表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
花のない薔薇  作者: 愁
第二章 賢王と愚王
39/142

26

「ずっと……ずっと前から。そして、これからもこの気持ちはかわらないっすよ」


はにかみ笑ったギノアは、握りしめた手がかすかに震えていることに気づく。


「――…に?」


「先輩?」


「本当に?俺が、お前の慕うような人間じゃなくてもか?」


そう問うたクロノは酷く弱々しげで、縋るような視線はギノアとその先いる

“誰か”に向けられていた。

堪らずギノアはクロノを抱き寄せる。


「……っ」


そして消え入りそうな大切な人の存在を確かめるように強く固く抱きしめた。


「ギノア?」


「俺は、正直先輩のこと何も知らないっす。

けど裏切るとか、理由もなしにする人じゃないってのはちゃんと知ってるっすよ?だから俺は他の人たちみたいに、先輩の話も聞かないで決め付けない。

もし話してくれたとして、それが俺の思うようなものじゃなくても、幻滅なんかしない。

昔の先輩がどんなでも、俺は今の、俺の大好きな先輩を大好きでい続けるだけっすから!」


へへ、とどこか誇らしげに言ったギノアにクロノは微笑んだ。

手を背中に回してギノアを抱きしめ返す。


どちらのものかわからない少し早い鼓動の音に耳を傾けて、クロノは胸の内を語った。


「今はまだ話せそうにないけどさ、いつか必ず話すから……そのときは聞いてくれるか?お前には知って欲しいんだ、俺の全部。お前のこと、俺も大好きだからさ」

「~~っ!」


ギノアは頬を染めながらクロノを離す。

そうして若干恨めしく思いながらもしっかりとクロノを見て言った。


「もちろんっすよ。信じて待ってます、その時を」


「あぁ、俺も」


そうして笑った二人はまた抱きしめ合う。






「うぅ……クロノちゃん、ギノアちゃんっ!よかったわぁ」


……その様子をこっそりルーエンが覗いていたとは知らずに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ