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新たなメモリー

引き続きチェロを体験するE-Hとメモリーについて調べるセレネー。E-Hは、セレネーのメモリーを思い出してもらうきっかけの為ではなく、純粋にチェロについて詳しく知ろうとしている。弓を見たり、弦を弾いたり、弓で弾いたり、チェロという楽器を一心不乱に調べている。

セレネーは、メモリーについて調べていると、削除された情報に気付く。


 案内人名:セレネー 場所:架空の世界 時間:○○:○○:○○ 詳細:「」についてを削除


何について削除されたかは記載していない。削除されているから当然だ。これを見てセレネーは、架空の世界に居るということは、1人ではなくE-Hと一緒だったということ。では、E-Hに関係することではなく、セレネーが自分に関係することだと予測した。自分のことは自分が一番分かる、という考えを持っているセレネーはすぐに何を削除されたかわかった。そして、管理部に削除されたのではなく、自分で削除したということもわかった。だが、削除してしまった情報は戻らない。もう一度情報を集めることしか方法がない。

情報は元のデータがあるので、全く同じものを記入できるが、風景や感情は全く同じものを入手出来ない。同じ空間を作っても、思考までは同じものを再現できない。よって、メモリーは全く同じものを出来ず、新しいメモリーを増やすしかない。

 こう考えたセレネーは、リスクを考えず、勝手にE-Hと過ごした大切な時間を消した自分を恨んだ。だが、それでは何も変わらない。恨んだところで時間は戻らない。こんな思いを二度としない為に、システムの削除するという選択肢を隠すようにシステムを組み直した。


暫く経って、E-Hがセレネーに話しかける。


「セレネーさんもチェロを触ってみますか?」


「いえ、私は結構です。E-H様がご体験なさってください」


「そうですか…では、客観的に見たいので、触ってみてくれませんか?」


「かしこまりました」


「ありがとうございます」


E-Hは微笑み、席に着く。セレネーも初めて触るチェロに少し困惑。だが、情報を元に演奏してみると、初めてとは思えないくらいに良い音を奏でた。音と姿、全てを忘れないように凝視するE-H。1曲弾き終えたセレネーはE-Hに目を移す。メモリーが増え、2人とも個性が出来た。


「いかがでしたか?」


「とっても素敵です!私が出せなかった音がしました。どうしてですか?」


「弾き方のコツなどが記載されている資料があります。そちらを参考に演奏してみました。資料をお読みになられますか?」


「私も読みましたよ。でも、あんな音だったし…」


「緊張されているのでしょう。それから、初めは失敗することが多いです。練習したりコツを無意識に実践出来るようになりますと、上達出来ると思います」


「なるほど…練習します」


「かしこまりました。では、1度休憩しましょう。3時間もお休みになられてません。もし、じっとすることに気が乗らなければ他のことをしませんか?」


「他のこと…例えばどんなことがありますか?」


「散歩やストレッチなど体を動かすことをお勧め致します」


「あまりやる気が出ないですけど、してみましょう。試してみないと良さが分からないままですよね」


「かしこまりました。では、どこに行きたいですか?海や山、室内どこでも出来ます。お好きな場所をお伝えください」


「んー…どこでもいいです」


「では、E-H様が知らない場所、運動するのに最適な場所へ向かいましょう」


「よろしくお願いします!」


個性が生まれてきた2人。これからまた新しくメモリーを増やす為に新しい体験をする。次は何を知れるだろう。個性が増え、メモリーも増え、無事に地球へ産まれることが出来るのか。

まだ続きます。

暇つぶしになれればいいなと思ってます。

最後まで読んで頂けると幸いです。

引き続きよろしくお願い致します。

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