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その言葉にギノアは思わず振り返る。
声の主、クロノの視線は魔方陣に注がれていた。
「ばっ、馬鹿だとっ!?このっ、死にたいのか!?」
オウドーはクロノに睨みをきかしてビーカーを突きつける。
だがクロノは動じた様子もなく、淡々とした瞳でオウドーを睨み返した。
「やりたきゃやれ。そんな欠陥だらけの魔方陣で起こせるのなんて、あんたがいつも出してる煙くらいだ」
「嘘だ!」
顔を真っ赤にして怒るオウドー。
といってもぼさぼさの髪や眼鏡で顔は下半分くらいしかみえないが。
「どういうこと、クロノちゃん」
「あの魔方陣は怖くないってことっすか?」
クロノは力強く頷いた。
「大体において破壊を司るのは闇属性の魔法だ。
他属性も破壊はできるが、起こした現象によって破壊しているにすぎない。
純粋に破壊を現象として起こす魔法は闇ばかりだ。
……そしてその魔方陣は闇属性の魔法のもの」
そこまで聞いてルーエンはにやりと笑った。
「クロノちゃんは闇属性の専門魔導師。貴方が言うなら私は信じるわ」
「お、俺もっす!」
先ほどまでとは一変、オウドーにじりじりと詰め寄っていくギノアとルーエン。
その姿に慌てたオウドーは、やけくそ気味にビーカーを振りかぶった。
「う、うわあぁぁぁぁっ!」
……パリンッ




