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記憶の根元に

E-Hはセレネーのメモリーが削除され不安になる。そこにモルとサニーが現れ、助言を貰い、実行を期するE-H。こんなことが二度と起きないように、メモリーを思い出すきっかけを作る為、チェロを記録することにしたE-H。

 チェロの実物を探しに能力体験室へ着いたE-Hとセレネー。能力体験室の管理人にE-Hは問う。


「チェロっていう楽器はどこにありますか?」


「只今準備致しますので、3号室の前でお待ち下さい」


「わかりました、すみません」


「E-H様、この場合、謝罪ではなく感謝をすべきです」


「え…?感謝…迷惑をかけたのに、感謝をすべきですか?」


「E-H様は管理人に迷惑をかけていません。教えて頂いたことに対し、ありがとう。と、感謝を伝える方が相手の為です」


「そうですか…以後気をつけます」


「私は今、迷惑をかけられていません」


「え、あ…ありがとう」


「恐れ入ります」


管理人が3号室から出てくる。


「E-H様、準備が整いました。どうぞ、ごゆっくりご体験ください」


「すみません…ありがとうございます」


「ありがとうございます。終わり次第、セレネーが報告します」


「承知しました」


管理人が3号室を去り、2人だけになる。部屋の中心にチェロが置いてある。E-Hは初めて見た実物のチェロに目を輝かせる。セレネーはそのE-Hを記録し、メモリーを更新する。それと同時に違和感を抱く。


「E-H様、見るだけでは体験出来ません。演奏してみてはいかがですか?」


「あ、そうですね。はい、演奏…」


「E-H様?」


「少しこのままでもいいですか?」


「はい、ご自由になさってください。何かご不明点がございましたら、申し付けください」


「わかりました」


チェロを眺めるE-Hから少し離れたところで待機するセレネー。その風景を見てセレネーは愛おしさを感じた。


 見たことある気がする。


消された記憶が少しだけ蘇る。今のセレネーは戸惑い、この状況をどう解決すればいいのか検索する。結果は、担当個体の情報以外をリセットすること。だが、それはもう二度としてはいけない。と、無意識に考えるセレネー。次に、解決ではなくこの状況が何かを検索する。そこには、メモリーの更新、または、物を見たことがきっかけで、メモリーを思い出した可能性がある。という結果が出た。メモリーは本人の感情まで記録することができる。


「E-H様、ご体験の邪魔をして申し訳ございません。少しお聞きしたいことがあるのですが、よろしいでしょうか?」


「どうしました?」


「私は今、この風景を見て愛おしさを感じました。これが何かを検索したところ、以前のメモリーである事が判明しました。ですが、E-H様の表情から読み取り、チェロを触ることは初めてである。なので、この風景を見たことが無いということです。では、何をきっかけにメモリーを思い出したのでしょうか?」


「…?メモリーを思い出したのですか?」


「左様でございます。チェロについての資料を集めていたことは存じておりますが、触れることは初めてですよね?では何故、この感情を、愛おしさを思い出したのでしょうか?」


「…その通りですが…何故かは私もわからないです」


「左様でございますか。では、ご体験にお戻りください。手を止めてしまい申し訳ございません」


「いえ、お気になさらず…」


E-Hは、私のいる風景を見て愛おしさを感じたというセレネーの言葉に戸惑いを隠せずにいた。セレネーがE-Hを見て愛おしさを感じた、これは嘘でも勘違いでもない。正真正銘のセレネーのメモリーだ。


 モルに教えてもらったこととは少し違うかもしれないが、E-Hはセレネーのメモリーを思い出させることに成功した。たった1つの感情かもしれないが、前のセレネーに戻るかもしれないとE-Hは希望を抱いた。次は何をしよう。

前回から間が開いてしまい申し訳ございません。

未熟者ですが最後まで見放さず読んで頂けると幸いです。

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