第101話 フラッグ三つ巴
アラームの音に叩き起こされ、目が覚める。今日はサバイバルフォレスト2日目、今日から他校との戦闘行為が解禁される。それすなわち、戦いの火蓋が切って起こされたことを意味するのだろう。
手洗い場に移動し昨日のうちにろ過装置に通して煮沸消毒を施した水を貯めたペットボトルの水を顔にぶっかけて顔を洗い、服を着替えて磑亜アーマーを着装して外に出ると、外でキリエたちが走り込みをしていた。
「早朝から気合十分って感じね。」
「キリエたちこそ朝からランニングか?」
「体力つけなきゃってのもあるけど、体動かしておかないとね。あんたもランニング付き合いなさい。」
「ええ……」
「ほら、こっちきなさい!」
「ZONE使うとか卑怯だろ!」
「俺ちゃん許せないよ。」
「アンディー殿、そんなにもあのカップルが羨ましいのでござるか?」
「そうじゃない!俺ちゃんとしては、女湯イベントが無いのはどうかと思うぞ。おい作者!お前に言ってんだからな!俺ちゃんの頭にチェンソー付けて、一発芸「チェンソーマッ!」とショートコント「ゾンビ」を没にしたのは許してないからな!」
「アンディーはどこを見て話しているんだ?ホワイ?」
「でも、ドラム缶風呂は気持ちよかったんだな。大自然の中で入る風呂は格別だったんだな。」
「大自然の中と言っても、覗き防止のために土の壁に囲まれた風呂だったけどな。」
「お前らも一緒に走ろぜ!ミッションが追加されるまで時間はあるし、準備運動しておこうぜ!」
俺一人だけだとつまらなかったので、強引に佐々木たちをランニングに参加させ、準備運動をしていると、桃太郎が飯ができたと呼びに来た。空きっ腹にノンシュガー、カフェイン増し増しのエリクサー・レイジングブルと100%ぶどうジュースを混ぜたエリクサー・レイジングブル feat.グレープをキメながら、ベーコンエッグパンとサラダを掻き込み、俺たちはミッション追加まで拠点作成の続きを行って時間を潰した。
そして、時間は正午。昼時になった時、配布されたタブレットに通知が鳴った。通知を確認すると、そこにはミッションの内容が表示されていた。
――――――
ファーストミッション
拠点を建築せよ 1/1 (10P)
デイリーミッション 0/3
色違いの旗を入手せよ
マップに示した個所に赤い旗、青い旗、黄色い旗を設置した。それぞれ5Pである。時刻15:00までに保持していれば得点となる。
ウィークミッション
課外学習終了時に自軍の旗を所持せよ (10P)
課外学習終了時に敵軍の旗を所持せよ(1) (20P)
課外学習終了時に敵軍の旗を所持せよ(2) (50P)
補足
ミッション成功の判定を行うには、このタブレット端末で撮影、または各々が所持している写真や映像を端末に送信して行う。
――――――
マップと古い地図を照らし合わせてみると、赤い旗はメディアス体育館大府、青い旗は大府中学、黄色の旗はリソラ大府ショッピングテラスという場所と一致した。狩北の拠点は大府西中学校、俺たちの大府東高校とはちょうど一直線上の場所にあり、一番近い旗は黄色のリソラ大府ショッピングテラスか……
「旗取り合戦のデモンストレーションって感じやな。マップを見る感じやと、ここから近い順でいくと赤→青→黄色ってところかいな?」
「全部取る?……訳ないか。黄色は離れすぎてるし。」
「いや、まだ南高の拠点位置がわからないのが厄介だ。粗方の予想ならついているが、それでもブレが出る。旗を取った後に奪われるリスクも考えると、黄色は、狩北にくれてやった方がいいな。最優先は赤、その次に青だ。」
「提案:狩北はこっちの拠点をすでに把握している。色つき旗を取りに行く過程で自軍の旗が取られる可能性が高いです。さらに、あの神楽坂が乗り込んでくる可能性を考えると、拠点には多くの戦力を残すのが一番いい。」
「キリコちゃんの言う通りですわ。あの神楽坂のZONEは強力、ガマやガロウさんぐらいでないと防衛は厳しいですわ。」
「なら、私とガロウは残るってのはどう?」
「おい、ちょっと待て。なんで俺がお前と残ることが確定してやがる。キリエ、お前の戦闘力で神楽坂に対抗できると……」
「思ってるわよ。彼女とは、一度面と向かってお話ししたいと思ってるの。ガロウ君には悪いけど、付き合ってくれない?」
「星谷……」
「ガロウよ。そんな助けを求めるような眼差しを俺に向けても助からないぞ。付き合ってやれ。」
「星谷殿、それで一体誰が旗を取りに行くのでござるか?」
「俺、石田、ガマ、東雲、馬場、冰鞠、アンディーあたりで行こうかなとは考えてる。偵察班は、南高の拠点を探ってほしいし、残りは拠点の強化と防衛を頼みたい。対人戦においてガロウ、キリエ、佐々木は十分に強いし、三上の未来視で襲撃のタイミングは予知できるし、績の紡ぐ鋼の糸で作ったトラップを張り巡らせたりすれば拠点の強化にもなるからな。」
「ポイント的に色旗を狙うより、敵旗を狙う方が効率は良い。拠点の位置がバレてることも考えると、キリコはんが言うように防衛に人を回した方が安全という訳か。」
「そういうことだ。それじゃ、作戦会議は終わった。お前ら!出発するぞ!」
「「おー!!!」」
薄暗い部屋の中、レンジがタブレットを持ち、ソファに横たわるジンへと話しかける。
「どうやら、今回のミッションは旗の争奪戦のようだ。鉢合わせるとすると、おそらく狩高になる。ジン、誰を向かわせる。」
「レンジ、お前の判断に任せる。」
「わかった。あつらに行かせよう。あいつらは、最近ZONEを進化させたばかりだ。実力を計らせるにはいい機会になるかもしれない。」
そう言ってレンジは部屋から出て電話をかける。
「土御門竜塚、進捗はどうだ。」
「オィイイイイイッス!どうも~竜塚で〜す。今日は、トンネル作成2日目ですけども。参加者は誰一人、来ませんでした。一体何がいけなかったんでしょうかね。」
「どこまで進んだかと聞いているんだ。さっさと答えろ。」
「進捗はだいたい昨日時点から狩北方面に向けてトンネルを制作中で30%。サバイバルフォレスト6日目には開通する見込みです。」
「そうか、ならいい。そのままのペースでトンネルを掘れ。終わり次第、拠点の拡張と出入り口を追加作成だ。」
「ほほーい」
白亜のクリスタル城のテラス、神楽坂は椅子に座り、狩高の拠点がある辺りを見ながら優雅にローズティーを嗜んでいた。
「ああ、君はそこにいるんだね……すぐに迎えに行ってあげるから、待っててね……」
そう一人嬉しそうな声色で楽しんでいると、そこに二人の狩北生徒が現れた。一人はクリスタルのような青緑色のツンツン頭の男子。もう一人は、ぱっと見非常にかわいい。ピンク色の髪に星型のハイライトが入った青色の目とネコ口が特徴の女子だった。
「神楽坂様。先ほど、黄色旗入手部隊が出発しました。そして我々聖歌隊の任務、拠点作成の任務は終えました。次の指示を受けに参りました。」
「君たちは、拠点の周辺警備と青色旗入手のために部隊を編成してくれ。編成が完了次第、直ちに出発してくれ。」
「「はっ!」」
なんか最近ランキングは乗るし、Twitter(X)では万バズ?するしで、こんな駄作を読んでもらって非常にありがたみを感じると共に雑に扱ってしまった思い入れのあるキャラ(閻魔、ゼノンの3キャラ、他モノノケメンバー、EDEN財団関係者の皆様)に頭が上がらないというか、申し訳ない。出番は用意してるんだけど、プロット的にもう少し後になってしまうのが、本当に申し訳ない……というかEDEN財団関係者ばっかじゃねぇか!!!!!!




