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勉強の神様は人見知り  作者: 京夜
神様の自信
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高校二年生



 三学期が終わり、ふたりにとっても心地の良かった一年は終りを告げた。


 高校二年生となり新たなクラスが発表になると、誠やまどかを含め、みんなが誰と同じクラスになれたかで、一喜一憂していた。


 クラスがそれほど多くないことが幸いしてか、誠とまどかはまた同じクラスになることができた。

 曜子もさいわい同じクラスだった。


 他には女子では桜と楓が。

 男子では、涼と賢治、それにあらたに悠太が同じクラスになった。


 かわりに、麻友や宗志は残念ながら別クラスになってしまった。



 今まで誠にとって、クラスメイトが誰になるかはまったく問題にしていなかった。

 今年は初めて、まどかや曜子と同じクラスになれたことが、本当に嬉しかった。

 誠は一緒にいたい人がいる幸せを噛みしめていた。



 この学校では、2年生の1学期に修学旅行がある。

 行事のつまりがちな秋を避けて、むしろ新たな友達と交流を深める意味もあって、この時期に行われているらしい。


 行き先は京都・奈良。


 定番とも言える修学旅行先で、生徒によっては小学や中学の修学旅行で行ったこともある人がいたが、どこへ行くかよりも、誰と過ごすかが楽しみの生徒たちにとって、大きな問題ではなかった。


 見学時はクラスごとの移動。

 部屋の割り振りは、番号順で決められているので楽しみはないが、自由行動の時間があって、そこだけは誰と行くか、どこに行くかで盛り上がっていた。


 自由行動のグループを決めるときは、誠はためらいがちにまどかに声をかけたが、まどかはすぐさま笑顔でうなずいてくれた。

 もちろん、まどかが曜子も誘うことに、誠も異存はなかった。

 そしてもう一人、このグループに入りたいと声をかけてきた人がいた。


 悠太だ。


 もちろん悠太は友達も多く、彼が声をかければグループも作れるし、声をかけてきた友達もひとりふたりではない。

 それらをすべて断って、悠太はまどかに声をかけてきた。


 まどかは幼馴染のお願いに、素直に「いいよ」と答えた。

 誠は面識は無いので困惑したが、まどかの幼馴染と聞くと安心して了承した。

 曜子は、複雑だった。

 もちろん、悠太とは仲が良かったが、それぞれの気持ちを知っているだけに、悩んでしまう……とはいえ、まどかと誠が承諾したのだから、それ以上断る理由もないのだが。


 曜子は悠太に耳打ちした。


「まどかと誠は付き合っているよ。いいの?」


 悠太の返答は意外なものだった。


「知ってる。まどかから聞いた」

「…………」

「聞かされたときはショックだったけれど、それで諦められるわけじゃないから」

「……そうだったね。解った。でも応援もできないよ」

「解っている」


 悠太はすべて理解していた。

 覚悟した上での行動だった。

 曜子としては、悠太のことを応援していた時もあったので、どこか複雑な気持ちになる。


 悠太は今では学年でも1、2を争うほどの、女子からの人気となっていた。

 本当か嘘か、ファンクラブまであるという噂も聞いている。

 

 それなのに、振り向いてほしい人に、振り向いてもらえない。

 小さな時から知っていて、ずっと好きだったにもかかわらず、実らなかった恋。


「切ないね」


 曜子は思わずつぶやいた。


「……ほっとけ」


 悠太はいつもと変わらない。

 変わらない表情の裏に、どれほどの思いが隠されているのだろうか。

 曜子はふとそんなことを考えた。




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