表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
花のない薔薇  作者: 愁
第一章 裏切り者の魔法使い
13/142

12

 夜が深け、欠けた月が空に輝く頃。

王宮のテラスにその人物はいた。


艶やかな金髪を夜風になびかせながら、王国の若き主・ウィルソンは物思いにふける。

彼が想いをはせるのは、多くの場合が一人の“魔法使い”についてだ。


“魔法使い”をウィルソンが初めて目にしたのはもう10年は前になる。

攻め入ってきた他国との戦の中でだった。

それが初陣だったらしい“魔法使い”の圧倒的な魔法に感嘆し、そして“魔法使い”が愛する者にむけるその視線に恋をした。



初めから自分のものではなく、そして王となった今も、“魔法使い”の心は手に入らず、それどころかなお遠く離れていく。


世間では賢王と名高きウィルソンだが、ただこうして夜な夜な想いをはせることしかできずにいる。


そこにあり、輝きながらも手からは遠く、届かない。


月のような“魔法使い”。


ウィルソンは、手に入らないならばせめて傍にと無理もした。

その結果“魔法使い”を苦しめていることも自覚している。



ただ“魔法使い”のことだけを望んで国の主となった男は、願い叶わず今日もまた《無欲な賢王》として王座に座り続ける。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ