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厳選短編集

ゆう君とみっちゃん。

作者: 白夜いくと

 これは、とてもとても寒い冬のお話。


 ゆう君とみっちゃんは、公園で雪投げをして遊んでいました。みっちゃんは、容赦なく雪玉を投げつけてきます。その攻撃に泣きそうになりながら、背中を向けてゆっくりと雪玉をこねているゆう君。


「まだまだ投げるぞぉー!」


 みっちゃんの雪玉を浴びながら、ゆう君はゆっくり彼女の方を向きます。両腕には沢山の雪玉が。びっくりしたみっちゃんは、


「きゃあー」


 と一声あげます。そして、雪の粉をゆう君に振りかけて、姿をくらまそうとしました。心なしか、ゆう君の雪玉は一個一個が大きいように感じられます。


「石でも入れたなー!」


「違うよ」


 ゆっくりとみっちゃんのお腹めがけて雪玉を投げるゆう君。激戦の末、みっちゃんはあることに気づきます。


「あれ。ボタンは?」


「雪玉の中に隠した」


「ええー」


 みっちゃんは、積み重なった雪をかき分けて、ゆう君の制服の

第二ボタンを探します。あれ、これってもしかして……?


「見つけたら付き合ってくれるの?」


「見つかるまで付き合ってあげる」


「いじわる」


 雪投げの後は、ゆう君のボタン探し。真っ白な雪影に、ボタンを探す二人の姿が墨絵のように描かれていきます。手が重なった時、聴こえるのです。温かな恋の鼓動が――――

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― 新着の感想 ―
[一言] 小さな子どもたちが雪合戦をしているかと思いきや、いやあリア充ですね。きっと周囲からは、「それで付き合ってないとかマジかよ」と生温く見守られていることでしょう。 付き合う宣言をしたらきっと「…
[一言] 冬童話2021から伺いました。はじめは小さい子が雪合戦しているのかなと思ったのですが、違ったんですね。いじわる返しのキュンとした青春童話をありがとうございました。
[一言] 拝読させていただきました。 ほっこりしました。 二人にはいつまでも仲良しでいてほしいですね。
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