プロローグ
本篇はこの次の話からとなります。
むかしむかし、私たちが夜に見上げる星空のむこう、うちゅうのはてのさらにずっと先に、ステラヤードというところがありました。
そこは、いつでも、春のよくはれた日のようにあたたかくしずかでした。
このステラヤードでは、ちきゅうと同じように、昼と夜とが毎日めぐっていました。
昼、ようせいたちは、あちこちをさんぽしたり、うたったりおどったりして、のびのびとたのしくすごしていました。
夜になると、彼らはみんなだれでも家の外へ出て、かぞくやなかよしの友だちと、一日のできごとを話し合うのです。
そう、ステラヤードの夜は、まっくらやみではありません。ひくい草の生えた原っぱも、さらさらとながれる小川も、そのそばのまるく平べったい石も、おだやかでやさしい光にあふれます。
ステラヤードは星たちの生まれそだつところ――雨のひとつぶよりももっと小さい星の赤ちゃんが、いろいろなばしょにやどっています。
星たちは何十年、何百年をかけてすこしずつ大きくなっていくのです。
そして、よくそだちきった年のとある一日、夜に天へむかってのぼっていきます。まるでそれは、ダイヤモンドやしんじゅ、すいしょう、せかい中のあらゆるジュエルをばらまいたようでした。
ステラヤードのようせいは、とくべつに明るくうつくしいこの日を、星あがりのおまつりとしていわっています。
そんな星あがりのおまつりの夜のことでした。ようせいたちは、ふん水のようにわきのぼる星にかこまれて、おしゃべりをしていました。
とつぜんに星がふっときえて、あたりいちめんまっくらやみにつつまれました。ユルセナイヤとそのぶかが、ステラヤードにやってきて、星のすべてをうばいさったのです。
それからというもの、ステラヤードには、昼でも夜でもいつであっても、おもくいきぐるしいやみがおりたままになりました。つめたくかわいた風がふきつけ、もうようせいたちがさんぽしたり、うたったりおどったりすることはできません。
これまでステラヤードをおさめてきた女王さまは、ユルセナイヤにうばわれないよう、きゅうでんの中にいくつかの星をかくしていました。女王さまは、その星たちにねがいをかけました。
「いいつたえでは、とおいうちゅうのどこかに、でんせつのせんしプリンセスタがいるそうです。かの女たちなら、ステラヤードをすくえるかもしれません。あいするステラヤードとたみのために、わたくしのもつのこりすべての力をささげましょう」
くらいステラヤードに、ほんのみじかいじかん、きらめきがあらわれました。星あがりのおまつりの夜にもまけないちからづよい光でした。
このとき、ユルセナイヤをこわがり家でじっとかくれていたようせいたちにも、女王さまのお心がつたわったのです。かれらはステラヤードをはなれました。プリンセスタをさがすため、うちゅう中をたびしています。
力をつかいはたした女王さまは、きゅうでんのおくで長いねむりにつきました。
ずっとずっと、ようせいたちや女王さまはまっています。ステラヤードをすくうプリンセスタと、そしてなにより、光をとりもどしたあたたかくしずかなふるさとを――。




