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第16話 鉄心というか、恋心がない

「ッシャオラァ!!!まずは三キル成功!そんでもって……プハァー!まるで勝利の美酒だなこりゃあ。」


 サポートアイテム:ヒールドリンクを飲みHPを回復する。味はあまり飲んだことは無いがエナドリに似ている。トロピカルな味わいで甘く癖が無く飲みやすい。


 一回の被弾とはいえ、結構なダメージを食らった。あの実体化のZONE、贋作昇華(リアリティ)って言ってたっけ?本人に聞いたのだが、曰はく使い勝手が悪いらしい。オモチャ以外にもレプリカやフィギュアなんかでも実体化は可能らしいが性能が作中などのスペックより圧倒的に下回るそうだ。例えば最強の剣として売り出されている剣は、実体化すると普通の剣か、ちょっとだけ切れ味の良い剣くらいにしかならないらしい。さらには実体化にもブレがあるそうでたまに実体化できなかったり、スペックがあまり下がって無いものが作れたりとギャンブル性能が高い。


「それにしても、開始の時のあの大爆発。演出って訳じゃないよな?爆破系の能力のZONE持ちでもいるのか?」


 独り言をぼやきながら幼児用複合遊具、つまりは爆心地へと向かう。


 爆心地は何と言うか、酷い有様だった。互いに初手大技で諸共爆散した跡がある。地形の半分は氷漬け状態、もう半分は全てが焼け焦げ、場所によってはドロドロに溶けており、爆心地の中心はぽっかり穴が開いている。既に閉園状態ではあるが修繕費が馬鹿にならないだろうことは容易に想像が付く。


「このレベルの火を出せるのは、火野さんと遜色ない強さのやつがいるって認識で合ってんのか?しかも、それとやり合える氷を操るZONE持ちがいるのか。俺、付いて行けんのかこれ?」


「それは、お前次第だろうな。」


 背後から声をかけられる。声をかけられた方を見ると開始時に質問をしていた青髪のウルフヘアの男子の宮本龍之介と灰色のデコ出しツンツン頭の真面目そうな眼鏡をかけた男子である石田学人、俺の席の前に座ってたクリーム色の三つ編みヘアの女子がいた。


「宮本龍之介と石田学人、あと…」


双葉三久(ふたばみく)です」


「あ、そうそう三久さんだ思い出した。」


(わたくし)のことも、思い出しなさってくださいませ!」


 そう颯爽と現れたのは、開始前に質問をしていた金髪ロングパーマで、お嬢様口調の女子。松本妃奈だった。


「あー質問してた、えーっと松本さんだっけ?」


「そうでございますわ。星谷さん」


「そんでもって、お前ら俺に挑みに来たのか?四人で一人を寄って集っていじめて、恥ずかしくねえのかよ?」


「勝者が全てでありましょう?そこに至るまでの過程や恥じらいなんて、ありませんことよ!」


「手段を択ばないタイプってこった。噂に聞くミス・ビューティーはもっとお淑やかだと勝手に想像していたが、とんだ間違いだったみたいだぜ」


「言ってくださいますわね。それでこそ…堕とし甲斐がありますわ!!」


「落とし甲斐って、俺は別に空飛んでるわけじゃ…ッん!?」


 柔らかいものが唇へと当たる。甘いような唾液が交差し、舌が口をこじ開け中へと入ってくる。両手は押さえつけられ身動きが取り難い。松本の舌が口の中で暴れまわっている。その状態が十五秒ほど続き


 プハァ…


 口から糸を引きながら両者の口が解放される


「15秒で15ヒットと言ったぐらいかしら。従え私の下僕たち(ビューティークイーン)。さあ…(わたくし)のモノと成りなさい。星谷世一。」


 勝った!そういう表情で目を開けた松本は、星谷の第一声に驚愕する。


「何で俺にディープキスしてるの?一応戦闘中だよな?」


「???」


 沈黙が走る


「あれ?俺なんかやっちゃいました?」


「な…何で、わわ、(わたくし)の口づけで動揺しておりませんのぉぉぉ!?!?」


「いや、急に他人からキスされても反応に困るというか」


「他人ッ…!?」


「むしろ迷惑というか」


「迷惑ッ…!?」


 その二言に松本は心をぶち壊される


「分かりましたわ…下僕たち!星谷さんを、けちょんけちょんにしてくださいまし!」


「…了解」


 そう指示された三人は戦闘態勢に入ったのか、意識がなくなったかのように、目が死んでハイライトが消える。


「龍化…」


 龍之介の身体の表面に鱗のようなものが引き上がり始める。胴は長く、髭が生え、頭には二本の角を携えたまるで東洋の青く、細長い龍のような見た目へと姿を変える。


刻む石の巨人(ストーンマン)…」


 石田の身体がまるで岩のような硬い何かで覆われると身体は一回り大きくなり、ここら一体の石などを取り込み、ゴツゴツとした巨人へと変わる。


二重を行く者(ドッペルゲンガー)発動…」


 そして双葉が彼らに触れると、黒い影のようなものが現れると彼らと全く同じ姿をとる。


「まーた多対一ぃ!?」


 嘘だろ?さっきのは一般人くらいの戦闘力だったからまだ何とかなったが、今回ばかりはシャレになんねーぞ!?肉体系ZONEが二人におそらく異能系ZONEが一人。さらには増えやがった。やれるのか、これ?


「やってみるしかねぇか!!」


 機械剣(アダプター)を手に取り、戦闘態勢に入ると


「誰が一人であの量捌き切れんねん、少しは考えんかい。」


「ここかァ、次の祭りの場所は…」


「ガマ!それにガロウ!?お前ら何でここに!?」


「んなもん決まっとる。コイツらをぶっ潰しに来たんや。」


「周辺の雑魚を片付けてたらここにたどり着いただけだ。」


「いいのかよ?俺がコイツらぶった押した後に来た方が、漁夫の利できただろ?」


「否定:ここでまとめて倒した方が、効率が良いと判断したまでです。」


「キリコまでいんのかよ。わーったよ!ここは一旦共闘な。先に死んだら容赦しねぇからな!」

 観戦席のみんな

「さすがミス・ビューティー!おれたちにできない事を平然とやってのけるッ」

「そこにシビれる!あこがれるゥ!」


一部マグネ「許すまじ」


現時点残っている人数は10人です。

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