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おーい☆MADぐんしょー  作者: ジェイのすけ
17/19

#17【その 夢の唄にささぐ】

 天才! 祐天寺の目が光った。

 それはおとことしての意地、そしてプライド、そして天才としての生き様でもあった。何にも敗北する事ない! 何にも平伏す事ない! 何にも侵害される事ない! 万事これ、我のすものに間違いは無し!!

 ――それが祐天寺流の人生訓なのである。

「行けよ、我が私兵! 我が下僕しもべども! 我らに仇なすものを見ん事蹴散らして見せよ!」

「ラジャー!」

 祐天寺のその号令と共に、五人のカラフルな若者達が立ち上がった


 ドナイダーべに

 ドナイダー群青ぐんじょう

 ドナイダー山吹やまぶき

 ドナイダーすもも

 ドナイダービリジアン


 彼らはあの『念仏スピリチュアル因果サイクロンシステム』の申し子である『ドナイダーロボRX―ゴルゴ38』へと乗り込んでいった。

「アクション!!」

 ドナイダー紅の軽快な雄叫びと共に、彼らは奇妙なポーズを取りながらマシンを動かした。

 それは一体どんな意味があるのだろう。どんな作用で動くのだろう。などとそんな野暮な詮索は置いといて、ドナイダーロボは、そのぎこちなく、無理矢理箱が連結した鈍い動きと共に、マッド軍曹の操る『パイターン3』の元へと飛んで行った。



 ♪ジャンガラ戦隊ドナイダーオープニングテーマ

 『ゆけ! ジャンガラドリーム』


 作詞/やばもとまさゆき  作曲/綿飴酎命  編曲/平和島健太郎

 

 前奏(鐘と太鼓の鈍調な音)  台詞(念仏念仏ジャンガラだー)


 ♪腐れ切ったアイツの町に 死人の声が聞こえるよ〜


 あかく染まったTシャツに お前の憎しみ届くとき〜


 みんなの絶望救うのは


 群青色の涙だけ  (いいえ、そんな事ないわ!)


 そうだ! 山吹の 山吹色の小判が 我らが目の前ザックザク!


 そうしてピンク色のネオン街に繰り出せば〜


 突けずやらせずぼったくり〜


 嗚呼気分はビリジアン 嗚呼気分はビリジアン


 一体その色どんな色


 緑でいいんじゃないビリジアン〜


 行け行け! ジャンガラ戦隊 ドンと行ったれ〜


 (二番割愛)



 ジャンガラ戦隊の五人の魂は燃え上がっていた。ジャンガラロボのコックピットの中に、今どきレコードプレーヤーがあったのだ。

 しかし、コックピットの揺れが酷く、レコードの針が跳びに跳びまくっていた。

「ええい! こうなったらアカペラで勝負!」

「ラジャー!!」

 五人揃って二番を唄おうとしたそのときだった――

 五人の目の前に、一瞬にして閃光がはしり抜け、この上ない灼熱の炎が舞い上がった。

「うわあぁぁぁー!!」

 それは目を疑うまでもない、まがうかたなき一瞬の光景だった。

 彼らは目映いばかりの光とその膨大な熱で、その姿を、その全てを、息をのむ間もなく蒸発させてしまったのだ。


「見たか、祐天寺。見たかジャンガラドリームに溺れる者達よ。ボクちゃんのこの『パイターン3』は、文字通り無敵なのよ」

 マッド軍曹――松戸博士は、かのコックピットの中で不敵な笑みを浮かべ、左団扇ひだりうちわで麦茶を飲んでいた。


 

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