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第51話 腹が減っては戦はできぬ

 4/15日、決戦の日はやって来た。ガマとキリエは早朝から武器を取りに本多さんのところに向かっていた。時間割的には五時間目が体育になっている。今はまだ三時間目だが、それまでに帰ってきてくれればいいんだが。


「キリエさんたちはどちらに行かれましたの?」


「あいつらは本多さんのとこに武器取りに行った。この前EDEN財団の研究員に絡まれて、サヴィターとか言うやつと戦った報酬として作ってもらってた。キリエの方が最終調整してて時間食ってるらしい」


「そうでしたの。土日いなかったわけがわかりましたわ。」


「土日練習行けなかったのは悪かったけど、お前らはちゃんと練習したんだよな?」


「愚問:当機体はあなたたち以外の土日の練習データをすべて記録してます。問題ありません。」


「おお、それは頼もしい。」


「そう言えば、星谷君は城ヶ崎と戦ったんだろ?どうだった?」


「ああ、病院送りにされたよ。ありゃとんでもねえバケモンだったが、俺はただ負けた訳じゃねえ。ちょっとだけZONEも目覚めてきた。エナドリぶち込んで五分しか戦えない限定モードだが、作戦には支障をきたさねえ。」


「「(この金土日にお前には何があったんだ…!?)」」


 そんな会話を交わし三時間目の授業が始まり、終わり、同様に四時間目の授業が終わった。連絡が来ない、皆は早々に飯の準備を始めているというのに一向に連絡が来ない。あいつら大丈夫か?と思っていると、火野さんがガマとキリエを担いで教師へと入って来た。


「すまへんな、遅れてもうたわ」


「大丈夫だ、間に合ってるぞ。」


「お迎えありがとう火野さん。」


「いいんだよ、それはそうと美味しそうな香りがするのだが…」


「手ェ洗ってから席に着けよー!」


「桃太郎君、温めて完了したそうだ!」


「よし、龍之介たち配膳手伝ってくれ!」


「ねえ?これ私の分ってあるの?」


 火野先生は必死に声をかけるもその声は届かない。そそくさと動く桃太郎たちの耳には届かない。すごく食べたそうな顔をする火野さんだが、火野さんにこの料理を食べられてパワーアップでもされたらこっちが勝ち目がないのだ。


「火野さんの分はないぞ。」


「え…」


 膝からガクッと崩れ落ち、「ねぇ!?先生の分はあるんだよねぇ!?ねぇ!?」とキリエの服しがみつく火野さんにキリエは手作り弁当を手渡して退出を促す。想像以上にショックを喰らっているらしいが、計画通りだ。






 狩高3-A(28)


[2215年 4月11日(木)]


星谷

「火野さんにダメージを与えられる方法なんか思いつく?」


キリコ

「物理」


SASAKI

「斬撃」


ドラゴン竜

「巻きつき」


小野田

「音?」


アンディー

「全部防がれそうで草」


カエル

「非物理攻撃で火野はんにダメージ与えれる方法ってあるんか?」


ひな

「わたくしの魅力で堕とすというのはいかが?その気になれば女だって堕とせなくもなくてよ?」


アンディー

「と言われてますが@三久」


三久

「あ、あれは、そそのお…」


ドラゴン竜

「あれはしょうがない勝てない」


三久

「あなたに言われても慰めにならないんですけど!?」


ひな

「火野先生は好きな方でもいらっしゃるの?」


ひのとも

「私知らない」


キリエ

「いたわね」


カエル

「いたな」


星谷

「ジョーカーのこと?」


awami

「!?」


ひのとも

「!?」


石田

「ジョーカーってあのジョーカー!?」


呂布

「ヒヒン!?」


キリエ

「バカ!言うんじゃない!!!」


カエル

「あーもうめちゃくちゃや」


ひな

「それ両想いですの?」


星谷

「おそらく。」


ひな

「両想いではむりですわ」


星谷

「だけど失念していたな。火野さん、精神攻撃に対して耐性あまりないかもしれない。」


キリエ

「確かに弱いと思う。」


カエル

「反動で無茶苦茶強くなるはあらへんよな?」


ひな

「ギリギリの塩梅の精神攻撃って何かありますの?」


星谷

「みんなで桃太郎の強化飯食べるのを見せつけて、一つもあげないとか?」


ピーチ丸

「元々強化飯は先生分のは用意してないからな。作戦として実行するのはアリだと思う。」


SASAKI

「飯の恨みは恐ろしいものでござるからな」


きりたん

「ハブられると胸にくるよな、こうグサっと」


カエル

「でもそれだけで弱体化するもんか?気休め程度にもならんと思うねんけど。」


星谷

「ないよりはマシだろ。強化飯をつまみ食いされる可能性もあるし。」






 机の上に並べられる特性強化飯。基本はおにぎり二つに唐揚げ、具材たっぷりの味噌汁と海藻サラダと牛乳。一見普通そうな見た目だが、本当に効力があるんだろうか?


「手合わせやがれ!」


「「いただきます!」」


 桃太郎のいただきますの合図と共に俺たちは強化飯を食べ始めた。感想は、何というか懐かしい味だ。俺は覚えがないのだが体が覚えている味だ。「学校の給食」という言葉が聞こえて来るからきっとそれに近いのだろう。桃太郎の家が給食作ってるとこの家だから味が似るのは当然の事なのだろうか?まあ、美味い事には変わりないから深く考えることでもないか。

 昼食を終えて残った時間で着替えを済ませている最中にガマに話しかける。


「なあ、結局ガマたちの武器ってどうなったんだ?」


「ああ、それなんやけど。ワイはこれを作ってもらったんや。」


 そう言ってガマはバラバラの何かのパーツのようなものを取り出し、そそくさと組み立てると紫色の螺旋状に渦巻いた三叉槍になった。


「おーまさしくエヴァンゲリオンで草」


「まあ、それはワイもそう思う見た目やが、こいつは蝦蟇の三叉槍(フロッグトライデント)や!」


「で、どんな性能してるんだ!?」


「普通の三叉槍やけど。」


「普通の三叉槍?特殊能力とかない普通の?」


「せやで、変にあっても使いにくいと思うねん。ワイのは弾け飛ぶ衝撃(ノックバック)があるし、攻撃できる範囲が伸びるだけでワイの弾け飛ぶ衝撃(ノックバック)は実質強化されるしな。」


「じゃあ、キリエの方はどうなんだ?」


「まあ、それは運動場に行けばわかると思うで。」

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