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第三話:五日前

 水曜日。

 昼休み。


 俺は、教室でノック式ボールペンをカチカチと押す。

 頭の中で核ミサイルを発射している。

 もう千回以上、人類は滅亡した。


 佐藤が寄ってきた。

「サタンを呼び出そうぜ」

 このバカは何を考えているのか。

 サタンなんて、いるわけないじゃないか。


「何で呼び出すんだ」

「お前、頭が悪いな」と佐藤が笑う。

 成績は最悪だが、佐藤ほどではない。

 こいつは何を考えているのか。


「昨日、言っただろ。東京都民皆殺し計画の件だ」

 また、すっかり忘れてた。

 昨日のスカイツリーでそんなこと言ってたな、このバカは。


「それと、サタンと何の関係があるんだよ」

「サタンに祈って、成功させてもらうのさ」

 俺はあきれた。

 しかし、ヒマなんで付き合ってやることにした。


 夕方、荒川岸。

 血のような夕焼け。


 佐藤が、どっかから盗んできた聖書を焼く。

「それで、サタンが言うことを聞いてくれるのか」

「そうさ」と佐藤がまたニヤニヤ笑っている。

 やはり、こいつはバカだ。

 紙を燃やしただけだろ。


 結局、火は途中で消えた。

 佐藤は、ボロボロの聖書を荒川に蹴り込む。

「サタン、よろしくー!」とか叫んでる。

 痴呆症みたいな顔だなと俺は思った。

 下らん。

 

 佐藤はサイコパスじゃないかと、俺は思ったことがある。

 しかし、以前、ネットで『サイコパス診断』というサイトを自分でやってみたら、『あなたがサイコパスの可能性は百パーセント』って表示された。

 思わず部屋で一人笑い続けた。




 一時間くらい。

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