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花のない薔薇  作者: 愁
四章 闇の魔法使い
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32

クロノ、黙って出て行くことを謝っとく。すまん。


何でお前にこのことを言わなかったのかって聞かれると、俺が出てくまで普段通りに過ごしたかったってだけの我が儘だ。

特別な事なんかせずに、ただお前と過ごしていたかったんだ。

俺の勝手な行動でお前は凄い怒るだろうし、もしかしたら泣くかもしんない。

本当に悪かった。帰ったら存分に怒られてやるし、抱きしめてもやるから我慢してくれ。


そんで、何個か言っとくべきことがあるから怒ってても最後まで読んでほしい。

何から言うべきなんだろうな……。


まず、村のこと。


俺がいない間、なるべく村の連中とは関わらないほうがいい。

もちろん、俺がお前を頼んだ彼女は別、具合が悪くなったら彼女を頼って医者に

罹る事。


でも、村長あたりには気をつけろ。


詳しいことは言えない。というか、関わって欲しくないから言わない。

頼むから変に勘ぐったりせず大人しくしていてほしい。

いい子にしててくれよ?


それから……俺達の事だな。


わかってただろうが、お前は俺と血がつながっていない。

お前は俺の魔法の師匠の子供だ。

でも、お前の両親は戦争のために都の連中に連れて行かれて、そのまま帰ってこなかった。

俺は師匠たちが帰るまでお前を預かる約束だったんだが、ある日、都の騎士の一人が戦死って書かれた紙切れを持って家に来たんだ。


正直、俺自身が状況を飲み込めなくて、理解したくなくて、呆然としていたよ。


けど、そんな時お前が、俺に笑ってくれたんだ。


お前は覚えてないよな。もうすっげー赤ん坊の頃の話しだしよ。

まぁ、ともかく。

俺は お前の笑顔に救われた気分だった。俺にはまだ、大切な、守るべきものが

あるんだって。


それから俺が親代わりになって、色々大変だったけど、お前の成長を見ていくのは幸せだったよ。


今じゃお前は俺の息子だ!ってハッキリ言える。

師匠たちがひょっこり帰ってきても、絶対返してやりたくないね。

お前がどうかはわかんねーけど。


そんで最後。


俺が帰って来なかった時の話だ。


もし、俺が帰って来なかったら、すぐに村を出ろ。

最悪の場合俺の後を追う事になる。

それだけは何としても回避してほしい。他の何を置いても、お前は生きてくれ。


俺は、もちろんそんなつもりはないが、帰れないと思った時には手を打つつもりだ。お前が少しでもマシに生きていけるようにする。

だから、俺が帰らなかったら村を出て、王都を目指せ。

そうすればきっと、大丈夫だ。


お前の見た目は王国じゃ辛いかもしれない。


けど、どれだけ辛くても生きていれば救いがあるもんだ。

俺が辛かったとき、お前という救いがあったように。


お前が愛され、幸せであることを願っている。


どれだけ離れていても、願い続けている。”

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