ゆう君とみっちゃん。
これは、とてもとても寒い冬のお話。
ゆう君とみっちゃんは、公園で雪投げをして遊んでいました。みっちゃんは、容赦なく雪玉を投げつけてきます。その攻撃に泣きそうになりながら、背中を向けてゆっくりと雪玉をこねているゆう君。
「まだまだ投げるぞぉー!」
みっちゃんの雪玉を浴びながら、ゆう君はゆっくり彼女の方を向きます。両腕には沢山の雪玉が。びっくりしたみっちゃんは、
「きゃあー」
と一声あげます。そして、雪の粉をゆう君に振りかけて、姿をくらまそうとしました。心なしか、ゆう君の雪玉は一個一個が大きいように感じられます。
「石でも入れたなー!」
「違うよ」
ゆっくりとみっちゃんのお腹めがけて雪玉を投げるゆう君。激戦の末、みっちゃんはあることに気づきます。
「あれ。ボタンは?」
「雪玉の中に隠した」
「ええー」
みっちゃんは、積み重なった雪をかき分けて、ゆう君の制服の
第二ボタンを探します。あれ、これってもしかして……?
「見つけたら付き合ってくれるの?」
「見つかるまで付き合ってあげる」
「いじわる」
雪投げの後は、ゆう君のボタン探し。真っ白な雪影に、ボタンを探す二人の姿が墨絵のように描かれていきます。手が重なった時、聴こえるのです。温かな恋の鼓動が――――