもと)を頼れと云い含めておる。その且元には梵鐘に銘文を入れよ、と云ってある。且元はワシの意図を酌んで銘文に『国家安康』と『君臣豊楽』の二つを入れるであろう。家康殿は『家』と『康』を分断して呪詛をしていると云いなされ。勿論、豊臣を君主として楽しむという意思が隠されていると詰る事も忘れずにな」


 秀吉の毒は見事に秀頼を追い詰め、家康と決別させる事に成功する。

 秀頼が立とうとしても、既に加藤清正ら豊臣を代表する猛将、知将らは徳川側についており、秀頼に味方する者はいなかった。

 実は秀吉は主だった子飼いの武将には生存を明かしており、しかも秀頼が実子ではない事も告白していた。

 愛する主君、秀吉を蔑ろにする巫山戯た話に彼らは激怒して茶々と秀頼を見限っていたのである。

 結局、西軍に与したのは関ヶ原の戦いの後、豊臣側だった為に改易させられた元大名や牢人程度であったという。

 ちなみに秀頼に大仏殿の普請を命じられ、大阪の陣の切っ掛けを作った片桐且元は東軍として参戦している。


「秀頼が西軍で頼りとするのは恐らく大蔵卿局の倅共…大野何某(なにがし)くらいであろう。親子で抱き合いながら震えて死ぬるが似合いよ」


「そこまで算段を立てていたとは畏るべき御人だ。豊臣を滅ぼす事に最早ためらいは無いようですな」


 この段階では七将による石田三成襲撃より前の話である。

 しかし秀吉の中では既に大阪の陣まで見据えていたのだ。

 かつて織田信長は第六天魔王と名乗った事があったが、家康には秀吉こそが魔王に思えて仕方がなかった。


「資金に関しては何も心配は要らぬぞ。今頃はスペイン中で金銀財宝が奪われておろうな。ヤツらは領土を広げ過ぎたのじゃ。今や本国を守る兵も残ってはおらぬ。ましてや畑を焼き払われては竹槍衆を追い払う気力すら奪われておろう。徳川殿はスペインの黄金で作られた道でゆるりと天下へと歩まれるが良い」


 なんと秀吉は竹槍衆に命じてスペイン本土を襲わせ、糧食を焼き、財宝を奪っているというではないか。

 日本国民をキリスト教で洗脳し、奴隷として売買した挙げ句に日本そのものまで盗ろうとしたスペインを秀吉は許していなかったのだ。


「危険な前線ではスペイン人兵士を使え。日本人同士の戦争(いくさ)で徳川側に犠牲を出すのも莫迦らしい。徳川殿の民にはこれからの太平の世を存分に味わって貰いたいからのぅ。そうは思わぬか、徳川殿?」


「は、はは…痛み入ります」


 竹槍衆はスペイン兵も多数捕らえており、遅効性の毒を与えていた。

 一定期間ごとに竹槍衆秘伝の秘薬を飲まねば毒が体を蝕んで凄惨な死を遂げてしまうという恐ろしい状況にあるそうな。

 つまりスペイン兵は逃げる事も出来ずに命を繋ぐ薬欲しさに命を捨てるような戦いを強いられるのだ。

 仮に絶望の末、毒で死のうと考える者が出てこようと問題は無い。

 死んでも構わぬというのもあるが、竹槍衆の毒はまず体の末端、即ち耳や鼻、指、そして性器から腐っていき、その痛みは想像を絶する。

 やがて全身にまで腐敗が進むと臓腑は機能しなくなり、骨から肉が剥がれ落ちるが、それでも死ぬ事は無く、七日をかけて苦しみ抜いて漸く死ぬのだ。

 しかも死の寸前まで激痛と多臓器不全で暴れに暴れ、周囲に呪詛を撒き散らしながら死んでいく様は生き残った者達に恐怖と絶望を与える事になる。

 最期には骸骨に黒く腐った肉がかろうじて貼り付いているような有り様であり、死ぬと同時に骨までも崩れて何も残らない。

 壮絶な仲間の死にスペイン兵達は震え上がり、逃亡や反逆をする意思を根刮ぎ奪うが、自害も選択する事は叶わない。

 何故なら、思い余って舌を噛み切った者がいたのだが、毒が傷口を塞いで出血を止めてしまい、ただ痛い思いをしただけに終わったからだ。

 一切の希望を奪われたスペイン兵達は唯一助かる道として竹槍衆の先鋒となって弾丸や砲弾が飛び交う戦場で戦うしかなかった。

 そして竹槍衆は敵の首を五つ取った者には本当に完全なる解毒薬を与えてスペイン本国に送り返して見せるのでスペイン兵達は死に物狂いで戦うのだ。

 もっとも財産を奪われ、田畑を焼き尽くされたスペインに帰ったところで、彼らがどのように生きるのかは秀吉の知った話ではない。

 こうしてスペインは日本、否、秀吉を敵に回した事を後悔しながら生きていくのであろう。

 

「時に秀吉殿、いずれはスペインを支配するつもりでござろうか?」


 家康の問いに秀吉はきょとんとした顔で答えたものだ。


「徳川殿、金銀を奪い尽くされ、食糧までも焼き尽くされた国に旨味があるとお思いか? ワシならば欲しくはないぞ。もし支配したならば飢餓に喘ぐ人民を救わねばならぬ。何より遠き地の統治なんぞやっていられるものか」


「は、はは…ごもっとも! ごもっともですな!」


 かつては忍びの楽園を作る理解者を増やす為、敵も味方もなるべく犠牲を出さないとされていた秀吉は変わっていた。

 世界を知り、長年戦場に身を置いている中で『羽化登仙』を繰り返してきた秀吉は好奇心と探求心、そして残忍性、残虐性が肥大してしまっていたのである。

 だからこそ実子ではないとはいえ嫡男である秀頼に対しても残酷な策を平然と行えるようになっていたのだ。


(こ、これは信長殿に相談申し上げた方が良さそうだ)


 しかし信長も今や還暦をとうに過ぎて近頃では槍を持つ事すらしんどいらしい。

 武力としては当てにならないが、秀吉が信長を慕う気持ちに賭けたのだ。

 だが、それが更なる悲劇を引き起こす事になろうとは家康ほどの知恵者であっても想像し得なかった事であった。

秀吉がいよいよラスボスとしての貫禄を見せてきました。

女性化したのは半ば趣味ですね(おい)

いやでも、信長だって美少女化する世の中ですし、秀吉だってねぇ?

秀頼が自分の子ではないと知る秀吉は豊臣に見切りをつけて一切のためらいを見せずに滅ぼす事を決めてしまいます。

天下人になったものの、だからといって忍びを身贔屓にする訳にもいかず、しかし万民を導いていては忍びの千年王国は永遠に訪れないと悟っていた秀吉は、ならば、と家康に天下を托して、自分は改めて忍びの楽園作りに専念しようと考えたのですね。

家康との化かし合いは策略が全て巧くいった結果ですが、実は史実に近い展開ですw

三成は秀吉の言葉に「殿下のなさりたいように」と自分が失脚する事も毛利輝元を総大将にして反徳川軍を結成して名を落とす事もためらいはないのですね。むしろ見返りとして「これからも殿下に仕えさせてくだされ」と半ばストーカーじみた願いを云う始末です。

三成は後に秀吉と異世界に渡り、新たな七本槍として秀吉に忠誠を誓います。

七本槍は他にも、前田利家、真田幸村、結城秀康をメンバーに考えており、残る三人は検討中です。

加藤清正や福島正則らも秀吉の生存を知っており、秀頼が実子でない事に、愛する主君を蔑ろにする茶々達に激怒しています。

ただ清正らも三成と同様に「我らも新しき世界に連れていって下され」と懇願しますが、「そなたらは今や一国一城の主である。忍びとしての本領に返ったワシについてくるほど軽き身ではないはずだ。これからは徳川殿を助けよ」と断っています。

これにより秀吉が単純に暴走している訳でなく分別や配下だった武将達の生活も考慮する器はあるとしています。


ただしスペイン、オメーは駄目だ(おい)

急激に植民地を広げた結果、兵も物資も足りなくなったスペインは竹槍衆から逆襲を受けます。

財宝は奪われ、田畑も焼かれた挙げ句に兵士も徳川の尖兵として攫われてしまいました。

しかも毒で服従を誓わされて彼らが売買した日本人奴隷よりも過酷な運命に遭っています。

その上、死ねば骨も残らないのでスペイン人が奴隷兵士となった証拠は無いも同然です。

それだけ秀吉もスペインとキリスト教に対して腹を立てていたのでしょう。

ちなみにスペインから根刮ぎ奪った黄金こそが竹槍衆の活動資金であり徳川家康への援助だったのですね。

朝鮮出兵もデリケートな話ですけど、今回の話、スペインの人やキリスト教徒に怒られそうで怖いなぁ(汗)


さて、次回は家康から相談を受けた信長が秀吉と再会します。

しかし信忠が秀頼の実父と知った秀吉の怒りが爆発してしまいます。

果たして信長と秀吉の運命はどうなってしまうのでしょう。

二人の絆が試されようとしています。


それではまた次回にお会いしましょう。

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