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裏目

一度すり減った精神は簡単には戻らない。

底は減って深くなる一方で

満ちても満ちても漏れ出すばかり。



確率や科学では説明はつかないが

麻雀には確かに 流れ がある。

勝つときはとにかく勝つ。

負けるときは何をやっても負ける。

同じ色の牌が押し寄せたり

既に捨てた牌がなければ取り返しのつかない手牌になることもある。


おそらく自分の人生は全て、ほぼ全て裏目に出てきた。


メインストリームから離脱し、サブカルチャーをも否定した自分にはいったい何が残っているのか。


自分の望む世界はどこにもない。

と言えば自分が主人公のようだが、そうですらない。

そういう自分になってしまったのだ。



少年時代は学校で満足な生活を送れなければ居場所を失う。

学校に行かなければ親に叱られ、家も居場所ではなくなる。

そうして行き着いたのがインターネットであり、音楽だった。


当時のインターネットは狭かった。

検索すれば欲しい情報がすぐさま手に入り

誰かが新作を投稿すれば埋もれることなくニーズに届いた。


今はどうだ。


金になると気付いた人間たちがインターネットに雪崩れ込み

効率よく収益化できるコンテンツばかりが蔓延った結果、無駄、虚無、焼き増し、そればかり。


懸命に作った会心の一撃がそれらに埋もれる。



コピー、カバー、二番煎じ

映像美、体形、露出、顔


無名が名を売るにはそれらが必須となった。

そうして売った名には何の価値があるだろうか?




昨今、AI等技術の進化によって人間の仕事が奪われるという話がある。


様々な利権が絡みそういったことは相当未来の話になるとは思うが、もし人間が労働や金銭から解放されれば何が残るだろうか?

名を売り金を得るためのコンテンツ群に価値は残るだろうか?

新たな評価の指標は何になるのだろうか?


僕はそれは、芸術だと考えている。

娯楽と、カルチャーとしての価値は別にある。

人類に必要なのは

科学を進める人間、芸術やカルチャーを発展させる人間。

いずれその二者だけの世界が地球外に作られる。


その才の無い者たちは地球に残され、地球と共に朽ちて行く。


そんな未来がきっと来る。

未来に生き残るためにも人間は探求しなければならない。



僕は

既にすり減った人間だが

純粋な芸術としての音楽を

探求し続けねばならない。


解放された世界へ行くために。



貴様らの行為はきっといつか裏目に出る。

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