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加害者ファーストのこの国で ~復讐代行人~  作者: 月夢雫


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正義 2

 法務大臣が帰宅すると、息子がまだ帰らないと妻が心配していた。

だが息子と言っても、とうに成人して好き放題してる奴が帰らなくても珍しい事でもなんでもない。


友達の家か、帰るのが面倒でホテルに泊まっている可能性もある。

そんなよくある一日を過ごしていたが、視界が突然暗くなった。


携帯のライト機能を利用して、近所の家を確認すれば明かりがついている。

どうやら停電ではなく、この家だけの問題のようだ。


しかし、家族は今は法務大臣と妻だけで、消費電力の多い家電を使用しているわけでもないのにブレーカーが落ちるなんて事があるだろうか?と思いながらも、携帯の明かりを頼りにブレーカーの方へと歩いて行った。


「法務大臣、そのまま両手を上に」

突然見知らぬ男の声がして、心臓が飛び跳ねるかと思った。


「奥様は、意識を失ってますが眠ってもらってるだけで何も問題はありません。ソファーで寝てもらっています」


突然の停電を動揺していた妻が妙に静かになったとは思っていたが、いつの間に妻は意識を失っていたのだろう。


とすれば、当然この停電はこの男、またはその仲間がやったと考えるのが自然だろう。

「近くの部屋までお願いします」


背中には何かを突きつけられている。

暗闇の中で確証は持てないが拳銃のような物である。と推測される。

それが本物かモデルガンか玩具かは今の状況では判断がつかない。


「息子さんの件では色々とご苦労が絶えないようですね」

近くの部屋に入り、腕と足を拘束された。


「喧嘩やいじめどころか、殺人までもみ消すとは法務大臣の権力は凄いんですねぇ」

男の表情は暗闇の中で何も見えない。

だが明らかに、不都合な真実を知っているような口振りだ。


「何の話をしているのか、まるで分からん」

ここでボロを出すわけにはいかない。


数日前に目撃者の家族をその場で仕留められなかったから、死ぬまでの間に誰かに情報を伝えられた可能性は十分に考えられた。

そして情報を伝えられたとして、此処までするのはただ一人しかいないだろう。


「では、こちらの映像に見覚えは?」

この情報化社会で映像等には気をつけていたはずだが、何か見落としがあったのかと覗き込んだその先には息子が映っていた。


「息子だ。あいつに何をした?」

息子は明らかに動揺しており、助けてくれ。と言った言葉を繰り返している。


「まだ何もしてません」

そう言って、カメラの映像が切り替わると、其処には豚が数匹狭い場所に閉じ込められていた。


「このスイッチを押せば、しばらく絶食していた豚達が惑うこの部屋に落とされる可能性はあります」


息子は絶えず、救出を求める声と罵倒を繰り返している。

この息子にどれ程迷惑をかけられ続けてきたのか。


「何が目的だ?」

ただの復讐が目的ならこのような事はせず、息子を殺して自分を殺せば良いのに、目の前の男はそうしない。


「今まで息子の様々な問題を隠ぺいしてきましたね?そして、それは殺人でも変わらなかった」


この男は、十中八九目撃者の恋人なのだろう。

目撃者を襲わせた男は行方不明になったとは報告を受けている。


「しかも、息子に殺されたのはいじめ…というより日常的に暴行を受けていた孫が亡くなり、その事について息子に何度も会いに行った際に、強めに突き飛ばされ祖父は頭を強打した。しかし、それを救護する事もなく逃走。さらには、死亡確認しようと思い返して戻った際に祖父に声を掛けていた女性がいた為、頭を殴打して、二人を車に入れて、貴方に後始末を押し付けた」


随分と細かい所まで調べられてしまったようだ。

「一人は息子の同級生の祖父で身元が判明していたが、身元不明の目撃者の女性の身元を調べると、家族と恋人に警察官がいる事が判明した為、トラブルになる事を恐れて、適当な男に性的暴行を依頼、その後目撃者は自殺。目撃者の姉が真実に近付いた為に殺害。刃物による傷が致命傷となったのにも関わらず早期での捜査打ち切り。それらを貴方が指示した。そういう事で合ってますか?」


目撃者の姉から情報を持ち込まれたにしても、よく此処まで情報を掴めたものだ。

「先程から何の話をしてるのか全く分からん」


しかし、ここで全て認めるわけにはいかない。

証拠は自白する以外に何もないのだから、自分が認めなければ何も変わりもない人生を送れる。


「ちなみに少し脅したら息子は、大学時代の同級生の祖父を殺した事、目撃された女性を拉致した事、その後の後始末は貴方に任せたから、その後どうなったかは知らない。って話してくれましたよ」


余計な事ばかりするのは一流だ。

「脅されたと言えば証拠能力はないでしょうが、映像にも残してあります」


男はスイッチをわざとらしく目の前に出してきた。

「此処で一緒に豚による馬鹿息子の解体ショーを見ますか?」

息子も揃っている時に襲ってこなかったのも、この為だったのだろう。


「…この件には無関係だからあまり巻き込みたくなかったのですが、馬鹿息子なんてどうなっても良いという事であれば、今は何も知らずに眠ってるだけの奥様にもそれなりのショーに参加してもらう事になりますが、それでも何も知らないままですか?」

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