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店の中は薄暗く、棚が乱立して込み入った印象を与える。
二人のほかにはフードで顔を隠した人物が一人と、カウンターに老いた店主がいるだけだった。
ギノアはクロノのシャツの裾を掴んでおずおずと店内を歩き出す。
クロノはカウンターで新聞を広げていた店主に入り用の物が書かれた紙を差し出した。
新聞をたたんだ店主は丸眼鏡の向こうから怪しく光る眼で二人を見ると、紙を取って棚へと歩いていく。
「せ、先輩……あれで大丈夫なんすか?」
雰囲気に流されて声を小さくして聞いてくるギノア。
その視線の先は棚から物を取り出していく店主に注がれているが、手はまだしっかりとクロノのシャツの裾を掴んで放さない。
小心者な後輩に少し癒されたクロノは、びくびくしているギノアの頭を優しく撫でてやった。
すると気持ち良さそうにギノアは笑い、シャツの裾を放した。
が、今度はクロノ自身に抱きついたので、クロノは鳩尾に容赦なく肘鉄をかましたのだった。
「これで全部だ。確認してくれ」
カウンターに物を広げた店主に促されて確認していく。
「大丈夫だ。代金はここに」
クロノは袋に入った金貨を店主に渡す。
店主はそれを受け取ると、中身を確認してから商品を包んで袋に入れた。
「まいど」
袋をクロノに押し付け、それだけ言うと店主は新聞を広げて読み出す。
「行くぞ」
「は、はいっ」
そっけない主人に背を向けて店を出る二人。
―…途中すれ違ったフードを被った客は、フードの下からその姿を見届けてから、後を追うように店を出て行った。
短くてすみません…




