第78話 サッカーしようぜ!まず練習三時間走り込みな?
サッカーメンバー
石田、網玉、小野田、ガマ、ガロウ、東雲、冰鞠、巴、星谷、社早苗、龍之介、アンディー
電子マネーに金をぶち込み、必要最低限の現金を財布にしまい込み、俺はみんなが集まっているであろう総合グラウンドに到着する。球技大会の練習ということもあり、一応動ける服に着替えたのだが共に練習する相手が相手だったことを忘れていた。
集合しているサッカーメンバーのところに行くと真っ先にガロウが話しかけてきた。
「よお、星谷。ガマから聞いたぞ。お前にもZONEが目覚めたんだってな」
「まあな。これでようやくお前らと同じ台に立てた。こっから俺はさらに強くなるぞ!」
「尻尾仲間としてこれからも仲良くやろうな!フレンドリー!」
「おう!龍之介、あとで尻尾の使い方とか教えてくれよ。自分から動かして使うってことまだしたことなくてさ、その特訓に付き合ってくれないか?」
「任せとけ!オフコース!」
「とりあえず、メンバーは揃ってるみたいだし、練習始めよう!練習道具をさっき学校から借りてきておいた!」
「お、サンキュー石田。ガマはあとでしばくから。」
「何でや!」
「グルラでやったこと根に持ってるからな。」
「わかっとるって、あれはもう消したから安心せえや。」
「割れてるやつで一人爆速保存してるやつがいるんだが???」
「消すよう言っとくわ」
軽く雑談し、準備運動をしてグラウンドで練習を始めようとしたがいいものの、一つ懸念点があった。
「ここにいるやつらで、サッカー経験者いる?」
「「…………」」
やっぱりいない。まあ、メンツがメンツだ。仕方がないと思っていたが、まさか、一人もいないとは思わなかった。
広い芝生のグラウンドを静寂が包む中、一人だけ名乗り出る者がいた。
「はい!私なら何とか練習を教えることができるかもしれません!」
社早苗が少しだけ不安な表情を浮かべて手を挙げて言った。すかさず疑問を投げる
「できるのか?」
「幽霊さんが見つかれば何とか!」
「そうか幽霊や!サッカー選手の幽霊を死者との契約で宿して指導してもらえばええんや!」
「そういうことです!ですので、ちょっと待っててください。」
そうすると早苗は、何やらサッカーボールを足で蹴りながらグラウンドの周りを走る。走って、走って、走って、走っている。一体何が起きているんだと一言いれようとしたが、早苗のその集中力がこれから何かを起こしてくれるのだろうという期待感を抱かせる。
そして、事が起きたのが早苗がグラウンドを10周したあたりだった。突如として、早苗が俺たちの方へと戻ってくると、早苗の顔つきが少し変わっていた。堀が深くなって美人に見えるが、どこか雄々しい感じがする。
「ヘイガーイズ!君たちがMs.Sanaeが言っていたサッカーで勝ちたいやつらだな!」
「「!?!?」」
あれが、早苗か?正気を疑うほどにキャラが変わってる。いや、実際にはサッカー選手の幽霊が憑いているのだろうが、だとしてもだ。なぜよりにもよって外国人の幽霊を引き当てるんだ……!?
「Yo, dude! Totally, thanks! I'm stoked to learn soccer from a badass like you!」
「Yo, bro, I'm pumped you get me! Ain't many American ghosts floatin' 'round these parts, so it gets kinda lonely, ya know? I was just wanderin', lookin' for somethin' to kill time, when this lil' lady shows up, all like, 'Help me out!'」
「えっ、アンディー英語ペラペラ!?」
「Man, didn't I already tell ya? I'm half American, born with stars and stripes in my blood! That's why I sling English like a pro.」
「日本語で話してもらえると助かるのだけど。」
「なあ、前に言わなかったっけ?俺ちゃん、半分アメリカ人なんだよ。血の中に星条旗が流れてんだよ!だから英語ペラペラなんだぜ?」
「ちょっとカッコイイと思ったけど、アンディーなんだよね……」
「俺ちゃん、すっごく傷ついちゃった。女子からの下げ澄んだ目が心を締め付ける。まるで気の強い女房に叱られたみたいに萎えちゃうぜ。」
「それで、彼はなんて言ってるの?」
「「なあ、兄弟、俺のこと分かってくれてマジで嬉しいぜ!この辺じゃアメリカ人の幽霊なんてほとんどいねえから、めっちゃ寂しいんだよ。時間潰しに何かねえかとフラフラしてたら、急にこの嬢ちゃんが現れて、『助けて!』って感じでさ!」だってよ。」
「なるほど、それでサッカーの指導を。」
「ついアメリカの血が出てしまったな。よし早速始めよう!まずは、簡単なドリブルからだ!全員ボールを持ちな!ドリブルをしながら外周を走ってもらう!タイムも測ってやるからな!」
「「はい!!!」」
三時間後
俺は、両膝に手を突き、その場に立ち止まる。
「も、もう足が動かない……」
「俺もだ、だいぶキツくなってきた。」
「オイオイ、もうできないのか?ヘタレって呼んでやるぜ?」
「いやいやいやいや、俺たち頑張ってる方ですって!他のみんな見てくださいよ!」
俺は、グラウンドの少し坂になっているところにいる他のメンバーを指さす。
「むっちゃ疲れた、足が痛いぜ。ソウ、ペイン...…」
「ドリブルの次はパス、その次はコート全力ダッシュでワシの足は破壊されたで……冰鞠はん、おおきにやで、足冷やしてくれて。」
「か、勘違いしないでよね。あんた達のためにやってるんじゃないんだからね。」
「石田殿、足がっちこちになってるでござるよ!?」
「岩のように固い。枕には向いてないけど高さを好みだな。」
「石田君、大丈夫?」
「あ、アンディー君。足を枕にしないでくれ……いたたたた」
「(帰りたい……)」
冰鞠さん自らが、みんなの足を冷やして回ってるほど、みんな相当疲れていることが目に見える。
「うーむ、やはり休憩を挟むか。では10分休憩を挟んだ後にワンブイワン練習だ!」
シュート練習か……俺は多分普通のシュートを打つと思うが、他の奴らのシュートが心配すぎる。ガロウのシュートとかゴール壊れるだろ。いや、キーパーをつければいいのか。このメンツの中で一番耐久力があって頑丈なやつ……ガロウ?いや、まだいるはずだ、探すんだ頑丈なやつを……
休憩時間の合間、俺は網玉の足を冷やす冰鞠に声をかける。
「冰鞠、少しいいか?」
「何?気安く話さないでくれる?(何か用?)」
「お前って硬さに自信ある?」
「何言ってんの?潰すわよ?(一応あるにはあるけど。)」
「キーパー頼める?」
「はぁ?凍死したいの?(え?私でいいの?)」
「やっぱりダメか?」
「消え失せてくれると助かるのだけど(やっては見るけど、無理だったら無理って言うから。)」
「了解。」
二次創作を作ってる気分
取り憑いているサッカー選手の名前はジョン。多分作中はジョンって呼ばずに早苗監督になるかも。
次回は面白くなるはず
誤字というか変なコピペを修正しました。たまに起きるんですよね、これ俺の不具合なんで