表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/32

闇ギルト-2

「闇ギルド?って何ですか?」

 俺が大男に聞き返した。大男が答える。

「盗み、恐喝、詐欺、強盗、時々暗殺なんかが専門のギルドだな。たまに慈善事業をやることもある」

(要するにファンタジーヤクザか)

 俺は納得した。とりあえず犬男に付きつけていた短刀を引っ込める。拘束魔法はまだ解かない。荷物を拾ってから、大男に声を掛ける。

「とりあえず、俺の反対側に行ってくれません?」

 このままでは行き止まりなので、いざとなったら逃げられないからだ。大男が犬男を中心に回り込むように、行き止まりに向かう。俺は短刀を犬男に向けながら反対側に移動していく。少し距離を取ってから、拘束魔法を解いた。拘束と緊張の解けた犬男が、思いっきり深呼吸をしてから、俺に向かって指をさして、叫ぶように言う。

「ふざけんなよ、テメー!死ぬかと思ったじゃねーか。あと、俺の短刀を返せよ!」

 俺は短剣を投げて返した。犬男が大げさに投げた短剣を躱して、更に叫ぶ。

「いや、投げるなよ。あぶねーだろうが!」

 叫びまくる犬男の頭を、大男がぶん殴ってから言う。

「うるせーぞ、ガロ!」

 ぶん殴られたガロと呼ばれた犬男が、大男を見て言う。

「ちょっと兄貴!ぶん殴る相手が違うじゃないですか。アイツをやっちゃってくださいよ!」

 そう言って俺を指さす。大男がもう1回ぶん殴る。

「お前は、さっきの話を聞いていなかったのか?」


 俺は二人の漫才には用はない。さっさとその場を離れようとする俺を、大男が呼び止めた。

「おい、兄ちゃん!この後で行く当てはあるのかい?どうせないんだろう」

 俺は大男を見つめて言う。

「なんでそう思うんですか?」

 大男がニヤついて答える。

「こんな夜更けに荷物を背負って一人でブラついている奴を見たら、まあそう思うだろう?」

 俺は何も言い返せない。

 大男が俺に提案をする。

「兄ちゃん、良かったら、うちのギルドに来ないか?」

 何か言いたげがガロを、大男が押さえつける。

 俺は少し悩む。行く当てがないのはその通りなのだが、だからといって裏社会入りは流石に抵抗がある。

 迷っている俺に、大男が言う。

「兄ちゃんはなんか欲しい物とかないの?金とか酒とか女とか?」

 どれも要らない。興味が無くなったので立ち去ろうとして時に、大男が追加で言う。

「うちには黒魔法に詳しいやつもいるぞ!」

 その言葉は、俺の耳に刺さった。振り返った俺に、大男が楽しそうに言っていく。

「そうだ!この辺りで一番優秀な黒魔法使いはうちのギルドに居る。そして、より高位の悪魔とも契約出来るぞ!」

 俺は乗ってみることにした。

「少し興味があるので、招待してもらってもいいですか?」

 大男が歓迎するように手を広げる。そして名乗る。

「俺の名はバズ。お前さんの名前は?」

「ドナルド」

 俺は馬車でミリアに名乗った名前を答えた。


 バズに案内された建物は、一見は普通の建物に見えた。

「建物に入って、右手に階段がある。その裏側に隠し階段があるから、そこから降りていけ。その先に居るヤツへ、バズの紹介で来た、って言えば話は通るはずだ」

 それを聞いて、俺は建物に入っていく。言われた通り右手の階段の裏側に回る。手で探ると、引き戸が見つかった。そこを開くと、地下へと続く縄梯子が見つかった。

(秘密基地くらいチープな感じだけど、大丈夫なんだろうか?)

 そんなことを考えながら、俺は縄梯子を降りていった。


 建物の外で、ガロがバズに質問する。

「なんで兄貴は、あんな奴をわざわざギルドに招待したんですか?」

 バズがガロに答える。

「寿命を削る黒魔法を、ガンガン使う野郎だ。おまけに根無し草。鉄砲玉とか色々使えるだろう、多分」


 愚かな二人は招き入れた。破滅をもたらす、更なる愚か者を。

もしよろしければ、リアクション、高評価等を頂けると、励みになりますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ