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いつか気づく

更新が遅くなりすみません。

引き続き読んでくださると嬉しいです。

 自分で進むために、セレネーに頼りすぎないために、1人で出来るようになるために……


「──さま…E-H様、何か考え事ですか?」


「いや、なにも!何も考えてないです」


「それはそれで問題がございますが……」


「あー、えと、次はなにをしようかなって考えてました」


「先程、書き留めたやりたいことを体験してみるのはいかがですか?たくさん書かれたので少々大変かと思われますが、休憩しつつ全て体験しましょう」


「そうですね、でも、今はきっと全てを上手く出来ないので、地球で本当にしたいことを中心に体験します。地球で練習含め、頑張ります」


「良い心がけでございます。その調子で進めましょう。ですが、頑張りすぎにはご注意ください」


「はい、えと、じゃあ……」


「体験室へお連れします」


「ありがとうございます」


───体験室


E-Hは地球で本当にしたいことを中心に体験をする。5時間程が経った頃、セレネーが休憩を提案する。


「セレネーさん、休憩が大切なのは分かってますが、まだ少ししか時間は経ってませんよ」


「いいえ、もう5時間は経過しています。いくら疲れを感じないからといって、没頭するのは結構ですが、時間は気にしてほしいです。ご存知でないようですので、お伝え致します。人間は時間に縛られて生きています」


「それくらい知ってます!本で読みました。食事を忘れることもダメだと」


「えぇ、よくご存知で。では、他に大切なことは?」


「睡眠、休息、人間?」


「少し抽象的ですが、まぁ良いでしょう。他には?」


何か言いかけたE-Hだがまた考える。しかし思いつかなかったようだ。


「……他にもあるの?」


「もちろん。E-H様は先程、本で読んだと仰いましたが、小説ですか?それとも別の……」


「小説です。今の状況に似た話を読みました。たしか…探偵の話です。事件を解決しようと食わず寝ずに情報を整理している場面が」


「たしかに今の状況に似てますね。では、誰が彼に指摘したのですか?」


「大家さんです。掃除をしろとも言ってました」


「では何故大家さんは彼に指摘したのですか?」


「うーん……掃除も大切なことだから?」


「たしかに大切なことですね。でも、他にも大切なことが」


「なんです?」


「それに気づいた時が地球へ向かう時かもしれませんね」


「教えてくださいよ」


「今すぐ地球へ行きたいと?」


「誰がそんなことを?」


「E-H様が教えてとおっしゃいました」


「……たしかに。でも教えてもらうのと、気づくのは違います」


「えぇ。ですから私は気づいた時が、とお伝えしました」


「教えてもらっても何も問題ないと思いますけど……」


「問題ないですが、意識しますよね?教えなくても意識出来ます。なら、自分で気づく方が自分のためになりますよ」


「そうかな……」


「そうです」


「まぁいいです。もう体験室に戻っても?」


「まだ休憩時間です」


「もう休憩しました」


「まだ終わってません」


「なんでそんなに休憩を勧めるんですか?」


「なんででしょうね」


「……なんでだ?」


E-Hは考える事を止めなかったが、体は休めていた。セレネーは考える事も止めて欲しかったが、今のE-Hに合う他の方法が見つからなかった為、この方法を試した。休憩と言いながらも常にE-Hが自分の事を意識するために。地球へ生まれるために。


 E-Hが地球へ生まれるまでそう長くないことに嬉しくも寂しく思うセレネー。あと少しの間にどれだけのことに気づけるのかは誰も知らないが、E-Hが成長していることに間違いない。次は何をしよう。

ここまで読んで頂きありがとうございます。

誤字脱字があったらすみません。

もう少し続きますので、最後まで読んで頂けると嬉しいです。

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